全体スケジュール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 23:02 UTC 版)
「京 (スーパーコンピュータ)」の記事における「全体スケジュール」の解説
下表は2006年初頭時点の予定表である。 全体スケジュールPHASE時期項目備考設計 2006〜2007年度 ユーザーヒアリング、性能見積、ハードウエアの仕様検討 仕様項目の洗い出し、目標性能を達成するための性能見積もり、複数のハードウエアの仕様検討 実装技術の製造と評価 2008〜2009年度 回路設計、LSI化、基板製作、試作機組み立て、評価 開発ベンダーの選定、回路設計、試作機(最高性能の10%〜50%程度の機種構築)の構築 実機製作 2009〜2010年度 システム全体の製作、特定処理計算加速部の完成→性能評価 試作機を元にした特定処理計算加速部の完成、LINPACKによる性能評価 システム強化 2011〜2012年度 大規模計算処理部と逐次処理計算処理部のシステム強化→総合評価 試作機において製作した大規模計算処理部と逐次処理部(現在の予定ではベクトル型とスカラ型混在の見込み。大規模ベクトル型と大規模スカラ型の混在に関しては技術的挑戦となるため、ベンダー間での調整が行われると思われる)のPE数を増やすことで、システムの強化を行う(数値風洞シミュレータと同じ手法)。この頃までには新たな性能評価の指標値における議論が決するため、新基準に基づく性能評価を行う予定 ^特定処理計算加速部とは、ある特定のアルゴリズムをハードウエアに置き換えることによって、演算効率を上げる仕組みのこと。具体的には、計算要素をPE連鎖によるパイプラインに置き換えることで、計算処理を加速させる計算処理装置のこと。 ^大規模計算処理部とは、これまで通りの大規模スカラ演算が可能な計算処理装置のこと。よって、この部分に関しては、仮想ベクトル処理が行われる予定である。 ^逐次計算処理部とは、リアルタイム計算を可能にする計算処理装置のこと。特に、ハードウエア・コンテキストスイッチ等の処理を高速化することによって、スカラ型計算の効率を高め、通常の計算処理を行う計算機構のこと。 ^ベクトル・スカラ混在型の場合には、浮動小数点計算部と10進計算部の結合型では例がある。スーパーコンピュータ技術史にも記載があるように、スーパーコンピュータは、浮動小数点部を独立させ、計算サービスを行う専用プロセッサとして提供されてきた経緯から踏まえても普通のことである。しかしながら、浮動小数点専用機単体として、ベクトル・スカラ混在型の設計は数多くの解決するべき課題に直面すると思われる(特にソフトウエア開発や相互システムを繋ぐネットワーク等に関して)。アーキテクチャの異なるコンピュータを同期させるためには、マスタークロックを用いる方法が主流になると思われる。また、システム間での協調システムとして、非同期設計技術が用いられるものと思われる。 以後は歴史を参照。
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