反面教師
「反面教師」とは、親や他人の悪いところを見て自分は同じ道を辿らないようにするという意味の表現である。
「反面教師」とは・「反面教師」の詳しい解説
反面教師は、日本国内では親や相手の良いところを真似るという意味で使われている。しかし、本当の意味は親や他人の悪いところを見て、そうなってはいけないと教えられる人や事例のことである。自分は同じ道を辿らないように心がけるということわざである。「反面教師」の語源・由来
反面教師の語源は、中国の首席として政治の中心にいた毛沢東が中国共産党中央委員会で放った一言が由来である。戦後復興の道半ばだった中国国内は政局が安定しておらず、中国共産党中央委員会の内部では賄賂など汚職が蔓延していた。このままでは中国が発展しないと危惧した毛沢東は、この汚職の問題に着手することを決めたのである。汚職を解決する方法として、一般的な方法論は汚職をしている当事者を組織から追放することである。しかし毛沢東は汚職をしている人物を追放するのではなく、そのまま組織内部に居続けさせることを行ったのだ。この毛沢東のやり方は組織内部に汚職をしている当事者を残すのだが、それと同時に同じ組織内にいる人物の多くに密かに汚職を行っている人物の行動をつぶさに観察するように伝える。そして汚職をしている当事者がどんな行動をしているのかを学習させた後に、悪行が一定の水準に達した段階で重い罰則を与えるという形をとった。
組織内にいる人物にあえて悪い見本を見せた後に、当事者にどんな結果が起きるのかを分からせることで汚職の蔓延を防いだ。この仕組みを後世に残すために、鏡写しを意味する「反面」と自身よりも立場の高い人物を意味する「教師」を組み合わせて「反面教師」と名付けた。
「反面教師」の類語
「反面教師として学ぶ」とは
「反面教師として学ぶ」とは、自分自身は失敗した相手と同じようなことをしないように細かく考えて行動をするという意味の言葉である。この反面教師を実践するうえで注意しなければならないのは、相手がなぜ失敗をしたのかを特定しなければならないことだ。
失敗とは、行動によって発生した結果である。結果だけを見てなぜ相手が失敗してしまったのかを特定しないと、自身が同じ立場になったときに相手が行った失敗の過程と同じ行動をしてしまえば同じ道を辿ることになる。失敗した行動を結果だけで終わらせるのではなく、なぜこのようなことが起きたのかを特定したうえで細かく残していくのだ。失敗した原因の答えをデータとして残していけば、自身と後世の者たちに教訓となることで同じ失敗を繰り返さずに済むというのが「反面教師として学ぶ」である。
「反面教師」に関連する用語の解説
「反面教師(たかやんの曲)」とは
世の中の不平不満を独自の目線で歌詞にしたのが、2020年にたかやんがリリースした「反面教師」である。
「反面教師」の使い方・例文
「反面教師」の使い方・例文としては、「子供が電車の中で暴れているのに親は注意しない、自分が親になったらこのような子どもにしないために反面教師にしよう」という使い方ができる。「反面教師」の誤った使い方
日本国内においての反面教師の使われ方は、親と他人の良い行動を見て自分も追随するという意味として使われることが多い。これは誤った使い方であり、「反面教師」とは他人が行った失敗を自身が繰り返さないという意味の言葉である。なぜ親と他人の良い行動を見て自分も追随するという意味として使われるのかというと、原因として挙げられるのが日本のことわざに似たような意味を持つ「他山の石」という言葉がある。この「他山の石」は「他人の誤った行いでも自分のためになる」という意味であり、相手が行った悪い行動を知ることで後々の自分の糧になるという意味だ。この他山の石の意味と、「他人が行った失敗を自身が繰り返さない」という意味を持つ反面教師と似ていたため混合されるようになった。そして時代を経て「誤った行い」という部分が薄れ「自分のためになる」という部分が誇張されることで、反面教師は「悪い行動を追随しない」ということわざのはずが「良い行動を追随する」という意味に切り替わっていった。
「反面教師」の英訳
「反面教師」の英訳は、「a bad example from which one can learn」である。はんめん‐きょうし〔‐ケウシ〕【反面教師】
読み方:はんめんきょうし
反面教師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/27 06:21 UTC 版)
反面教師(はんめんきょうし)とは、反省の材料となるような人や事例を指す。中国共産党中央委員会主席の毛沢東により発案された言葉で、中国語の原語では「反面教员」である。
日本の似たような諺に「人のふり見て我がふり直せ」というものがあり、日本でも一般にはその意味で慣用される語句になっているが、毛沢東の原典ではさらに詳細な意図が語られている。「絶対に真似したくない」と思わせる教育方法を指すこともある。
概要
組織内などに劣悪な者や間違った者がいたならば、余程の酷い状態でない限り、敢えてこれを矯正したり除外したりするのではなく、組織内に留め、地位や権限を与えない閑職にさせて、他の構成員にその醜態を見せ付ける事で類似した者の増殖を防ぐ、という目的で利用することを指す。1957年に行われた演説で最初に使われたとされている[1]。
毛沢東は間違った組織を反面教師を用いた上で正しい方向に導いていくということについても説いた。毛沢東が言うには間違った組織というのは少数の間違った人物が中心となって構成されていることから組織全体が間違った状態になっており、大多数はこのことから間違った行いをするようになっているというわけである。この場合には中心にいる少数の間違った人物を孤立させた上で、その他大多数に対しては正しい教育を施すということで大部分の構成員は正しい状態へと導かれて行く。そして中心にいた間違った人物のことを反面教師と判断するようになることから組織は発展するというわけである。毛沢東は当時に広く行われていた間違った指導者を排除するということで組織を正しい方向に導くという政策を批判した。毛沢東が言うには間違った指導者であったからこそ、それが反面教師となった場合に大きな効果が期待できるというわけである[2]。
脚注
関連項目
外部リンク
反面・教師(ハンメン・キョウシ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/03/27 00:15 UTC 版)
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反面教師
「反面教師」の例文・使い方・用例・文例
- 私のことを反面教師だと思いなさい。
反面・教師と同じ種類の言葉
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