リアルムービングキット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 00:10 UTC 版)
「ゾイドワイルド」の記事における「リアルムービングキット」の解説
ゾイドワイルドシリーズで発売されるゾイドのプラモデルキットは、新たなデザインとギミックを取り入れたリアルムービングキット(組立式駆動玩具)と呼称される。第1・2期のゾイドからさらに進步した特徴として「組み立てる」「動かす」「必殺技を出す」という流れで遊べる玩具となっている。 組み立てるという点では、新しいゾイドの「ゾイドは地中から発掘される」という設定に合わせて、「プラモデルを組み立てる者自身が、ゾイドの化石を発掘して復元する」ことをコンセプトとしている。これを演出するために、キット売り場を「ゾイド発掘基地」、ランナーから切り離された状態でパーツが封入された袋を「発掘パック」、組み立ての説明書を「復元の書」と名付けている。この復元の書は、"カール・K・グスタフ"なる人物が書き残した文書という体裁で、発掘パックを開封して図面でパーツを確認して組み上げる一連の作業を古代生物の復元作業に見立てている。逆に、組み立てるパーツ自体にはパーツ番号などの記載は無く、徹底して"探して組み立てる"ことにこだわった仕様とされる。ランナーレスで組み立てやすくしたのは、プラモデルの製作経験が減った現在の子供ではニッパーの扱いにも苦戦する場合があることを配慮して、簡単に組み立てられるようにするためである。ただし、愛着が湧かないほどに簡単すぎないよう適度な難易度を考慮されている。さらに、「プラモデルは組み立てるのが面倒くさい」と思われがちな欠点を無くして楽しくなるように工夫されていると評する声もある。なお、ランナーレスにしたことにより、従来より製造コストは上がっているという。 今回のゾイドのサイズは1/35スケールとなる。従来の1/72スケールから変更した理由として、"ゾイドに乗る人物(ライダー)とメカ生命体であるゾイドの絆"をより強く描くため、搭乗者がゾイドの顔の近くに跨がって乗っている様子がリアリティを持って感じられるサイズ感にするためである。そのため、搭乗者とゾイドが一体になって動くことを、人馬一体ならぬ「人機一体」と表現される。人機一体を自然に表現するため、搭乗者のライディングポジションを早く描いてからゾイドのデザインや大きさを考えることで、単に搭乗者を乗せただけ(コクピットを付けただけ)という感じにならないようにしている。また、最近では子供向けの巨大ロボットアニメの減少などに起因して「コクピットが何か分からない」という子供が少なくないことも、コクピット方式をやめた理由のひとつとなった。なお、キットに同梱されるライダーのフィギュアが半透明になっているのは没入しやすくするためである 旧シリーズのゾイドと同様に、ゾイドは電動モータもしくはゼンマイにより、歩く・口を開閉する・尻尾を振るなど動かすことができるが、ゾイドワイルドではこれらに加えて、必殺技として「本能解放・ワイルドブラスト」と呼ばれる独特のギミックが組み込まれている。これは、搭乗者とゾイドの心がシンクロして両者の闘争本能が最高潮に達した時に展開される必殺技として、ゾイドごとに「大きな爪が勢いよく振り下ろされる」「隠された角が出現する」など、それぞれのゾイドのモチーフとなった生物の特長を活かしたアクションとなっている。この本能解放という新要素は、動物が牙をむく(身体の一部を剥き出しにして本気を出す)というイメージで生み出された。一方で、これまでのゾイドには数多く付属していた銃・砲などの武器(火器)は少なくなった。これは、前述の通り児童層向けのロボットアニメなどが減少したことの影響で、最近の子供はミリタリー要素への興味は薄いとの判断から、ミリタリー要素を抑える代わりに生物的側面を強調する方向(旧シリーズのゾイドには無かった眼球パーツがあることなど)にシフトした結果である。ただし、従来のゾイドと共通のハードポイントが随所に残されているため、第1・2期のゾイドや市販の武器パーツを任意で取り付けることは容易である。 アニメ『ゾイドワイルド』で用いられる3DCGの製作にあたっては、玩具製品開発用のモデルを流用しながらも手を加えたものを使用している。製品の都合上難しいシリンダー部分等もアニメでは色分けがなされている。 日本国外での展開 タカラトミーでは、ゾイドシリーズをグローバルブランドとして定着させることを目指して海外市場のリサーチを実施。2018年7月より日本国外で玩具(及び後述のアニメ)の展開を開始し、2019年11月時点で中国・韓国・香港・台湾・タイ・フィリピン・ベトナム・シンガポール・マレーシアの9つの国と地域で展開している。2019年度中に欧米での玩具・アニメの展開を予定。
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