プライベートバンク
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プライベート・バンク(英語: Private Bank)は、無限責任の個人またはジェネラルパートナーと、有限責任のリミテッドパートナーのいずれかによって、またはそれらの組み合わせによって、所有・運営される銀行のこと。
概要
厳密にはプライベートバンクとは法人化されていない銀行を指す。このような場合、債権者は「銀行の資産全体」と「個人事業主やジェネラル・パートナーの資産全体」の両方に注目することができ、すなわち「無限責任の銀行と取引したいならばプライベートバンクしか選択肢がない」ともいえる。
スイスの銀行は、少なくともフォンテーヌブローの勅令(1685年)にまで遡る長い伝統を持っている。英国でもプライベートバンクは長い伝統があり、C.Hoare & Co.は1672年から営業している。
著名なプライベートバンク
このリストには、2種類の銀行が含まれている。
- 個人またはジェネラルパートナーとリミテッドパートナーのいずれかが所有する非法人の銀行。
- 富裕層向けのウェルスマネジメントに特化した法人化された銀行。
中国
フランス
- Compagnie Financière Edmond de Rothschild、パリ、1953年設立、Edmond de Rothschildグループの一員
- ソシエテ・ジェネラル
インド
ドイツ

- Delbruck Bethmann Maffei、フランクフルト、1748年創業、ABNアムロの一員
- M・M・ヴァールブルク&CO、ハンブルク、1798年設立。
- Sal. Oppenheim、ケルン、1789年設立、ドイツ銀行の一員
イタリア
- Banca Sella Group、1886年設立
リヒテンシュタイン
- LGT銀行、ファドゥーツ、1920年設立、リヒテンシュタイン侯爵家所有
オランダ
- Maduro & Curiel's Bank、ウィレムスタット、1917年設立
- MeesPierson、ロッテルダム、1720年設立:ABNアムロの一員
- Van Lanschot Kempen、1737年設立。オランダ[1]およびベネルクス[2] [3]で最も古い独立銀行であり、世界で最も古い独立銀行の一つである[4][リンク切れ]。
スイス
- Banque privée Edmond de Rothschild、ジュネーブ、1923年設立、Edmond de Rothschildグループの一員
- Baumann & Cie、Banquiers、バーゼル、1920年設立
- EFG インターナショナル、チューリッヒ、1995年設立、EFGグループ(ジュネーブ)のメンバー
- Hyposwiss Private Bank Genève SA、1889年設立
- ジュリアス・ベア、チューリッヒ、1890年設立
- La Roche & Co.、バーゼル、1787年設立
- Landolt & Cie、ローザンヌ、1780年設立
- ロンバー・オディエ、Geneva、1796年設立
- ピクテ銀行、Geneva、1805年設立
- Union Bancaire Privée、ジュネーブ、1969年設立
イギリス
- Arbuthnot Latham & Co.、ロンドン、1833年設立
- Brown Shipley、ロンドン、1810年設立、KBL epbグループの一員
- Cater Allen、1816年設立; サンタンデールのメンバー
- Child & Co..、ロンドン、1664年設立、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの一員
- C. Hoare & Co.、ロンドン、1672年設立
- Coutts & Co.、ロンドン、1692年設立、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの一員
- Hampden & Co.、エディンバラ、2015年設立
- Weatherbys、1770年に競馬業界向けの銀行として設立、現在はノーサンプトンシャーに拠点を置く
米国

- ブラウン・ブラザーズ・ハリマン、ニューヨーク、1818年設立
脚注
- ^ Burggraf, Helen (7 June 2017). “UBS to sell its Netherlands wealth management biz”. International Investment 3 February 2021閲覧。
- ^ “A Chinese carmaker agrees to buy a Danish investment bank”. The Economist. (5 October 2017)
