十勇士の成立とは? わかりやすく解説

十勇士の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 08:24 UTC 版)

尼子十勇士」の記事における「十勇士の成立」の解説

尼子十勇士は、明治時代立川文庫から発刊された『武士道精華 山中鹿之助』によって有名になったが、立川文庫創作ではない。それ以前から、その存在知られていた。しかしながら、幸盛が活躍していた当時史料には「尼子十勇士」の名称は見られない十勇士存在いつ頃から信じられえていたか定かでないが、史料初め出てくるのは、延宝5年1677年)に発行された『後太平記』である。ただし、十勇士明記されている人物は、五月早苗介(助)、寺元生死助、横道兵庫介、山中鹿之助幸盛の4人だけであり、その他の人物十勇士であったかどうか判断できない十勇士すべての名が史料出てくるのは、享保2年1717年)に刊行された『和漢音釈 書言字考節用集』である。この書は、日常語用字語釈語源など示したいわゆる国語辞典のようなのである。そのため、この時代に「尼子十勇士」という名称が一般的に通用するものであったことが分かる正徳3年1713年10月松山藩であった前田市之進時棟と佐々木軍六が、幸盛の死を哀れみ建立した墓碑にも「尼子十勇」の文字刻まれている。明和4年1767年)に湯浅常山発行した戦国武将逸話集、『常山紀談 』にも10名の勇士の名が連ねてある。 しかし、これら史料は、幸盛以外の人物の記載乏しく十勇士面々がどういった性格で、どんな活躍をしたか等を知ることができなかった。十勇士人物像について始めて具体的に記述され史料は、文化8年1811年) - 文政4年1821年)にかけて刊行された『絵本更科草紙』である。 この書は、幸盛の母である更科姫と、尼子十勇士による活躍描いた物語である。書と共にこの話は全国的に広まったようであり、この後には、十勇士題材にした浮世絵描画歌舞伎の上演、また十勇士描かれ絵馬神社奉納されるなど、世間一般にこの話が浸透していったことが分かる明治時代に入ると、先の絵本更科草紙』と同じ内容で、表題を『尼子十勇士伝』とした書が刊行される明治44年1911年12月、『絵本更科草紙』の内容簡略化し、大衆向けに噛み砕いた文で表した書、『武士道精華 山中鹿之助』が立川文庫より発行されると、尼子十勇士の名は一躍有名になる昭和26年1951年)には『大百科事典』にも掲載された。現在は、『広辞苑』にもその項目がある。

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十勇士の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:10 UTC 版)

真田十勇士」の記事における「十勇士の成立」の解説

ヒーローとしての真田幸村」の登場は、寛文12年1672年)に書かれ軍記物難波戦記』である。江戸後期には小説真田三代記』が成立し真田昌幸幸村大助三代徳川家に対して奮戦するストーリー人気博した。この『真田三代記』において後に十勇士呼ばれる人物や、似た名前人物多数登場し同姓人物含めると、猿飛佐助以外の人物がこの時点登場している)、「真田もの」の講談流行によって、真田主従民衆ヒーローとなった明治後期講談神田伯龍難波戦記』(1899年)などの口演速記本書き残されている。講談師たちは『真田三代記』にはない忍術つかいの「猿飛佐助」を生み出し、「霧隠才蔵」ら真田家英雄豪傑物語膨らませていった1911年大阪発刊され立川文庫は、講談師玉田玉秀斎らが中心となって講談読み物として再編集したもので、その後大衆文学大きな影響与えた。この立川文庫において、『知謀 真田幸村』(第5編)に続き、 『真田三勇士忍術名人猿飛佐助』(第40編、1914年) 『真田三勇士由利鎌之助』 『真田三勇士忍術名人霧隠才蔵』(第55編) を「真田三勇士」とする三部作が創られた。次いで真田家豪傑三好清海入道』など、真田家豪傑逸話あつめた作品刊行され、のちに『真田十勇士』が刊行された[要出典]。立川文庫人気作品となり、新しメディアである映画でも忍術使い猿飛佐助中心とする作品群作られた。今日真田十勇士という枠組みは、ここに起源持っている

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