常識学派の形成と「アバディーン哲学協会」とは? わかりやすく解説

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常識学派の形成と「アバディーン哲学協会」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 14:25 UTC 版)

スコットランド常識学派」の記事における「常識学派の形成と「アバディーン哲学協会」」の解説

スコットランド常識学派当初アバディーン大学で、次にグラスゴー大学、そして最後にエディンバラ大学において発展遂げることになる。 前述通り、「常識学派形成最大原因となったのはデイヴィッド・ヒュームの『人間本性論』(1739-40)や、それに続く『人間知性研究』(1747)である。ヒュームの『人間本性論』は出版当時から宗教的保守層から強烈な批判受けていたのだが、一方でスコットランド思想界に重大な影響与えた。後に常識学派代表的人物見なされるトマス・リードまた、ヒューム衝撃受けた一人であったアバディーン大学マーシャル・カレッジでジョージ・ターンブル等からバークリ哲学教わった後、ニュー・マーカー教会牧師をしていたリードは『人間本性論』を読みそれまで受け入れていた学説疑問視始めた一方ヒューム展開した懐疑主義から、既存道徳宗教とりわけスコットランドの伝統宗教である長老派教会)を擁護する試みとして本格的に活動始め、「常識学派」の形成準備したのはスコットランド法律家著述家であったケイムズ卿ヘンリー・ヒュームである。ケイムズ卿はその著書道徳自然宗教原理』(1751)において、認識論道徳論の二方面からヒューム思想批判した。ケイムズ卿は、認識論においては我々は印象観念媒介せずに外的世界直観できるという立場強調し道徳においては道徳感覚」の先験性を主張し、後の常識学派流れ決定付けた。 ケイムズ卿の『道徳自然宗教原理出版と時を同じくする1751年トマス・リードアバディーン大学キングスカレッジ道徳哲学リージェント教授)として就任したリードはケイムズ卿の『原理』から強く影響を受け、出版後ただちにその抜粋執筆しその後にケイムズ卿と文通始めている。また、アバディーン大学ではジャコバイトの乱での教員刷新以来キングス・カレッジとマーシャル・カレッジという二つカレッジ中心として(低地地方大都市比べれば小規模なものの)啓蒙苗床となる土台があり、1753年から始まるリージェント制から教授制への大学改革もその啓蒙傾向拍車をかけていた。リード早くから学内の「哲学クラブ」を初めとする研究会参加しヒュームやその批判者ケイムズの検討、及び感覚についての研究行った1758年リードを含む6名のアバディーン大学教授らによって、「哲学クラブ」と「神学クラブ」とを前身とする学術団体アバディーン哲学協会」が設立された。「アバディーン哲学協会」では、当時スコットランド諸学団体エディンバラ哲学協会グラスゴー文芸協会等)と同様に自然科学から人文学まで幅広い議論展開されていた。この「哲学協会」での発表討論結果生まれたジョージ・キャンベルの『奇跡論』(1762)、リードの『常識原理に基づく人間精神研究邦題心の哲学)』(1764)の刊行以って、「スコットランド常識学派」は世にその姿を現すこととなる。

※この「常識学派の形成と「アバディーン哲学協会」」の解説は、「スコットランド常識学派」の解説の一部です。
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