- ^ “COMPANY NEWS; Belgian Bank Deal”. The New York Times: p. 5. (25 April 1990) 3 February 2021閲覧。
- ^ Miller (30 May 2019). “The 20 oldest banks in the world still operating today”. 2 January 2021閲覧。
関連項目
- プライベート・バンキング - 資産家向けの金融サービス(税務相談・資産管理・資産運用・資産相続など)
- ピクテ銀行 - スイス最大手のプライベートバンク
- ロンバー・オディエ - スイスで2番目の大きさのプライベートバンク
- スイス銀行
- オフショア金融センター
- タックス・ヘイヴン
- 金融センター
- 富裕層
外部リンク
- スイスプライベートバンカー協会、会員資格 - ウェイバックマシン(2006年11月14日アーカイブ分)
- ジュネーブプライベートバンカー協会 - ウェイバックマシン(2006年7月16日アーカイブ分)
- 財務省我が国の租税条約ネットワーク
プライベート・バンキング
(プライベート・バンク から転送)
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プライベート・バンキング(英語: Private banking)は、銀行や金融サービス会社が、主に高額所得者や多額の資産を持つ富裕層(high-net-worth individuals、HNWI)に提供する銀行業務、投資業務、その他の金融サービスのことである。プライベートバンキングは、ウェルス・マネジメントの中でも特に富裕層を対象としたサービスである。「プライベート」とは、マスマーケットのリテールバンキングよりも個人的なサービスを提供することを意味し、通常は銀行の専任アドバイザーが担当する。少なくとも最近までは、指定された1人のリレーションシップ・マネージャーが、銀行業務(預金の預入・払戻)、一任された資産運用、証券業務、限定的な税務顧問サービス、および基本的なコンシェルジュ・タイプのサービスを提供することが主な内容であった。
ビジネス
欧米
プライベート・バンキングはヨーロッパで古くから発達し、現在でもヨーロッパにはプライベート・バンキングを専門に業務を行う銀行が数多く存在する(詳細は英語版記事Private bankを参照)。その中には、王侯貴族の資産を預かる銀行もあり、リヒテンシュタイン公国の公室の資産を預かるLGTリヒテンシュタイン銀行(1920年創業)、オランダ王室の資産を預かるMeesPierson(1720年創業)、イギリス王室の資産を預かるCoutts(1692年創業)などがある。 また、下に示すように、UBSをはじめとするスイスの金融機関もこの分野で多くのシェアを占めている。
プライベート・バンキングの伝統が長いヨーロッパと、近年になってプライベート・バンキングが発達したアメリカでは、顧客利益に対する金融機関の立ち位置が根本的に異なっている。ヨーロッパのプライベート・バンキングは資産の保全・運用をカバーする「富裕層の総合的な財務コンサルタント」としての性格が強く、資産運用の考え方も保守的で、元本を減らさない「保全」に力点をおいている。また、守秘義務など倫理観がしっかりしており、子供の教育相談など顧客の個人的な相談にものる、いわば執事に近い存在である。一方、アメリカのプライベート・バンキングはハイパフォーマンスの資産運用を重視するのが主流であり、いわば投資顧問に近い存在である[1]。プライベートバンキングが顧客を引き付けた理由として、税務当局に対する情報秘匿があるが、近年、米国政府が顧客情報の開示を要求し、政治的圧力に応じる形で情報開示を実施する場合がある[2]。
日本
上記の概要と異なり、日本の国内規制においては銀行・証券・信託にてファイヤーウォール規制があり、一義的には顧客情報を共有できないため、包括的なワンストップサービスを行うことが規制上できない。 これは外資系企業であっても国内で営業している以上は同様である。
口座開設にあたって必要とされる金額があり、金融機関によりその金額は異なる。日本で事業を行っている金融機関では三菱UFJモルガン・スタンレー証券ウェルネスマネジメント本部で1億円以上の預入れが必要[3]、UBSで2億2000万円超(200万スイスフラン)以上の預入れが必要[4]。
三井住友銀行では金融資産が5億円以上の者を対象[5]、クレディ・スイスでは10億円以上の金融資産の者が対象[6]。こちらに関して、預入れの金額の縛りはない。
