他作品との関連・比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 04:31 UTC 版)
「アーマード・コアシリーズ」の記事における「他作品との関連・比較」の解説
フロム・ソフトウェアは本作の開発以前、大型汎用機向け業務アプリケーションを手がけていた頃に、パソコン向けとして『迷宮状の地下空間でロボットを操作する3Dアクションゲーム』を開発していたことがある。これは『AC1』の設定と酷似しているが、この時点では3Dグラフィックの表示や記憶媒体の容量など、ハードウェアの制約により実用に耐えるシステムを作ることが出来ず断念したという経緯がある。しかし、地下迷宮の探検というコンセプトはPlayStation登場時に『キングスフィールド』によって実現した。これによって蓄積した3Dゲーム開発のノウハウを生かして制作されたのが『AC』である。 同時期に発売された他の3Dロボットゲームがアクションを重視したシューティング系だったのに対し、『AC』ではカスタマイズした通りの挙動を示すロボットを操縦するシミュレータの要素、施設内部の探索から市街地へのテロ攻撃まで多彩な依頼、以前襲撃した相手から雇用されたり依頼に偽装した騙し討ちを受ける、報酬と必要経費のバランスを考えなければ赤字になるといった傭兵稼業のシミュレーションを両立した作品である。 二足歩行兵器を操縦する3Dゲームとしては1995年にアーケードゲームとして電脳戦機バーチャロンがリリースされていたが、ロボットによる1対1の対戦ゲームとして設計されていた。1996年にセガサターンでリリースされたガングリフォンは、機体のカスタマイズ要素はなくストーリーに従って戦う3Dシューティングと位置づけられていた。またパーツ組み替えによってロボットをカスタマイズするというコンセプトは「フロントミッションシリーズ」や『機甲兵団 J-PHOENIX』などがあったものの、ゲームジャンルが異なったりカスタマイズ範囲やパーツ数の制約が厳しく、『AC』と競合するまでに至らなかった。PCゲームでは『メックウォーリアー』や『ヘビーギア』などがあり比較されることもあるが、家庭用ゲーム機への移植が積極的に行われず、競合しないままシリーズが終息している。 ゲーム以外で類似したコンセプトを持つ作品として、1983年放送のアニメ『装甲騎兵ボトムズ』は荒廃した世界観、主人公が二足歩行兵器を操る傭兵、賭の対象となる模擬戦闘(バトリング)などが描かれており、同作に登場したパイルバンカーと同等の武装が『3』で導入された。1992年の漫画『ブレイク・エイジ』では機体の構成を自宅のPCでカスタマイズし、ゲームセンターの大型筐体で戦わせる大規模オンラインゲームが描かれている。この作品の小説化は、『アーマード・コア』の小説も手がけた篠崎砂美が行っており、篠崎は自作ロボットを戦わせるコンピュータゲーム『マッチメーカー』を製作している。 フロム・ソフトウェアは複数のロボットゲームをリリースしているが、いずれも『AC』シリーズとの差別化が図られている。2004年に発売した『METAL WOLF CHAOS』は、シンプルな操作体系、ハリウッド映画風のストーリーやキャラクター、リアリティを無視した荒唐無稽な武装と弾薬量という『AC』シリーズと対照的なゲームデザインが話題となった。2006年に発売された『クロムハウンズ』は戦闘よりも陣取りゲームとしての側面が強く、アーマード・コアのような高速機動が出来ず人型ではない歩行兵器、レーダーやロックオンが使用できず目視による照準のみ、オンラインでボイスチャットを併用するチーム戦が主軸など、よりコアなユーザー向けとなっている。
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