フィクションにおけるオルダーソン円盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 10:13 UTC 版)
「オルダーソン円盤」の記事における「フィクションにおけるオルダーソン円盤」の解説
1974年、SF作家のラリー・ニーヴンはSFエッセイ『巨大な世界』でオルダーソン円盤を紹介している 。 「この平円盤世界は、ゴシックものや剣と魔法小説に、すばらしい舞台を提供してくれるだろう。大気は正常だし、ほんものの怪物もいる。考えてみたまえ。われわれが住めるのは、円盤上の、太陽から適当な距離にある一部分だけなのだ。もっと暑い地域や寒い地域に住む異星人と、円盤を共有するわけだから、建造の費用も割り勘にすればいい。水星人や金星人は太陽に近いほう、火星人は外縁のほう、他の星系からきた異星人たちも、それぞれ自分に合った場所で生活する。数万年もたつうちには、変異と適応が生じて、人口希薄な辺境にも移り住むものが出るだろう。ここで、文明が崩壊すると、話はいくらでもおぞましく興味深いものになっていく……」 テリー・プラチェット1981年の小説『Strata (小説)(英語版)』では人類と異星人によるチームが円盤状の世界に漂着してしまう。円盤世界では中世のような社会が存在しており、円盤の制御システムの故障による大規模な気候変動に怯え世界の終焉を信じる住民がいた。そして「魔法」の怪物やアイテム、空飛ぶ絨毯といったものまで存在していたが、これらは高度な技術によって実現されていた。また、プラチェットは後に円盤状の世界を舞台にしたファンタジー小説ディスクワールドシリーズを書いている。 米国のコミック出版社マリブコミック社のウルトラバースの顕著な特徴がオルダースン円盤だった。この宇宙でゴッドホイール (Godwheel)と呼ばれている円盤は表裏で2つの世界に分かれていた。一方の面はテクノロジーを使用し、もう一方の面は魔法を使用していた。 SF世界を構築する共同創作webサイトOrion's Armには未知の古代のエイリアンが遺したオルダーソン円盤である『RAK Mesba』がある。円盤の規模は液体としての水が存在可能な領域のみに絞られている。恒星の極の先に大型の鏡が存在し、20.5時間の1日を作り出している。 オルダーソン円盤に似た円盤状の惑星(はるかに小さい)バージョンがアメリカのWest End Games社のTRPG『トーグ』に登場する。中世のようなファンタジーの世界「アイル」のホームワールドとして機能した。オルダーソン円盤とは対照的に、アイルの「ディスクワールド」はファンタジーの物理の法則に従って動作する。これには、ディスクを横方向に二分する「重力平面」が含まれる。 アイルのディスクワールドには動く太陽と複数の内層があった。 内部層と同様に円盤の両側に居住していた。 チャールズ・ストロスの『ミサイル・ギャップ』は1962年の地球が、突如オルダーソン円盤の上に移動させられてしまうという短編小説である。球面である地球の大陸が平面であるオルダーソン円盤にそっくりそのまま配置されてしまうため多くの問題が発生する。当時は宇宙開発時代だったが、人工衛星、宇宙ロケット、ICBMなども使用できなくなってしまう。 イアン・マクドナルドの小説『Empress of the Sun』はすべての質量がオルダーソン円盤に変換された太陽系の平行宇宙を舞台としている。この円盤には恐竜から進化した生物が存在し、円盤の中心の太陽は揺れ動く。 マーベル・スタジオの映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではドワーフの母星であるニダベリア(Nidavellir)は、中性子星の周りを同心円状に囲んだ何層もの帯状のリングであるため、面が揃うと円盤のようにも見える。星のエネルギーを使った鍛冶を行うために作られており、表面に人が住んでいるわけではない。
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