国家産業やマフィアの資金獲得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:20 UTC 版)
「麻薬」の記事における「国家産業やマフィアの資金獲得」の解説
詳細は「麻薬戦争」を参照 コロンビアで1970年代後半から、アメリカ合衆国向けに密輸するコカイン栽培が急増した。アメリカ合衆国で1960年代後半からコカイン摂取がブームになったことがきっかけだった。コロンビアでコカイン生産を行ったのは、アンデス山中の大都市で動いていた犯罪組織メデジン・カルテルだった。その後犯罪組織はコロンビア国家の政治・経済も支配するようになり、コカイン栽培が国家産業の一つにまで発展した。 ミャンマーにおいては、主としてシャン州周辺で古くから栽培されており、同州にはミャンマーからの分離独立を志向する少数民族が多く存在する事、1960年代以降のいわゆる「ビルマ式社会主義」によってミャンマー経済が慢性的な停滞に陥り多くの人材が麻薬産業に流入した事、シャン州から主要な「市場」であるタイや中国に比較的近距離である事、60年代以降のミャンマー政府が国際的に孤立主義の傾向を取り続けた事などから、ケシ栽培を中心とする麻薬産業が急速に発達した。 少量の生産販売で多額の利益が得られる事、多くの麻薬植物は容易に栽培が可能である事から、多くの国の反政府ゲリラや民兵組織が資金源として麻薬産業を保有する事が多い。また、同様の理由で、かつ、中央政府の支配力が及ばない事から貧しい農家が「究極の換金作物」として麻薬植物を栽培するケースも多く、アフガニスタンや内戦当時のレバノン・ベッカー高原などでは盛んに麻薬植物が栽培されている。 2012年の第67回国連総会では、メキシコ、コロンビア、グアテマラといったラテンアメリカ諸国の大統領は、薬物の流通を制限するという証拠は乏しく、暴力につながるこうした政策の変更を提案した。メキシコでは、カルデロンの任期中6年間に、薬物に関連した暴力により死者は6万人を上回り、コロンビアでは撲滅運動にかかわらず依然としてコカインの世界最大の生産地の1つである。 2013年の国連の薬物乱用防止デーにおいて、法の支配は一部の手段でしかなく、罰することが解決策ではないという研究が進んでおり、健康への負担や囚役者を減らすという目標に沿って、人権や公衆衛生、また科学に基づく予防と治療の手段が必要とされ、このために2014年には高度な見直しを開始することに言及し、加盟国にはあらゆる手段を考慮し、開かれた議論を行うことを強く推奨している。
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