ビバップ【bebop】
読み方:びばっぷ
ビバップ[be-bop]
ビバップ
ビバップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/04 23:46 UTC 版)
ビバップ | |
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様式的起源 | ラグタイム、ブルース、ワーク・ソング、スウィング・ジャズ、黒人霊歌 |
文化的起源 | 1940年代後半![]() |
使用楽器 | サクソフォーン、トロンボーン、トランペット、コルネット、ギター、ウッド・ベース、ベース、ドラム、ピアノ、オルガンなど |
融合ジャンル | |
フリー・ジャズ | |
関連項目 | |
本文参照 |
ビバップ (bebop) は、1940年代に成立したとされる、ジャズの一形態。スウィング・ジャズの終焉後に発生したモダン・ジャズの起源は、このジャズ様式にあるというのが、一般的な見解である。仮名表記によって、ビー・バップ、ビ・バップなどとも記される。
歴史
マンネリ化したスウィング・ジャズ[注 1]に飽きた、即興演奏が好きなチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーらのジャズマンたちが、ミントンズ・プレイハウスなどのライヴハウスなどの閉店後に、ジャム・セッションをやることで生まれた[1](ディジー・ガレスピーは、自分やチャーリー・パーカー、セロニアス・モンクが創始者ではなくいつの間にかできたスタイルであることを断った上で、創始者を挙げるとするなら、リズム・パターンに大きな影響を与えたケニー・クラークが一番重要人物という旨の発言をしている)[2]。
ビバップの登場により、それまで「大衆音楽・娯楽音楽」のみを演奏するとみられていた黒人音楽が、「芸術音楽」も演奏できると認識を改めさせる契機となった。ビバップのドラマー、ケニー・クラークは「ビバップは後に特定のジャーナリストが名付けた。それは、モダン・ミュージックだった。我々はそれを何とも呼ばず、ただの音楽だった。」と回想している。[3]
最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿った形でありながらも、自由な即興演奏[4](アドリブ、インプロヴィゼーション)を順番に行う形式が主となる。基本的には、コード構成音や音階に忠実にアドリブ演奏しながらも、テーマのメロディーの原型をとどめないくらい、長めのインプロヴィゼーションが導入された演奏となっていった。そのため、技術的に優れた演奏が多い反面、長いアドリブのために、アドリブ自体が主体になってしまう側面があった。また、スウィングのように娯楽のための音楽、ダンスのための音楽から、当事者にとっては演奏することが目的となった音楽、聞く側にとっては踊ることはできず、聴くだけの音楽になってしまったとの批判もあった。
ビバップの音楽理論
ビバップの時代には、チャーリー・パーカー[5]やディジー・ガレスピーらにより和声が極限まで拡張されることとなった。具体的には原曲のコード進行を、さまざまな代理和音を用いてリハーモナイズしたり、頻繁な内部転調を行う、あるいはテンションノートが積極的に用いられるなどである。このようにしてビバップの演奏では調性が希薄になった。
コードの進行がフレーズから聞き取れるようなフレーズづくりもビバップの特徴である[注 2]。
しかしこのスタイルは、1950年代終わりごろには、誰がやっても同じようなアドリブになってしまうマンネリ状況に陥り、行き詰まった。フリー・ジャズは、この行き詰まりを打破するべく生まれたジャンルのひとつである。
代表的なアーティスト
トランペット
トロンボーン
サクソフォーン
ピアノ
- タッド・ダメロン:作曲を含む
- セロニアス・モンク:作曲を含む
- アル・ヘイグ
- ジョージ・ウォーリントン
- デューク・ジョーダン
- ハンプトン・ホーズ
- バド・パウエル
- ソニー・クラーク
- ジョン・ルイス
- ウォルター・ビショップ・ジュニア
- バリー・ハリス
ベース
ギター
ヴィブラフォン
ドラムス
脚注
注釈
出典
- ^ 「リズム&ブルースの死」p.69 ネルソンジョージ、早川書房
- ^ 小川隆夫『マイルス・デイヴィスの真実』平凡社、2002年。
- ^ Du Noyer, Paul (2003). The Illustrated Encyclopedia of Music (1st ed.). Fulham, London: Flame Tree Publishing. p. 130. ISBN 1-904041-96-5
- ^ https://music.stackexchange.com/questions/22726/what-improvisational-techniques-were-employed-by-thelonious-monk-and-charlie-par
- ^ http://www.allmusic.com/artist/charlie-parker-mn0000211758
関連項目
- ファンキー・ジャズ(ソウル・ジャズ)
- フリー・ジャズ
- オーネット・コールマン
- ハード・バップ
ビブリオグラフィ
- 細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一『新版 ジャズを放つ』洋泉社、1997年、22頁。 ISBN 4896912500。
ビバップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:17 UTC 版)
スウィングの時代にも若干はあったものの、ビバップの時代に最も顕著に、ドラマーの役割はほぼ純粋にテンポをキープするだけのものから相互作用する音楽アンサンブルの一員へと進化を遂げた。以前の荒削りなものから、今日我々が知るスムースな流れるようなリズムへとジョー・ジョーンズが変えた明確に定義されたライドパターンを基礎として、標準化されたドラムセットと共に、ドラマーたちはコンピングのパターンや繊細な演奏を実験できるようになった 。こうした革新者の1人にシド・キャトレット(英語版)がいた。キャトレットの貢献としては、バスドラムを用いたコンピング、「ビートの先頭で」の演奏(気付かぬほど微妙な加速)単に伴奏するのではなくソロイストと「共に」演奏すること、メロディと繊細な音色を多く含む自分自身のソロを演じること、演奏全体を通じて「ドラムを歌わせる」ことなどがあった。ビバップの影響あるドラマーとしてはケニー・クラークもおり、彼はそれまでバスドラムで演奏されていた4ビートのパルスをライドシンバルへと切り替え、これは将来コンピングを前進させることになる。1950-60年代には今一度、ドラマーたちはその表現の基礎を根底から変化させ始める。エルビン・ジョーンズは、ダウンビート(英語版)とのインタビューで、この移行を「自然なステップ」と言い表した。
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