他の混沌神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/05 02:28 UTC 版)
セッドおよびセッドを含む不浄の三神はグローランサにおける典型的な邪神、混沌神である。セッドへの入信は希望者がブルーに生まれ変わることを意味し、病の女神マリアはセッドとラグナグラーの子供たちにありとあらゆる病への免疫を与えると同時に、ありとあらゆる業病のキャリアとして世界中にその病を振りまくことを教えている。 自らが受けた仕打ちを他者にも強い、あるいは自分だけが助かるために、積極的に加害者の側に回ろうとするというアプローチによって、ある意味においてのエントロピーを増大させるのがグローランサの典型的な混沌の振る舞いであると考えられる。なお、ブルーになる等の混沌による汚染は以後永久に取り除けないものとして、恐怖と忌避の対象とされる。 混沌神同士に積極的な交流、友好関係はないが、以下のような混沌神が著名な邪神、敵役として知られる。 バゴッグ(Bagog) サソリの女神。上半身が人間で下半身がサソリという混沌の種族「スコーピオンマン」の祖先神。被害者を貪り食ってその姿のサソリ種族を産む。 ガーク(Gark) ゾンビの神。虐げられた農民や貧困にあえぐ村に訪れ、現世救済をささやく。入信したものに与えられるのは安らぎではなく、生ける屍として邪神の司祭に使役されての永遠である。ほかにアンデッドに関連した神性としては、水野良の手によって小説『ヘンダーズ・ルインの領主』でも触れられたヴァンパイアの神ヴィーヴァモートなどが著名。 クラーシト(Krasht) 暗殺者の女神。明らかに11世紀イスラム圏で猛威を振るったアサシン教団の影響が見られ、顎(あぎと)と呼ばれる聖職暗殺者を教団で養い、飼いならしている。ウロックス信仰がなく、外見上明白には混沌に汚染されていない混沌信者を発見する能力を持たないルナー帝国当局にとって、この神とその信仰は深刻な問題になりつつある。 サナター(Thanatar) 切り裂かれし神、首狩りの神。被害者の生首から知識を貪る混沌の知識神。もともとはティエン(Tien)という単独の神であったがウロックスとの戦いに敗れてその首を切り落とされてから(またはウロックスの息子と相打ちになり)、胴体は首狩りの神サン(Than。ティエンとも)、頭は知識の盗人アトヤー(Atyar)として、またサンとアトヤーを併せた信仰であるサナター(Thanatar)の三つの相で崇拝される様になった。 サナターのカルトでは信徒に対し死後、その魂を特殊な魔術で神の元から現世に召喚し、生贄の肉体を乗っ取り、定められた高位の信者に仕えることで、現世における新たな生を約束している。 死者の霊魂を辱めるゾンビ創造や死のルーンを所持することでフマクトと、生贄の魂魄をその首に縛り付けて知識や魔術を搾取する、書物に記載された内容や生贄の記憶を奪ってその知識を己のものとする、と言った数々の知識を独占する能力を有することでランカー・マイと、またもちろんウロックスとも敵対関係にあり、更に混沌を許容しているルナー帝国からすらもこの神の信者は狩り立てられる。武力、知力、政治力においてほぼグローランサ最強の戦力と伍す実力はまさに混沌の最強神といっても過言ではない。 にもかかわらず混沌神として大きな勢力をもたないのはサン、アトヤー、サナターの各宗派がともに偏執狂的な排他性をもって各派の秘儀を共有しない、またその知識に対する独占欲から他の混沌の存在からすら嫌われる点につきると思われる。
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