南米太平洋岸の地震活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:45 UTC 版)
過去の地震と先100年の地震発生確率 1900年以降の被害地震。赤丸: 1900-2016間のM7以上の地震緑丸: M6以上の大被害を及ぼした地震白枠: 沈み込み帯、黄枠: 安定陸塊 南米における先100年間の地震発生確率左図(a): すべての規模の被害地震の発生確率右図(b): 中規模以上の被害が予想される地震の発生確率 上記のプレート間の相互作用特に沈み込み帯における年間約7㎝以上の歪の蓄積が、大地震のエネルギー源となっている。地震活動は活発で、マグニチュード8から9クラスの巨大地震も起きており、その津波による影響は東アジアまで達している。 南米大陸周辺の過去の大きな地震の震央は、北半分のコロンビア・エクアドル・ペルー沿岸、南半分のチリにかけて頻発しており、M8以上の巨大地震を発生させている数百キロメートル規模の地殻破壊領域もコロンビアからチリにかけて確認されている。 震央はペルー・チリ沖のペルー・チリ海溝周辺から、チリからボリビアのアルティプラーノ、アルゼンチンの西部山岳地方にかけての内陸数百㎞の範囲に分布している。海溝からの距離に比例して震源は深度を増しており、深度は数十㎞から数百㎞に達している。アルゼンチンにおける大きな地震の多くは、隣国チリとの国境地帯である西部のアンデス山脈で発生している。詳細はアルゼンチンの地震(スペイン語版)を参照。同様にチリ北部ペルーとの国境地帯も連続した地震活動の活発な地域であり当記事の記述に含める。またチリ独立以前の歴史地震、および旧ペルー・ボリビア領内で発生し震央が現在チリ領となっているものも当記事に含める。チリ周辺の過去の主な地震を付表に掲載する。 M7.5以上の地震は世界で450回(1900年から2017年12月日までの約118年間)57回が南アメリカ大陸の太平洋岸からアンデス山脈にかけて、パナマからメキシコ中部の太平洋岸で32回、米国・カナダの西海岸で8回、アラスカからアリューシャン列島にかけて21回、カムチャッカ、千島列島、日本列島、琉球諸島、台湾、小笠原諸島にかけて78回、ジャワからアンダマン諸島28回、フィリピン周辺で24回、バリ、スラウェシ島からニューギニアにかけて41回、ビスマルクからニューカレドニアにかけて57回、フィージー、サモア、トンガ28回、ニュージーランドから南極海にかけて9回、インドプレートとユーラシアプレートの衝突部、ヒマラヤ造山帯周辺で19回、中国西部から中央アジアにかけて17回、 1900年から2017年11月25日までの約118年間にマグニチュード8.0以上の地震は93回記録されている。その内19回が南米大陸の西淵で、エクアドル沿岸で1回、ペルー沿岸で5回、チリ周辺が11回であった。残る2回はアンデス山脈の東側で発生している。巨大地震と言われるマグニチュード8以上の地震の約2割が南米で発生している。 発生頻度が数年に一度のM8.5以上の地震は118年間に16回発生しており、南米ではエクアドルで1回、チリで3回と約4分の一が南米で起きており、計測史上最大のM9.5の地震は1960年5月22日に発生したバルディビア地震であった。南米以外の地域では、アラスカからカムチャッカ半島にかけて5回、千島列島から日本列島で2回、インドネシア周辺で4回、ブータンで1回であった。 南米大陸の西側における地震の発生件数は、1900年から2017年12月5日の間に141回のマグニチュード7以上の地震があった。その内80回がペルー・チリの国境以南のチリからアルゼンチンの北東部で発生しており、65回が震央がチリ国内またはチリ沖である。またチリ国内では北半分で地震が多発しており、ナスカプレートの南端で6回の地震、以南の南極プレートが沈み込んでいるロス・ラゴス州からティエラ・デル・フエゴにかけての地域で4回の計10回が南半分で発生した。 残りの61回がコロンビアからエクアドル、ペルーで発生している。37回は内陸の深度100km以深で発生している。 地震活動が活発な南米大陸の西海岸の長さは約7,000kmで、全周が約40,000kmの環太平洋造山帯の約18%で、その内チリは南北へ約4,300km、ペルーの海岸部の直線距離は約2,000km、エクアドルとコロンビアがそれぞれ約700kmを占めている。 世界最長の連続した造山帯であるアンデス山脈は北はベネズエラから南はティエラ・デル・フエゴへと約8000kmに達し。海溝もコロンビアの太平洋沖のコロンビア海溝からエクアドル海溝、ペルー・チリ海溝約5,900kmと南米大陸の太平洋岸沖に連なっている。
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