古寛永とは? わかりやすく解説

古寛永

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:02 UTC 版)

寛永通宝」の記事における「古寛永」の解説

寛永13年6月1636年)、幕府江戸橋場と近江坂本銭座設置公鋳銭として寛永通宝製造開始主な鋳造所幕府江戸近江坂本銭座であった。しかし水戸藩仙台藩松本藩三河吉田藩高田藩岡山藩長州藩岡藩等でも幕府許可得て銭座設けて鋳造していた。 やがて、銭が普及したことから寛永15年1638年)に1貫文=銀23前後であった銭相場16年1639年)に1貫文=銀16匁まで下落したため、『銭録』によれば寛永17年8月1640年)に一旦銭座停止したとある。ただし、これは諸藩置かれ銭座に関する停止で、江戸坂本京都・大坂など幕領における銭座停止もう少し遅く寛永18年12月23日付で出され老中連署奉書によったとみられている。また、安国良一は銭相場下落原因寛永飢饉物価の上昇と銭の需要が強い庶民層への打撃)の影響大きかったとしており、幕府銭座残った寛永通宝公定価格買い上げたり宿場町拝借金拝借米を与えて寛永通宝返済させることで幕府への事実上回収飢饉収まって銭相場安定した時点で再放出意図している)を図ったりしている。また、当初高水準銭相場背景にした運上含めた利益見込んだ幕府銭座による過剰生産抑止しきれなかったことや、原料の錫の不足などによる公鋳の銭座側の事情による部分私鋳銭による部分によって生じた質の低下皮肉にも銭座による鋳造停止による職人失業私鋳銭拍車をかける)など、多く課題浮上しており、その後鋳銭事業生かされることになる。 その後12匁まで下落していたが、承応から明暦年間にかけて再び銭相場が銀18前後まで高騰したため、承応2年1653年)、明暦2年1656年)に銭座設けて鋳銭再開する。 これらの古寛永は大局的には以下のように分類される鋳銭地は古銭収集界で現存するもの当てはめたものであり、これらの内発掘などで銭籍が確定しているものは一部のみであり、長門銭、水戸銭の一部、および松本銭である。 寛永13年1636年銭座設置 浅草銭/御蔵銭(あさくさせん/おくらせん):江戸浅草橋場の銭座鋳造銭(しばせん):縄手鋳造。「通」字の之繞および「永」字などの点が草書体となった点」のものが多い。 坂本銭(さかもとせん):近江坂本鋳造。「永」字が撥ねるものが多い。 寛永14年1637年銭座設置 水戸銭(みとせん):常陸水戸鋳造仙台銭(せんだいせん):陸奥仙台鋳造吉田銭(よしだせん):三河吉田鋳造松本銭(まつもとせん):信濃松本鋳造。「寳」が仰いでおり「斜寳」と呼ばれる鋳銭請負った今井家書状と未仕上げ銭が残されており、(現在は松本市寄贈され松本市立博物館展示されている。)その書体(「斜寶縮寶」)より、松本銭が確定した高田銭(たかだせん):越後高田鋳造銭/長門銭(はぎせん/ながとせん):長門美弥赤村鋳造岡山銭(おかやません):備前岡山鋳造竹田銭(たけたせん):豊後竹田鋳造従来「斜寳」が充てられていたが、松本銭であることが確定した寛永16年1639年銭座設置 井之宮銭(いのみやせん):駿河井之宮で鋳造。井之宮銭とされていたもの発掘事実により岡山銭に変更される。「寛」字が小さく「縮寛」と呼ばれる承応2年1653年銭座設置 建仁寺銭(けんにんじせん):京都建仁寺鋳造建仁寺銭とされているものは長崎鋳造との説もあり。 明暦2年1656年銭座設置 沓谷銭(くつのやせん):駿河沓谷鋳造鳥越銭(とりごえせん):浅草鳥越鋳造。 古寛永の総鋳造高については詳しい記録見当たらず不明であるが、鋳銭目標などから推定した数値では325貫文32億5千万)とされ、この内鳥越銭が30貫文(3億)、沓谷銭は20貫文(2億)との記録もある。 寛永年間鋳造寛永通寳寛永13年1636年)称浅草御蔵銭 寛永通寳寛永13年1636年)称銭二寛永通寳寛永13年1636年)称坂本銭跳永 寛永通寳寛永14年1637年)称水戸銭力永 寛永通寳寛永14年1637年)称仙台銭中字 寛永通寳寛永14年1637年)称吉田銭広永 寛永通寳寛永14年1637年)称松本銭太細 寛永通寳寛永14年1637年)称高田銭笹手永 寛永通寳寛永14年1637年長門銭俯永 寛永通寳寛永14年1637年)称岡山銭離頭通 寛永通寳寛永14年1637年松本旧称竹田銭斜寳 寛永通寳寛永16年1639年)?岡山旧称井之宮銭縮寛 承応明暦年間鋳造寛永通寳承応2年1653年)称建仁寺大字 寛永通寳明暦2年1656年)称沓谷銭正足寳 寛永通寳明暦2年1656年)称鳥越

※この「古寛永」の解説は、「寛永通宝」の解説の一部です。
「古寛永」を含む「寛永通宝」の記事については、「寛永通宝」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「古寛永」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「古寛永」の関連用語

古寛永のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



古寛永のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの寛永通宝 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS