常識学派の発展と『エディンバラ・レビュー 』とは? わかりやすく解説

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常識学派の発展と『エディンバラ・レビュー 』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 14:25 UTC 版)

スコットランド常識学派」の記事における「常識学派の発展と『エディンバラ・レビュー 』」の解説

プリーストリーへの再反論として、ビーティーオズワルド通俗受けした常識哲学から、リード本来の「精神解剖学としてのコモン・センス哲学への回帰の道を示したのが、リードの「正当な後継者と言われるエディンバラ大学道徳哲学教授であったデュガルド・ステュアートである。ステュアートエディンバラ王立協会リード追悼講演(1802)において、「常識原理」という言葉リード思想曲解させてきたと指摘し、「常識コモン・センス)」という語の代わりに信念基本法則」という名称を用いることを提案した。彼は「常識」、すなわち「信念基本法則」を「それがなければこの世全ての業務がただちに停止することになる、あの人本性基本構造」として再定義しここから常識哲学新たな発展遂げることとなる。 ステュアート認識論常識哲学第一部門として『人間精神哲学の諸要素』(1792)を刊行し倫理学第二部門として『人間能動的道徳的能力哲学』(1828)を刊行した。残る第三部門(経済学)についての著作計画されいたもの実現せずハミルトン編集による『講義録』(1855)が残されるのみであったステュアート政治経済学道徳哲学から切り離し初めて「新し学問」として独立した講義行ったことでも知られている。 エディンバラにおけるステュアート活動は、多く弟子生み出したまた、当時エディンバラ知的環境中でも最も注目すべきは、評論誌『エディンバラ・レビュー』(1802-1929)の刊行であったステュアート弟子達の論文がその誌面載ることも多く、そしてその中でも最も常識学派流れ継承し大陸観念論哲学とも、イングランド経験論哲学とも異なる「スコットランド常識学派」という流れ受け継いだのはトマス・ブラウンウィリアム・ハミルトン卿である。 『エディンバラ・レビュー』の初期論客としてイマヌエル・カントエラズマス・ダーウィン対す批判執筆していたことで知られるトマス・ブラウンは、ステュアート直接後任として道徳哲学教授となった。彼はその著作人間精神哲学講義』(1820)において、ハートリー由来観念連合心理学リード常識哲学導入しリード思想において峻別されていた「感覚」と「知覚」との関係を論じたブラウン若くして亡くなったものの、観念連合心理学発展多く貢献したと言われている。 J.S.ミルからの苛烈批判でも知られるウィリアム・ハミルトン卿は、ステュアートからリード常識哲学受け継いだとともにブラウンとは逆にカント批判哲学積極的に受容するように努めたハミルトンは『エディンバラ・レビュー』に掲載されクーザン認識論批判する論文無制約者哲学」(1829)において、我々は「制約されたもの」しか認識できないとする相対的認識論展開した。すなわち、彼によれば「考えることとは条件付けること(To think is to condition)」であり、すべての対象は他との関係を認識することによって知ることが出来る。それ故に、条件づけられない「無限」や「永遠」を認識することは出来ないのである。この論文きっかけとしてハミルトンエディンバラ大学論理学形而上学教授としての職を得ることに成功したハミルトン論理学初めとして多く業績残し彼の著作スコットランドのみならずイングランド国内でも広く受け入れられさらにはフランス・スピリチュアリスムにも広く影響与えたハミルトンまた、リード著作ステュアート遺稿編纂し、『トマス・リード著作集』全2巻や、『デュガルド・スチュアート全集』全11巻刊行した

※この「常識学派の発展と『エディンバラ・レビュー 』」の解説は、「スコットランド常識学派」の解説の一部です。
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