2019年6月、三井住友トラスト・ホールディングスとUBS証券が富裕層向けウェルスマネジメント事業での提携を発表[7]。2021年をめどに新証券会社を設立する見通しである[8]。
プライベートバンキングのランキング
AUM別
AUMで見ると、2019年時点での世界の10大プライベートバンク(または大手銀行持株会社のプライベートバンキング部門/子会社)は以下の通り[9]。
ランク | 銀行名 | 総資産 (2019) ( US $十億) |
---|---|---|
1 | ![]() |
2,260.0 |
2 | ![]() |
1,046.0 |
3 | ![]() |
1,021.2 |
4 | ![]() |
770.0 |
5 | ![]() |
552.0 |
6 | ![]() |
460.0 |
7 | ![]() |
413.5 |
8 | ![]() |
391.8 |
9 | ![]() |
379.1 |
10 | ![]() |
366.3 |
全体
Euromoneyの2019年のプライベートバンキングとウェルスマネジメントの年間ランキングの結果で、他の要因の中で、運用資産(AUM)、純利益、純新規資産を考慮している[10]。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントは、ユーロマネーの2019年の調査で、"Best private banking services overall 2019 "のトップを獲得した[10]。
本表は、プライベートバンキングランキングの1カテゴリー、"Best global private banking services overall 2019 "の結果を表示している[10]。
2019年ランク | 2018年ランク | 銀行名 |
---|---|---|
1 | 1 | ![]() |
2 | 3 | ![]() |
3 | 2 | ![]() |
4 | 7 | ![]() |
5 | 5 | ![]() |
6 | 11 | ![]() |
7 | 4 | ![]() |
8 | 6 | ![]() |
9 | 9 | ![]() |
10 | 8 | ![]() |
金融機関一覧
各国
世界のプライベート・バンキングは、プライベートバンクで有名なスイスや、世界の経済の中心であるアメリカで発達している。歴史的にもヨーロッパではたびたび戦争が起きてきたがスイスは中立を保ってきたため、資産の安全な逃避先として、スイスでは古くからプライベートバンキングが発達してきた。周辺のヨーロッパ諸国だけでなく、国情の不安定な中東などの国々からも顧客を集めている[11]。米ボストン・コンサルティング・グループの推計によると、世界のオフショア資産の27%(2兆ドル)がスイスで運用されている[12](オフショア資産とは投資家の法的な住居がない国で運用されている資産)。下記に列挙されているプライベートバンクの他に、大手銀行のUBSやクレディ・スイスなど、プライベート・バンキングサービスを提供している銀行が数多くある。また、世界の富裕層の3分の1がアメリカに住んでおり[13]、多くの資産がアメリカの金融機関によって運用されている。
スイスのプライベートバンク(スイス・プライベートバンカー協会 加盟行)[14]
- Baumann & Cie(バウマン)1920年設立
- Bordier & Cie(ボーディエ)1844年設立
- Gonet & Cie(ゴネ)1845年設立
- E. Gutzwiller & Cie.(グッツウイラー)1886年設立
- Lombard Odier(ロンバー・オディエ)1796年設立
- Mourgue d'Algue & Cie(モルギュアルギュ)1869年設立
- Rahn & Bodmer Co.(ラン・アンド・ボドマー)1750年設立
- Reichmuth & Co.(ライヒムース)1995年設立
日本
日本においてもプライベート・バンキングが行われている。以下に代表的なものを示す。
- 日本の金融機関
- スイスの金融機関の東京支店
出典
- ^ “プライベート・バンキングについての講義”. 三井住友銀行ウェブ・バンキング・カレッジ. 2011年9月15日閲覧。
- ^ “スイス、圧力に屈し銀行の情報開示に乗り出す”. ウォール・ストリート・ジャーナル (2013年5月31日). 2017年6月24日閲覧。
- ^ “新規顧客拡大などで急成長可能=三菱UFJメリルリンチ”. ロイター. 2011年8月28日閲覧。
- ^ “UBS イベント・セミナーのご案内”. UBS. 2018年8月10日閲覧。
- ^ “富裕層向け対象顧客を金融資産5億円以上に拡大=三井住友銀行”. ロイター. 2011年9月4日閲覧。
