シロキクラゲとは? わかりやすく解説

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しろ‐きくらげ【白木耳】

読み方:しろきくらげ

シロキクラゲ科キノコ倒木などに生え半透明ゼリー状の塊をつくる。中国では古くから不老長寿として珍重乾燥させたものを銀耳と呼ぶ。

白木耳の画像
シロキクラゲを乾燥させた、銀耳

白木耳


シロキクラゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/13 22:03 UTC 版)

シロキクラゲ
シロキクラゲ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina
: シロキクラゲ綱 Tremellomycetes
亜綱 : シロキクラゲ亜綱 Tremellomycetidae
: シロキクラゲ目 Tremellales
: シロキクラゲ科 Tremellaceae
: シロキクラゲ属 Tremella
: シロキクラゲ T. fuciformis
学名
Tremella fuciformis Berk. [1]
和名
シロキクラゲ
英名
Snow fungus
しろきくらげ 乾[2]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 678 kJ (162 kcal)
74.5 g
デンプン 正確性注意 3.6 g
食物繊維 68.7 g
0.7 g
飽和脂肪酸 0.10 g
一価不飽和 0.23 g
多価不飽和 0.15 g
4.9 g
ビタミン
チアミン (B1)
(10%)
0.12 mg
リボフラビン (B2)
(58%)
0.70 mg
ナイアシン (B3)
(15%)
2.2 mg
パントテン酸 (B5)
(27%)
1.37 mg
ビタミンB6
(8%)
0.10 mg
葉酸 (B9)
(19%)
76 µg
ビタミンD
(101%)
15.1 µg
ミネラル
ナトリウム
(2%)
28 mg
カリウム
(30%)
1400 mg
カルシウム
(24%)
240 mg
マグネシウム
(19%)
67 mg
リン
(37%)
260 mg
鉄分
(34%)
4.4 mg
亜鉛
(38%)
3.6 mg
(5%)
0.10 mg
セレン
(1%)
1 µg
他の成分
水分 14.6 g
水溶性食物繊維 19.3 g
不溶性食物繊維 49.4 g
ビオチン(B7 86.9 µg

試料: 栽培品。エネルギー: 暫定値
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。

シロキクラゲ(白木耳[3]学名: Tremella fuciformis)は、シロキクラゲ科シロキクラゲ属の小型から中型のキノコ菌類)。主に日本中国で食用とされている。和名の由来は、色が白くてキクラゲのなかまであることによる[4]

生態

日本本州以南、東南アジア北アメリカ南アメリカオーストラリアなど、世界的に温帯から熱帯までの広い地域に分布する[1][5]

日本では春から秋にかけて、シイカシ林やコナラ雑木林などで、広葉樹倒木や枯枝、枯れ木に発生する[3][1]キクラゲ木材腐朽菌)とは異なり、他の菌類、特にクロコブタケ(シイタケの害菌)という黒い粒状の子囊菌類に寄生する菌寄生菌であり[6][4]、シイタケやナメコの栽培用ほだ木に発生することもある[3][5]。このキノコは発生している周辺を見れば、黒いクロコブタケがどこかにいる[3]

菌類は通常、胞子が発芽すると菌糸状になるが、シロキクラゲ類は、つぶつぶした酵母状のものが増えるだけという、珍しい特徴をもっている[4]

形態

子実体はゼリー質(ゼラチン質)でやわらかく、白く半透明[3]。形は不規則で、八重咲きの花びら状やとさか状の塊、あるいは耳状の集団と表現される[7][3][1][5]。通常、大きさは径3 - 10センチメートル (cm) ほど、高さは5 cmほどになる[1][5]。乾くと小さく縮まり、固く軟骨状になる[6][5]。裂片は波状に不規則に切れ込む[1]。裏表の区別はなく、両面に胞子ができる[7]

子実体を構成する菌糸は一菌糸型で、菌糸隔壁にはクランプを有する[5]。担子器は類球形から倒卵形で、縦方向に十字の隔壁で2 - 4室に仕切られる[1][5]。担子胞子は6 - 9.5 × 5 - 7マイクロメートル (μm) の類球形から倒卵形で平滑、無色、非アミロイド[1][5]胞子紋は白色[5]

食用

主に中華料理の食材として栽培される[7]。中国では「銀耳」(ンガッイー)と呼ばれて栽培され、通常は乾燥品として出回っている[4]。市場に出回っている薄い黄白色のかたい皮状の乾燥品は、キクラゲと同様に水で戻し、湯通しして使う[8]

風味は少しもクセがなく、なめらかば口当たりと独特の歯触りが特徴だが、自身には味がない[1][8]。さっと茹でて、主にスープの浮き実やシロップ漬けにしてデザートなどにされる[1][8]。惣菜の海藻サラダに交じってシロキクラゲが使われることもある[4]。中国では燕の巣のスープのあとに食べたという[1]。一方、中国では薬用にもされており[5]不老長寿の薬としても珍重されている。

シロキクラゲは、血中や肝臓のコレステロールを低下させる効果が高いとされており、動脈硬化心臓発作に効果的であると言われており、シロキクラゲを利用した料理として中華料理の銀耳羹(シロキクラゲのスープ)などがある[9]

類似種

日本には本種の類似種として、Tremella yokohamensis(和名なし)が分布する[5]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著 2011, p. 531
  2. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  3. ^ a b c d e f 牛島秀爾 2021, p. 72.
  4. ^ a b c d e 大作晃一 2015, p. 119.
  5. ^ a b c d e f g h i j k 前川二太郎 編著 2021, p. 35.
  6. ^ a b 秋山弘之 2024, p. 82.
  7. ^ a b c 吹春俊光 2010, p. 101.
  8. ^ a b c 講談社 編『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社、2013年5月13日、215頁。ISBN 978-4-06-218342-0 
  9. ^ 大谷 幸代 「薬膳認識による新食品コンセプトの提案」 『開発工学』Vol. 15 (1996) No. 2 P 76-81

参考文献


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