リアルモードとは? わかりやすく解説

リアルモード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/11 04:07 UTC 版)

リアルモード(real mode, real address modeとも)とは、(80286以降の)x86プロセッサの動作モードで、8086互換の動作をするモードである。

全てのx86プロセッサの起動時の動作モードであり、BIOSはこのモードで動作している。このモードにおいては、すべてのレジスタのアドレス幅がデフォルトで16ビットであり、アドレッシングの際はセグメントレジスタの値を16倍して足す単純なアドレス変換により、20ビットのアドレス空間にアクセスすることが可能である。また、割り込みベクタは、最下位アドレス固定である。

80286のリアルモードでは、過去との互換性のためにメモリ空間は1MiBであったが、21ビット目のアドレス線(A20ライン)を有効にすることで65520バイト余計に利用することができた。この領域はHMAとして使用され、80386以降でも同様に使用できる。

386以降の(IA-32)プロセッサでは、レジスタアクセス命令にプレフィックスを付けることによって、リアルモードでも32ビットのレジスタアクセスは可能である。プロテクトモード移行の際などはリアルモードで特権レジスタを初期化して移行することになる。

386には、一旦プロテクトモードに移行してセグメントリミットを設定してから、リアルモードに復帰すると、そのセグメントリミットまでの実メモリ空間にリアルモードからアクセスが可能になるというバグのような動作がある。これはUnreal mode英語版などと呼ばれる。以降のすべてのプロセッサで有効となっており、幾つかのゲームソフトやDOSエクステンダで使われた。尚、BIOSにおいてのみ使用可能なシステムマネジメントモードは同様の全てのメモリ空間にアクセス可能な環境を提供する。


リアルモード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 03:54 UTC 版)

セグメント方式」の記事における「リアルモード」の解説

リアルモードx868086、および80286以後プロセッサのリアルモード)におけるプログラミングモデルでは、「セグメントレジスタ」と呼ばれるレジスタ存在するが、その振舞上記説明したアドレッシング手法とは全く異なる。また、メモリ保護仮想アドレスは無い。 これらのプロセッサ、あるいはリアルモードにおけるプログラミングモデルでは、アドレス空間20ビット(1MiB)だが、アドレスレジスタ幅や通常の命令フォーマットにおけるアドレス指定フィールド16ビットであり、これらの値は「オフセット」と呼ばれるまた、セグメントレジスタの幅も16ビットである。そして「セグメントレジスタの値×16 + オフセット」が実アドレスとなり、1MiBの全アドレス空間アクセスする機構8086における「セグメント」と称されたものである8086にはCS/DS/SS/ESの4つ16ビットの「セグメントレジスタ」があり、メモリアクセスの種類に応じて暗黙のうちにセグメントレジスタが選択される命令フェッチならCSデータ読み書きならDSスタックへのアクセスならSS選ばれる。以上のようなアクセス種別による暗黙選択の他、セグメント・オーバーライド・プレフィックスという命令の前置修飾機能があり、どれかのセグメントレジスタを明示的に選択するともできる

※この「リアルモード」の解説は、「セグメント方式」の解説の一部です。
「リアルモード」を含む「セグメント方式」の記事については、「セグメント方式」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「リアルモード」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リアルモード」の関連用語

リアルモードのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リアルモードのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリアルモード (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのセグメント方式 (改訂履歴)、セイギノヒーロー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS