尾道市議会議員1人に対する尾道市議会議員政治倫理条例に基づく尾道市議会政治倫理審査会の設置
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「河井夫妻選挙違反事件」の記事における「尾道市議会議員1人に対する尾道市議会議員政治倫理条例に基づく尾道市議会政治倫理審査会の設置」の解説
2020年3月11日、尾道市議会本会議において、議員より「尾道市議会議員政治倫理条例」を提案し、賛成多数で可決。本条例は同年3月12日に公布され、公布の日から施行。条例制定の目的は、議員が政治倫理の確立に努めるとともに、市民の厳粛な信託に応え、民主的な市政の発展に貢献するため、議員政治倫理条例を制定された。 2020年6月、河井克行から現金授受を報じられた尾道市議会議員杉原孝一郎は、朝日新聞の取材に「克行被告と面識はない。報道は事実無根だ」と否定。尾道市議会にも同様の説明をした。 2020年8月25日、河井夫妻被告初公判(東京地方裁判所)で、検察が冒頭陳述で河井前大臣夫妻から現金の提供を受けたと認定した100人の実名を読み上げたなかに、尾道市議会議員 杉原孝一郎 30万円があった。 2020年8月26日、記者から嘘をついていたことを指摘され議員辞職の意向を質問された杉原孝一郎市議は「全くありません」と答えた。 2020年9月11日、尾道市議会の求めに杉原孝一郎市議は応じて質疑を受け付けない非公開の説明会を開いた。杉原孝一郎議員は、参議院選挙公示翌日の2019年7月5日に河井克行が自宅を訪れ、河井克行から推薦はがきの入った紙袋を渡された。河井克行が帰った後、現金入りの封筒も置いてあるのに気づき、土日を挟んで3日後に返却した、と説明。「現金は3日後に返却した」「すぐに返却したので現金を受け取ったという認識はない」「法的にも道義的にも恥じる行為は一切ない」と説明した。 2020年9月18日、河井克行から現金を渡されたことを認めた杉原孝一郎市議に尾道市議会福原謙二議長が厳重注意処分を口頭で伝えた。杉原市議は「みなさんに迷惑をかけ、申し訳ない」と謝罪した。 2021年2月3日、河井克行被告第36回公判(東京地方裁判所)で杉原孝一郎市議の供述調書を読み上げられた。受け取った現金30万円について「検事の取り調べを受けた後に同額を現金書留で送ったが戻ってきた」「もろもろの生活費に使った」「9月に東京でラグビーワールドカップの試合観戦をしたときに一部を使った」。 2021年2月15日、尾道市議会は、同月3日の河井克行被告第36回公判で検察側が読み上げた杉原孝一郎市議の供述調書の内容が、尾道市議会へのこれまでの説明と食い違っていたため会派代表者会議で対応を協議し、他の尾道市議が杉原孝一郎市議に事実を質問し確認する公開の説明会の開催を決めたが、杉原孝一郎市議は出席を拒否した。 2021年2月22日、尾道市議会は、河井克行から現金30万円を受け取ったことを認めた市議・杉原孝一郎に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。 2021年3月22日、杉原孝一郎市議に対する尾道市議会政治倫理審査会が条例に基づき設置され第1回会合が開かれ、委員長、副委員長を互選した。杉原市議に出席を要請し、経緯の説明を求めることを決定。 2021年4月下旬、尾道市議会政治倫理審査会は、杉原孝一郎市議に5月中旬に公開の場での説明することを要請。 2021年5月26日、杉原孝一郎市議に対しての尾道市議会政治倫理審査会(吉田尚徳委員長)の第4回会合が非公開で開かれたが、杉原市議は出席を拒否した。尾道市議会は杉原市議に対して辞職勧告決議案を可決しており、今後、政治倫理審査会は質問項目などを整理し、再度杉原市議に説明を求める方針。 2021年8月30日、尾道市議会政治倫理審査会は、杉原孝一郎市議に対し審査会に出席して、2019年参院選を巡る大規模買収事件で現金を受け取った経緯を説明するよう求めることを決定。開催は9月下旬以降となる見込み。 2021年9月、尾道市議会政治倫理審査会が開かれたが、杉原孝一郎市議は再び出席せず説明を拒否した 2021年11月5日、尾道市議会政治倫理審査会が開かれたが、杉原孝一郎市議は出席を拒否した。出席拒否は3回目となった。10月22日付の文書で出席を要請したところ、杉原孝一郎市議は11月4日に尾道市議会事務局に欠席を伝えた。理由の説明はなかった。政治倫理審査会は改めて出席を要請する方針を決定した。 2022年2月10日、尾道市議会から辞職勧告を決議され、東京第六検察審査会から「起訴相当」と議決された杉原孝一郎議員は、「検察の判断が出てから今後を考える」とコメントした。また、尾道市議会が設置した政治倫理審査会について「自分の問題には合致しないので出席できない」という考えをコメントした。 2022年3月9日、杉原孝一郎議員は、高本訓司議長に辞職願を提出し、当日の本会議で可決され辞職した。高本訓司議長は、杉原から略式起訴になったことを報告され辞職したいとのことだったと明らかにした。杉原は10回開かれた尾道市議会政治倫理審査会への出席を拒否し、説明責任を果たさないまま辞職となった。 2022年4月21日、尾道市議会政治倫理審査会の山根信行委員長は、略式起訴されて罰金刑が確定した杉原孝一郎元市議に関する審議結果を報告書にまとめて尾道市議会高本訓司議長に提出し、杉原孝一郎に対する尾道市議会政治倫理審査会を解散した。
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