ボーイング747の運航
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:37 UTC 版)
「デルタ航空」の記事における「ボーイング747の運航」の解説
ノースウエスト航空と合併後、貨物機を含め20機以上の747シリーズを保有し、同社の最大機材として太平洋路線を中心に運航された。 ボーイング747貨物機を中心とした貨物専用機の運用は2010年1月末をもって終了し、退役した。 旅客型についてはしばらく運用が続けられたが、最終的にボーイング747-400型機は2017年に完全に退役し、デルタからボーイング747は引退した。ノースウエスト統合によりデルタは日本からの以遠権を有していたが、ハブとなる成田国際空港の発着枠には限りがあった。かつて、需要旺盛な日本および東アジアへこの少ない発着枠で輸送力を確保するには、ボーイング777では容量不足であり、747が必要とされていた。また、成田空港に設けた整備工場で747の高度な整備が可能であった。以上の理由によりデルタ航空はボーイング747-400型機の運用を続けていた。 しかし、初期に就航した機体は25年以上運用しており、置き換えが急務であったことから、2014年第3四半期の業績発表時に、747-400を2017年に完全退役させる予定を発表した。これにはデルタ航空とスカイチームにおける日本の重要性が低下し、日本路線の容量見直しが可能になったことも理由のひとつである。デルタのハブであるデトロイトから、スカイチームメンバーのハブであるソウル/仁川(大韓航空)・上海/浦東(中国東方航空)などに直行便で接続できるようになり、成田を経由せずとも、以前は以遠権で就航していた東南アジア地域から集客できるようになった。さらに、統合前のデルタ時代から日本に提携するカウンターパートナーは存在せず、日本航空やスカイマークの再建計画にもデルタは参入できず、2021年現在もなお、日本の航空会社からスカイチームに所属するメンバーは出ていない。 2015年9月8日(ハワイ時間)のホノルル発アトランタ行836便をもって引退 した同社保有の登録番号「N661US」(製造番号23719/696・ノースウエスト航空85便緊急着陸事故当該機)は747-400型機のプロトタイプの1機であり、2016年4月にアトランタ本社の付属施設であるデルタ航空博物館に寄贈され、2017年3月28日より一般公開されている。 2017年に、デルタの747は運用数6機まで削減され、デトロイト発着のアジア便を中心に運航されていた。日本の定期路線から10月30日の成田→デトロイト(DL276便)をもって引退 した。しかし定期以外では11月28・29日にかけて「N668US」がアメリカ軍のパトリオット・エクスプレスとして仙台・嘉手納へ飛来している。 12月には運用が4機にさらに減り、12月19日 仁川→デトロイト(DL158便)を最後に引退した。当初予定では、現地時間で12月17日発 仁川→デトロイト(DL158便)を定期便ラストフライトとしていたが、12日になって19日仁川発が追加され、結果的にはこれが最後の定期フライトとなった。17日デトロイト発(DL159便)が当日になりパイロットを確保できず747での運航を取りやめ、翌18日にデトロイト(9:18)→仁川(13:11)(DL9859(159A)便)で運航し、折返しの仁川→デトロイトは12日に設定された19日仁川発(DL158便)を約2時間半の遅延で運航した。ラストフライトは「N666US」が務めた。 定期運航便とは別に18日から自社社員向けのフェアウェル・ツアーを以下で運航した。 「N674US」11日ソウル仁川→デトロイト着後ラインアウト、18日デトロイト→エバレット→シアトル、19日シアトル→アトランタ 「N670US」17日ソウル仁川→デトロイト着後ラインアウト、18日デトロイト→シアトル 「N669US」18日上海浦東→デトロイト着後ラインアウト、19日デトロイト→アトランタ、20日アトランタ→ミネアポリス 「N666US」19日ソウル仁川→デトロイト着後ラインアウト、20日デトロイト→ロサンゼルス また、12月31日迄年内はスポーツ団体向けを含むチャーター便を運航し、2018年1月3日までに全機アリゾナ州マラナへ回送された。デルタはこれらイベントをSNSで「#DL747Farewell」のハッシュタグで情報発信するとしている。
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