マフィア編
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第一部165話-172話(28巻)。本編開始の少し前のエピソードとして展開され、シチリア島を舞台とする。 ピエル・サントゥニオーネ 先代ドンの孫で、ファミリーの後継者。初登場は第一部167話。 軟弱で肥満体の青年。島外の大学に進学中。オタク趣味に傾倒しており、ファミリーの金で大学生活にかこつけた放蕩生活を送る。外見的にも内面的にもまったくマフィアらしさがなく、先代ドンの遺言とはいえ、母チェチーリア以下、叔父で大幹部であるバルトロメオとガスパーレの頭を悩ます。当初はあくまでドンになる気はなく、隙きを見つけては母や叔父達から逃げ出そうとする。しかし、従兄弟ファウストの登場によって、彼を恐れつつも、彼の計画に反対の意を示す。最終的にファウストが仕掛けた抗争が始まる中にあって、悠が見つけ出したピート香のジャケットにより先代のような貫禄を持ち、抗争を無難に収める。 チェチーリア・サントゥニオーネ 先代ドンの長男の嫁で、ピエルの母。初登場は第一部165話。 先代ドンのトト死去後に、実質的にファミリーを率いる女傑でゴッドマザーとも呼ばれる。貫禄に欠ける息子ピエルが次期ドンになるにあたって、先代のツイードのジャケットを再現し、貫禄不足を補うことを画策する。そのため、元を仕立てたマリオ親方を島に招待しようとしたが、故人であったためにその弟子である悠が島に招かれることとなる。当初は若い東洋人である織部を危惧するものの、その力量を知るとジャケット代10万ユーロ(約1200万円)という法外な値段も飲む。ピエルの軟弱ぶりに思わず拳銃を撃ってしまうこともある。 バルトロメオ・サントゥニオーネ 先代ドンの次男でファミリーの幹部。初登場は第一部165話。 先代時代よりファミリーを支えてきた守旧派の男で、弟ガスパーレと対立している。血の掟(オメルタ)など、従来のシチリア人やファミリーのあり方を重視し、それを守ることが生活を守ることであると強く考えている。チェチーリアが行った悠への依頼に対し、その法外な値段と、さらにそれが対立組織のカモッラに流れるということから激怒し、悠にそれだけの価値があるか職人としての腕を試す。その注文品の出来と共に、ガスパーレとの一触即発の現場にも平然と立ち入り、職人としての筋を通す悠の態度に感心し、評価を改める。 ガスパーレ・サントゥニオーネ 先代ドンの三男でファミリーの幹部。初登場は第一部165話。 先代時代よりファミリーを支えてきた革新派の男で、兄バルトロメオと対立している。時代が変わり、旧態依然ではファミリーはおろかシチリア島自体が困窮していくことを危惧し、時代にあった業種にも手を出すべきと考えている。チェチーリアが行った織部への依頼に対し、当初はバルトロメオと同じ見解で反対するが、チェチーリアの言い分を聞き、実際に頼りないピエルのことも踏まえ、賛成に回る。裁ち鋏を踏まれ悠がピエルを殴った件では悠の言い分を認め、解放する。 バッチ サントゥニオーネ・ファミリーの構成員。初登場は第一部165話。 スキンヘッドの強面の男で、悠の監視役。故マリオの後継者として、有無を言わさず悠をシチリア島に強制的に連れてくる。当初は若い東洋人の悠を軽んじるものの、マフィア相手に引かない態度に関心するようになる。編の終盤ではピエルをファウストの襲撃から庇い重傷を負うも一命は取り留める。最後は最初に悠に作ってもらったコッポラ帽を被り、ゼノーニと共に島を出る悠を見送る。 ファウスト・サントゥニオーネ バルトロメオの長男。初登場は第一部167話。 ピエルの従兄弟であり、よほど彼よりもマフィアらしい青年。血の気が多く、放蕩者で、堅気にも手を出し、最後は自身に諫言した幹部を半殺しにしたことで先代ドンに追放される。跡目を狙って島に舞い戻り、最終的にはピエルの暗殺も画策する。また、新規事業にかこつけて、殺し合いの見世物を行おうとしており、父バルトロメオからも危険視される。 編の終盤でピエル暗殺未遂を引き起こし、ついに抗争に至る。しかし、もともと堅気からの人望が無かったために情報戦で不利になり、さらに最後は先代の雰囲気を纏ったピエルに気圧され、負けを認める。本来であれば粛清されるところであったが、バッチが死んでいないこともあり、ピエルの命令により命は助けられる。 ゼノーニ親方 シチリアの仕立て職人。初登場は第一部165話。 現地にてサントゥニオーネ・ファミリーに贔屓にされている老職人。悠の技術力を評価するにあたってチェチーリアに呼び出され、彼が作った帽子を「糸が置いてある」として高く評価する。以降、現地での悠の働きをサポートし、島の情報などを教える。その穏やかな見かけに反し、シチリアの男として非常時には銃も扱う。
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