七人・七匹
『荒野の七人』(スタージェス) 40人ほどの山賊一味がメキシコの山村をねらい、収穫期になるとやって来ては略奪を繰り返す。農民たちは7人の拳銃使いを、1人20ドルで雇う。7人の男は銃撃戦の末に山賊を全滅させるが、男たちも7人のうち4人が死ぬ。生き残った3人のうち、1人は村娘と恋仲になっていたので、村に残る。2人は「勝ったのは農民だ。おれたちはいつも負けだ」と言いつつ去って行く。
『七人の侍』(黒澤明) 米や麦が実る頃になると、野伏り(のぶせり)たちが村を襲い、略奪を繰り返す。村人たちは、7人の貧乏侍を「腹いっぱい飯を食べさせる」との条件で雇い、野伏りたちと戦う。激しい戦闘の末、40騎の野伏りは全滅するが、侍も4人が鉄砲に撃たれて死に、3人が生き残る。3人の侍は「勝ったのは自分たちではない。百姓だ」と言って、村を去る。
★2.七人の小人。
『白雪姫』(グリム)KHM53 森の一軒家に7人の小人が住み、金銀鉄鉱を掘る仕事をしている。継母(妃)のもとを逃れた白雪姫が、小人たちの家に迷い込む。白雪姫は小人たちのために炊事や洗濯をし、一緒に暮らすことになる〔*継母の手で白雪姫は殺されるが、某国の王子が森へ迷いこみ、小人たちの家に泊まって柩の中の白雪姫と出会う〕。
『西遊記』百回本第72~73回 盤糸嶺の洞穴に棲む7匹の蜘蛛の精が、7人の美女の姿となり、臍の穴から糸縄を繰り出して三蔵法師を捕らえ、食おうとする。孫悟空も捕らえられるが、70本の毛から70人の小悟空を作り、さすまたで蜘蛛の糸を絡め取ってから、金箍棒(如意棒)で7匹の蜘蛛をたたきつぶす。
七人みさきの伝説 (1)日暮れに7人の黒衣の「みさき(僧)」が現れ、鐘を鳴らして徳山の町を歩く。「見た者は死ぬ」と言われ、「女子供はさらわれる」とも言われる。親指を掌で握りしめていれば、出会っても無事である(山口県徳山市の伝説)。 (2)通津の漁師たちが、漁場荒らしの2艘の船を見つけ、乗っていた7人を殺して岬に埋めた。ところがその日から魚が取れなくなり、祠を立てて7人の霊を弔うと、もとのように魚が取れるようになった(山口県岩国市の伝説)。
『ヨハネの黙示録』第16章 世界の終末の時、7人の天使が7つの鉢に盛られた神の怒りを、次々に地上に注ぐ。海と川は血となり、太陽は人間を焼き、病苦が世をおおうなど、さまざまな災いが起こる→〔地震〕1。
★4.七人の兄弟姉妹。
『サウンド・オブ・ミュージック』(ワイズ) トラップ大佐には、16歳の長女を頭に7人の子供(男児2人・女児5人)がいた。子供たちの家庭教師として、修道女マリアが雇われる。「歌を知らない」と言う子供たちに、マリアは『ドレミの歌』をはじめ、さまざまな歌を教える。トラップ大佐は妻を亡くして以来、孤独な心を抱いて暮らしていたが、子供たちの楽しそうな歌声を聞き、歌うことの喜びを思い出す。大佐はマリアと結婚し、トラップ一家の合唱団は音楽祭で優勝する。
『六羽の白鳥』(グリム)KHM49 6人の兄と1人の妹がいた。継母が彼らを嫌い、魔術を使って6人の兄を白鳥に変える。末の妹が、6年間まったく口をきかず、えぞ菊の花を縫い合わせて6枚のじゅばんを作り、兄たちに着せてもとの人間にもどす〔*類話である『野の白鳥』(アンデルセン)では、11人の兄と1人の妹〕。
*→〔円環構造〕1aのギリシアの七賢人の伝説・〔長い眠り〕1の『黄金伝説』96「眠れる七聖人」・『ドイツ伝説集』(グリム)392「洞窟に眠る七人」・〔人数〕1bの『七騎落』(能)・〔墓〕2の七人塚の伝説・〔末子〕2の『狼と七匹の子山羊』(グリム)KHM5。
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