主な答申路線と現状
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「運輸政策審議会答申第7号」の記事における「主な答申路線と現状」の解説
答申では29路線の整備が盛り込まれた。うち主要なものは以下の通りである。2018年(平成30年)時点での状況についても併記する。 常磐新線 東京から守谷を経由して筑波研究学園都市に至る常磐新線の構想は、1978年(昭和53年)頃から議論にのぼっていた。本答申では、東京・守谷間が「目標年次までに新設することが適当である」と位置付けられ、守谷・筑波間は「今後整備について検討すべき」とされた。常磐新線の整備は、目標年次であった2000年(平成12年)には間に合わなかったが、2005年(平成17年)には秋葉原・つくば間が首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスとして開業した。 日暮里・舎人線 足立区西部における新線建設も答申以前から議論はあったが、本答申において日暮里から舎人に至る路線を新交通システムにより整備する事が盛り込まれた。この路線は東京都交通局日暮里・舎人ライナーとして2008年に開業した。 埼京線 1985年(昭和60年)の開業を控えていた埼京線は、大宮からさらに宮原へ延伸し、高崎線と直通運転する計画が答申された。しかし、実際には用地買収の困難などにより、2000年の運輸政策審議会答申第18号では宮原延伸は削除され、現在は川越線との直通運転を実施している。 東京1号線 東京1号線(都営地下鉄浅草線)は、終点の西馬込駅から神奈川県方面への延伸が、本答申において「今後整備について検討すべき」と位置付けられた。しかし、第18号答申ではこの計画は削除されている。 東京6号線 東京6号線(都営地下鉄三田線)は、三田から清正公前を経由して目黒まで延伸し、東急目蒲線と相互直通運転すると位置付けられた。清正公前・目黒間は東京7号線と共用。清正公前駅は開業時に白金高輪駅と改名されている。2000年に目黒までの延伸区間が開業し、同時に東急目黒線と相互直通運転を開始している。 東京11号線 東京11号線(東京メトロ半蔵門線)の東側の終点は、1972年(昭和47年)答申時には扇橋とされていた。本答申ではさらに錦糸町、押上を経由して常磐線沿線の松戸へと延長された。2018年時点ではこのうち押上駅までが開業している。 東京12号線 東京12号線は1972年(昭和47年)答申時から盛り込まれていたが、本答申において整備計画路線に格上げされた。東京12号線は1986年(昭和61年)に着工、2000年に都営地下鉄大江戸線に名称を変更し、当初計画の全線が開通した。大江戸線は終点の光が丘から先への延伸計画があり、第18号答申では整備計画路線に位置付けられている。 東京13号線 東京13号線は、1972年答申時には志木から新宿までとして答申されていたが、本答申では池袋以南の南下について終点が渋谷へと延伸された。東京13号線は東京メトロ副都心線として2008年(平成20年)に開業した。 千葉ニュータウン・成田空港線 北総鉄道北総線は千葉ニュータウン中央駅を終点としていたが、本答申において成田空港までの延伸が盛り込まれた。2000年に印旛日本医大駅まで延伸された後、2010年(平成22年)に成田空港までが京成成田空港線として開業した。 京急空港線 京急空港線は現在の天空橋駅付近を終点としていたが、羽田空港直下への乗り入れが盛り込まれた。整備は1998年(平成10年)までに完了し、羽田空港駅が開業した。 東急目蒲線・東横線 東急目蒲線の目黒から多摩川園までの改良と、東急東横線の多摩川園から大倉山までの複々線化。目黒において東京6号線および東京7号線と相互直通運転を行なう。2000年に東急目黒線として目黒から多摩川(多摩川園駅から改名)を経由して武蔵小杉まで開業し、目黒において東京6号線および東京7号線と相互直通運転を開始した。2008年に武蔵小杉・日吉間が延伸開業した。日吉・大倉山間は、2006年以降、神奈川東部方面線の扱いとなった。 二俣川から新横浜を経て大倉山・川崎方面へ至る路線 二俣川から鶴ケ峰、上菅田町、新横浜を経由して大倉山に至る路線と、新横浜から下末吉を経由して川崎に至る路線が計画された。さらに川崎から臨海部方面へが検討路線とされた。のちに神奈川東部方面線という名称が付いた。川崎から臨海部方面は1990年以降、京急大師線の連続立体交差化事業になった。第18号答申では、二俣川から新横浜を経由して大倉山に至る路線へと短縮された。2006年以降、西谷から羽沢、新横浜を経由して日吉に至る区間へと変更され、2010年に着工した。2019年12月現在、西谷・新横浜間が相鉄新横浜線として、新横浜・日吉間が東急新横浜線として開業または開業予定であり、このうち西谷・羽沢横浜国大間は2019年11月30日に開業し、それ以外の区間は2022年度下期に開通する予定となっている。 相鉄いずみ野線 相鉄いずみ野線は、いずみ野から湘南台までの延伸が盛り込まれた。また、湘南台から相模線方面への延伸が検討路線とされた。1990年にいずみ野・いずみ中央間が開業、1999年にいずみ中央・湘南台間が開業した。第18号答申では湘南台から相模線方面への延伸が位置づけられた。 横浜4号線 日吉から高田町を経由して港北ニュータウンに至る路線が計画された。港北ニュータウンから横浜線方面へが検討路線とされた。また日吉駅から鶴見間は新交通システムなどを導入するとされた。このうち中山・日吉間が2008年に横浜市営地下鉄グリーンラインとして開業している。第18号答申では開業・未開業の全区間が横浜環状鉄道に取り込まれた。 横浜環状鉄道 根岸から上大岡、東戸塚を経由して鶴ヶ峰までの、横浜市の南部をカバーする区間が検討路線とされた。前述の区間は2010年まで着工されなかった。第18号答申では鶴ヶ峰から中山まで延長された上で、横浜4号線の全区間とみなとみらい21線の元町・根岸間を取り込んで、元町から鶴見まで横浜市全体を「C」の字にカバーする路線と位置づけられた。 みなとみらい21線 東神奈川からみなとみらい21地区を経由して元町付近に至る路線が計画された。また元町付近から本牧町を経由して根岸までが検討路線とされた。このうち横浜から元町・中華街駅が2004年に横浜高速鉄道みなとみらい線として開業している。第18号答申では東神奈川・横浜間が削除され、元町・根岸間は横浜環状鉄道に取り込まれた。 武蔵野南線 府中本町から新川崎を経由して川崎に至る武蔵野南線の旅客線化と、新百合ケ丘から武蔵野南線への接続線整備が盛り込まれた。旅客線化は費用の地元負担が前提となっていた。しかし、貨物線機能を維持しながらの旅客線化の困難により、計画を推進する川崎市が目標を川崎縦貫高速鉄道(2018年に計画廃止)の整備に切り替えたため、第18号答申では削除された。
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