- ^ “クレディ・スイス、日本の富裕層向け金融サービス事業開始=クレディ・スイス”. ロイター. 2012年8月13日閲覧。
- ^ “UBSグループとのウェルス・マネジメント事業の資本・業務提携について”. 2019年8月17日閲覧。
- ^ “三井住友トラストとUBS、日本で富裕層向け資産運用会社設立へ”. Bloomberg.com. 2019年8月17日閲覧。
- ^ “Private Banker International Global AuM ranking”. archive.org (4 September 2019). 4 September 2019閲覧。
- ^ a b c “Private Banking and Wealth Management Survey 2019: Global Results”. Euromoney. 6 February 2019閲覧。
- ^ “Swiss Banks Buck Secrecy Squeeze With $53 Billion of Inflows”. Bloomberg. 2011年9月2日閲覧。
- ^ “Global Wealth Stages a Strong Comeback, but Wealth Managers Still See Performance Declines and Challenges Ahead”. Boston Consulting Group. 2011年9月2日閲覧。
- ^ “2011年 ワールド・ウェルス・レポート”. 三菱UFJメリルリンチPB証券. 2011年8月28日閲覧。
- ^ “Swiss Private Bankers Association”. swissprivatebankers.com. 2014年7月23日閲覧。
- ^ “ウェルスマネジメント | 三菱UFJ銀行”. www.bk.mufg.jp. 2018年9月11日閲覧。
- ^ “三井住友信託銀行 プライベートバンキング”. 2018年9月11日閲覧。
関連項目
外部リンク
プライベートバンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 09:13 UTC 版)
スイスプライベートバンクとは、ナンバーズアカウントを開設できるという意味でのスイス銀行である。口座名義までが契約者の任意の番号で管理され、名義人が表示されない匿名口座は守秘性が非常に高い。スイスのプライベートバンクは、無限責任をもつ個人銀行家=プライベートバンカーがパートナーとして経営している銀行であり、世界の富豪に愛用されてきた長い伝統と実績、および先述の高い守秘義務の規定がある。口座の顧客の身元を知っているのは担当者とごく一部の上層部だけで、口座番号が漏れてもそこから身元を割り出すことはできない。口座番号さえわかれば誰でも振り込みはできるが、口座番号を間違えると、守秘義務により、振り込んだ金は返ってこない。 プライベートバンクにおいて、他の顧客や自分の口座の担当以外の従業員との接触を避けるため、顧客は来訪の前に申請し、必ず決められた時間に来訪しなければならない。エレベーターは担当者が待つ階にしか停まらないようになっており、鍵も備えられている。したがって、秘密口座では有価証券を除けば預金の引き出しの6週間前に申請しなくてはならない。口座維持費が必要なので、最低でも常に1,000万円以上の残高を要する(為替相場にもよる)。 公共料金の支払いや給与の振り込みは取り扱っていない。 スイスプライベートバンクの有名どころはロンバー・オディエやピクテ銀行であるが、さらに二つ例を挙げておく。 ジュリアス・ベアもその一つである。2002年に解雇されるまでジュリアス・ベアのカリブ海部門の最高執行責任者であったルドルフ・エルマー(Rudolf Elmer)は、同行の脱税関与を裏づける顧客データをウィキリークス等のメディアや連邦・州の税務当局に送りつけ、法廷で銀行秘密保持の原則がスイス国外にも適用されるかどうかを争っていたが、2018年10月初旬、スイス連邦最高裁判所は国外適用を否定した。 J・サフラ・サラシン(J. Safra Sarasin)は2002年3月にラボバンクが28%支配するところとなり、会社形態も変わってウォールストリート・ジャーナルなどに報じられた。2011年11月、サフラグループに買い戻された。 なお、匿名口座と呼ばれるものは、プライベートバンクでなくてもクリアストリームのような国際決済機関に開設できる。
※この「プライベートバンク」の解説は、「スイス銀行」の解説の一部です。
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