ミルン水平振子地震計とは? わかりやすく解説

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ミルン水平振子地震計〈/英国製〉

主名称: ミルン水平振子地震計〈/英国製〉
指定番号 104
枝番 0
指定年月日 2000.06.27(平成12.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 1台
時代区分 欧米 19世紀
年代
検索年代
解説文: この地震計は、日本地震学創始者である英国人ジョン・ミルンJohn Milne 一八五〇-一九一三)の考案基づいて英国製作されたもので、明治時代後期地震観測用いられた。
 ミルン明治九年(一八七六)に工部大学校教師として政府招かれ鉱山学地質学指導当たった日本の地震火山活動関心深め明治十三年には自ら日本地震学会組織して地震観測研究精力的に行うかたわら関谷清景大森房吉などの日本人地震学者育成したまた、濃尾地震明治二十四年)の被害調査の実施建造物耐震化提案など、防災面にも業績残している。精密な観測を行うために地震計開発にも努め滞日中に東京大学理学部教授ユーイング(J.A.Ewing)らと協力して種類地震計考案した
 本機は、地震動のうち水平動記録するもので、主に観測地から遠隔地震検知することを目的としていた。ミルンはこの型の地震計英国マンロー(Munro)社に多数製作させて、世界各地配置し広域的な地震観測網構築図った本機銘板には「No.8」の番号付されており、政府設立した地震学研究組織である震災予防調査会が、明治三十二年に本郷東京帝国大学構内設置したのである
 その機構は、地震動による振子動きアルミニウム管の梃子によって増幅し先端の針の動き記録紙(ロール状の印画紙)に石油ランプ光源として光学的に記録する記録紙はゼンマイによって定速で回転し正確な時計によって制御され別の針が、一時間ごとに記録紙上通過して時刻記録する振子梃子無用の揺動避けるため木製覆いをかけるようになっているランプ火屋アルミニウム管の一部重錘は後補である。感度すぐれていたが、記録紙の速度遅く地震記録詳細な分析が困難という欠点があり、しだいに新式地震計席を譲った
 附とした地震記録は、この地震計による観測結果記録したロール紙で、明治三十三年から三十八年にわたるものが現存している。巻頭記録開始時刻記し地震動記録され箇所にはペン書き注記付す収納箱には震災予防調査会焼印があり、伝来明らかにしている。当時地震観測実態を示す資料として、あわせて保存を図るものである
 本機は、日本国内現存する最古地震計であり、その伝来も明らかで、初め科学的な観測行い日本人地震学者養成貢献したことから、わが国地震学研究発達を語るうえで貴重な資料である。


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