岩手、宮城両県知事への暴言、大臣辞任へ
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「松本龍 (政治家)」の記事における「岩手、宮城両県知事への暴言、大臣辞任へ」の解説
2011年7月3日に復興担当相就任後初めて被災地入りし、岩手県で達増拓也知事と、および宮城県で村井嘉浩知事との会談を行った。その際の暴言が問題となり、7月5日に復興相と防災相を辞任することとなった。当時は、震災の鎮魂と復興を願って7月16日、17日に初めて開催される第1回「東北六魂祭」(宮城県仙台市)の直前準備の時期だった。 問題となった発言は以下の通り: 達増知事に対して 「九州の人間だから、何市がどこの県とか分からん。」 「本当は仮設はあなた方の仕事だ。」(仮設住宅の要望をしようとする達増に対して) 「知恵を出したところは助けるけど、知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持て。」 村井知事に対して 「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと、我々は何もしないぞ。ちゃんとやれ。」(被災した漁港を集約するという県独自の計画に対して) 「(今、あとから入って来たけど)お客さんが来る時は、自分が入ってからお客さんを呼べ。いいか、長幼の序がわかってる自衛隊ならそんなことやるぞ。わかった? しっかりやれよ。」(応接室に村井知事があとから入ってきたことに対して。村井知事は元陸上自衛官。この発言に先立って松本は「先に(知事が部屋に)来るのが筋だよな。お迎えするのがね。」とつぶやいていた。) 上記発言に続けて、「今の最後の言葉はオフレコです。いいですか、みなさん、いいですか、『書いたらもうその社は終わり』だから。」同日、東北放送(本社所在地・宮城県仙台市太白区、TBS系列)が宮城県庁での会談内容をニュースで報じたことをきっかけに、両知事に対する発言の数々が報道された。 松本は「(村井知事が)3、4分出てこなかった。だから怒った」としたが、松本が応接室内で待った時間は1分27秒(TBS調べ)であった。また、村井知事は「時間通り」に入室していた。松本は応接室で待たされ、知事が出迎えなかったことに腹を立て握手を拒否したが、これは通常の応対に過ぎず、村井知事も「社会通念上、このような接遇が正しいと理解している」と述べている。 これら一連の発言について、村井知事が「国と地方自治体には主従関係はない」と不快感を示した他、被災地や野党から反発・非難の声、首相官邸や民主党への抗議電話も相次いだ。 数日の間にこのような中傷や暴言を繰り返したが、松本をよく知る人は「おとなしい、いい人です」「あんなしゃべり方初めて聞いた」と話しており、この一連の発言は菅首相を退陣へ追い込むためにわざと発言したのではないかと報じているメディアもある一方、高校時代の同級生は「今回の発言は別に驚かないです。昔から松本龍は松本龍。高校時代から、あんな感じでしたよ」とも発言している。 2011年7月4日、被災地知事への発言を問題視された後の記者会見では「私は九州の人間ですけん、ちょっと語気が荒かったりして、結果として被災者の皆さんを傷つけたということであればおわび申し上げたい」「私はちょっと(血液型が)B型で短絡的なところがあって、私の本意が伝わらないという部分があるということは、反省しなければならない」と謝罪し、「何市がどこの県とか分からん」発言については「発災以来、ずっと東北の問題に関わり、福島、岩手、宮城に行き、すべての市町村の名前を知っている。知らないわけがない。九州からみれば東北は広いなあという思いがありしっかり取り組むという意味で言ったが曲解されたと思う」と釈明した。欧州メディアからは「失敗を血液型のせいにできるのか」といった反応があった。BBC東京特派員のローランド・バークは、松本の弁明の解説として「血液型のせいにするなど荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、日本では血液型は性格に影響すると信じられている」とコメントしている。 当初「辞めない」としていたが、5日朝に菅直人総理大臣と会談し「一連の発言で被災地に迷惑をかけており、国会運営だけでなく復興にも支障をきたす可能性がある」との理由で辞表を提出。その後の記者会見では辞任理由について「個人的都合」としたが詳細については「話せません」と答えた。この席での「謎掛けをしようと思った」との発言について産経新聞は「真意分からず、最後まで『謎』だった」と報道した。また「岩手で見た子どもたちの作文集を百冊購入して、みんなに売りつけようと思ったが、最後なのでプレゼントします」との発言については東京新聞で「真意をはかりかねる発言」と報じられた。
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