出場チームの取り組み 〜1年間の流れ〜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 09:45 UTC 版)
「東京箱根間往復大学駅伝競走」の記事における「出場チームの取り組み 〜1年間の流れ〜」の解説
3月頃まではハーフマラソンなどのロードレース(英語版)に出て刺激を受ける選手も多い。そのうちに少しずつスピード練習を取り入れていくが、急激な練習の変化で肉離れなどが起きやすいともいわれる。近年は、この時期に合宿を組む大学も現れている。 4月に新1年生部員が入部。春の目標は5月中旬の関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)である。参加標準記録があり、種目ごとのエントリー人数も限りがあるので、それまでは各大学などで行われる記録会で標準記録を突破する必要がある。日本体育大学、東海大学、順天堂大学などが主催して大学内で行う長距離記録会が有名で、箱根出場大学や一部の実業団選手、高校生も出場する(この標準記録も有効期限内のものでなければいけない。大体至近2年ぐらいであることが多いようである)。関東インカレ男子は1部校と2部校(ならびに大学院生の3部校)に分かれ、毎年1部校下位2校と2部校上位2校が入れ替わる仕組みとなっているが、長距離部員のみの大学も多く、総合的なポイント獲得が難しいため、必ずしも強豪校が1部校というわけではない。 6月中旬には全日本大学駅伝関東地区選考会が開催され、シード校を除く多くの大学が顔を合わせる。 一部のトップ選手の場合には日本選手権など世界陸上やオリンピックへの出場を目指して実業団選手と走ることもある。また、近年は関東学連による海外遠征に参加する選手もいる。 大学によって時期のずれはあるが、試験の終わる7月下旬からが夏合宿となる。長期間の合宿を組むところや、何回かに分けて練習場所を変えるところもある。また選手の状態に合わせてAグループとBグループに分け、全く別の場所で行うところもあり、練習のスタイルも異なる。しかし月間で1000kmを超えることは珍しくなく、徹底した走りこみを行うことが特徴である。合宿の場所は北海道や東北地方、長野県などの高地や避暑地などが多い。また、前出の世界大会などに出場する選手は、チームを離れて別メニューとなることが多い。4年生の場合には就職活動や卒業論文などと並行しながら行っている。また教員免許をとる選手の場合には、夏又は秋以降に教育実習もあるためにチームを離れることも多くコンディションづくりも容易ではない。 9月上旬には日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)が開催される。出場のハードルは関東インカレよりも更に高い。しかし、箱根駅伝を最大の目標とする関東の大学は夏合宿での走りこみを重視し、この大会にピークを合わせることはしない。結果的に関東インカレよりもレベルの低いメンバーしか集まらないこともあり、後述される駅伝偏重につながる批判の矢面に挙げられている。 下半期になると各大学のスタイルは、記録会にほとんど出ないところ、予選会突破を目指すところ、出雲駅伝や全日本大学駅伝を目指すところ、というように分かれてくる。特に駅伝では未経験者を試しに使ったり、様々なオーダーを試したりする使い方をする。9月ごろからは再び頻繁に記録会がある。 予選会に出る大学にとっては、10月中旬の本番までに最高の状態にピークを持っていかなければならない。予選会を突破することが最優先のため、本番の準備(特に5区、6区の山の区間)が遅れがちになる傾向にある。 全日本大学駅伝の後から短期の合宿を組むところもある。候補としては伊豆大島や房総半島など温暖な場所が挙げられる。 11月下旬に各地で開催されるハーフマラソンや記録会が、事実上メンバー選考の舞台となることが多い。エースクラスはともかく、当落線上の選手達にとってはここが正念場である。多くの大学が一堂に会するので、次第に大学間の力関係も浮き上がってくる。ここでの選手記録上位校がスポーツ新聞などの「下馬評」で上位校として取り上げられることが多い。 12月10日(第82回は2005年12月9日)までに出場校(チーム)は計16名以内のエントリーを関東学連に提出する。この最大16人がすなわち箱根駅伝本番への出場権を得た選手と。言える。これ以外の選手は付き添いなど、裏方として本番までを過ごす。なお、当日午後から出場校の監督・コーチとマネージャーがマスコミ向けに記者会見を行う。 12月29日にエントリーした最大16人の区間エントリーを行う。16人を10人と残りの人数に分け10人を1区から10区までの区間ごとに、残りの人数を補欠選手として登録する。区間エントリーの詳細については後述。 1月2日午前7時に往路のエントリー変更を締め切る。 1月3日午前7時に復路のエントリー変更を締め切る。
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