主な第三の新人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 12:47 UTC 版)
「第三の新人」に厳密な定義はないが、次の作家が含まれるのが一般的である。 長谷川四郎(1909年生、戦後派とみなされることも) 小島信夫(1915年生) 島尾敏雄(1917年生、戦後派とみなされることも) 小沼丹(1918年生) 近藤啓太郎(1920年生) 安岡章太郎(1920年生) 阿川弘之(1920年生) 庄野潤三(1921年生) 遠藤周作(1923年生) 吉行淳之介(1924年生) 三浦朱門(1926年生) 曽野綾子(1931年生) なお、遠藤周作にはキリスト教(カトリック)、阿川弘之は戦記文学という主たるテーマがあり、他の第三の新人らの傾向とは大きく異なってる点が、安岡章太郎により指摘される。第三の新人とともに数々の仕事をこなした大久保房男も同様の指摘をしており、厳密な意味では遠藤・阿川を外す見方もある。 大久保房男によれば、「山本五十六みたいな大将ではなく、ダメな兵卒を書き、聖母マリアではなく娼婦を書く」のが第三の新人ということになる。政治的には、阿川・三浦・曽野のような保守派が多く、遠藤もまた政治的には保守的だったが、安岡は新日本文学会に入会していた時期もあり、やや左翼的な傾向も見られる。戦後派作家は硬軟問わず左翼が多く、例外的に(反体制的な傾向が強いため一般的な保守とは言い難いが)右派とみなされた三島由紀夫が1970年(昭和45年)に死去したため、日本芸術院賞や文化勲章は、戦後派を飛ばして、第三の新人たちに与えられた。
※この「主な第三の新人」の解説は、「第三の新人」の解説の一部です。
「主な第三の新人」を含む「第三の新人」の記事については、「第三の新人」の概要を参照ください。
- 主な第三の新人のページへのリンク