コシツェ - プレシヴェツ線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:20 UTC 版)
「ズヴォレン - コシツェ線」の記事における「コシツェ - プレシヴェツ線」の解説
コシツェ - プレシヴェツ線(109 A、線区長84.026km)は、コシツェ県の県都コシツェ市から県南を横断し同県西部のプレシヴェツ市に至る線区である。チョプ - チエルナッチソウ - コシツェ線(101 A)とハニスカプリコシツィアフ鉄道駅を直結する短絡線クラースナナドホルナードム - バルツァ第四信号扱所線(109 C、線区長2.084km)が分岐している。全区間がコシツェ地域総局管内である。 コシツェ - ハニスカプリコシツィアフ間、ヒーム信号場 - チェチェノウツェ間、ドリエノヴェツ信号場 - トゥルニャナッボドヴォウ間、ドヴォルニキ=ザージエル信号場 - トゥネル信号場間、リプトウニク - ロジュニャヴァ間、スラヴェツヤスキニャ - ブルゾチーン間が複線化されている。 19世紀にハンガリー東部に鉄道網を運営したティサヴィデーキ鉄道会社ミシュコルツ - カッシャウ(コシツェ)鉄道線の一部(バルツァ - コシツェ間)および民間出資で同線バールツァ(スロバキア名・バルツァ)から分岐して建設されたバールツァ - トルナ(スロバキア名・トゥルニャナッポドヴォウ)鉄道と、第二次世界大戦後に南部スロバキアを横断する幹線構築のためチェコスロバキア国鉄(ČSD)によって建設された新線区間ロジュニャヴァ - トゥルニャナッポドヴォウ間、19世紀にゲメル産業鉄道として民間出資で着工したのち開業前に国有化したバーンレーヴェ - ドブシナ(スロバキア名・ドブシナー)鉄道線のプレシヴェツ以北を前身とする。 コシツェ方は東部スロバキア最大の企業で中欧最大の製鉄所USスチールコシツェ(U. S. Steel Košice、旧東スロバキア製鉄国営会社)への専用線が分岐するハニスカプリコシツィアフ鉄道駅以東が直流電化されており、ジリナ - コシツェ鉄道線経由でチェコから輸入される製鉄用粉炭などの重貨物列車が多数運行されているほか、コシツェ貨物駅およびバルツァ鉄道駅周辺には、複数の工場専用線や、コシツェ市の都市暖房用蒸気供給事業者、TEKOコシツェ暖房施設株式会社(Tepláreň Košice a.s./TEKO)への燃料供給用専用線が接続している。 またコシツェ - モルダヴァナッボドヴォウ間はコシツェへの近郊地域輸送が行われており、モルダヴァナッボドヴォウ市の市街地に面し路線バス等の他交通機関と連携した統合旅客輸送ターミナル(TIOP, Terminál integrovanej osobnej dopravy)として整備されたメジェウ - モルダヴァナッボドヴォウ線(111 D)モルダナッボドヴォウメスト停留場とコシツェ鉄道駅間で直通の旅客列車(Os)が運行されている。 スロバキアカルスト台地の一部でロジュニャヴァ盆地とコシツェ盆地を隔てているヤブロノウ台地(sk:Jasovská planina)を越える単線のヤブロノウトンネル(全長3148m)を挟んだロジュニャヴァ、プレシヴェツ方は、ハンガリー時代から石灰岩地形が生み出す峡谷群や鍾乳洞がある自然景勝地として知られ、現在はスロバキアカルスト国立公園(Národný park Slovenský kras)として世界自然遺産に登録されている。 セメント原料の石灰石産地として、セメントメーカーCRHスロバキア株式会社トゥルニャナッポドヴォウセメント工場が立地するウチェラーチェ採石場とトゥルニャナッポドヴォウ鉄道駅を結ぶUSスチールコシツェ運営の専用線や、ベルギーの大手鉱山会社カルムーズ(fr:Carmeuse)のセメント子会社カルムーズスロバキア工場が立地するゴンバセク採石場とスラヴェツヤスキニャ鉄道駅を結ぶ専用線が当線と接続しており、製品のセメント貨物列車が運行されている。 ロジュニャヴァ鉄道駅およびプレシヴェツ鉄道駅を起点とするゲメル地方3支線区(111 A ドブシナー - ロジュニャヴァ線、111 B プレシヴェツ - スラヴォショウツェ線、111 C プレシヴェツ - ムラーニュ線)をはじめとする沿線支線区では、定期旅客列車が運行休止されている一方、国有林の営林事業を行っているスロバキア共和国営林国有会社(LESY Slovenskej republiky, š.p.)の貯木場専用線や沿線工場などの複数の専用線が接続して当線を経由した原材料搬入や製品出荷の貨物列車が現在も運行されており、観光チャーター列車などの不定期列車が運行されることもある。 コシツェ貨物駅に隣接してコシツェ機関区があり、鉄道企業体スロバキア(ZSSK)コシツェ地域管理区(Oblastná správa depa Košice)および鉄道企業体カーゴスロバキア(ZSSK Cargo)コシツェ貨車検修区(Opravovňa nákladných vozňov Košice)が置かれている。またハニスカプリコシツィアフ鉄道駅場内にZSSKカーゴ・ハニスカプリコシツィアフ機関区貨車検修区(Rušňové depo a opravovňa nákladných vozňov Haniska pri Košiciach)、プレシヴェツ鉄道駅場内にZSSKカーゴ・プレシヴェツ機関区(Rušňové depo Plešivec)が置かれている。 コシツェ鉄道駅で停車中のコシツェ発プレシヴェツ行旅客Os6404列車(2008年) コシツェから当線ハニスカプリコシツィアフ鉄道駅まで乗り入れるジェトマロヴィツェ(チェコ)発ハニスカプリコシツィアフ行粉炭輸送貨物列車(ジリナ - コシツェ鉄道線レタノウツェ-スピシュスケートマーショウツェ間、2020年) 統合旅客輸送ターミナル(TIOP)として整備されたメジェウ - モルダヴァナッボドヴォウ線モルダナッボドヴォウメスト停留場に停車するズヴォレン - コシツェ鉄道線直通旅客列車(2020年) ロジュニャヴァ鉄道駅に到着するコシツェ発ブラチスラヴァ中央駅行高速R812列車「ゲメラン」(2020年) セメント原料の石灰石を産出するゴンバセク採石場を望むスラヴェツヤスキニャ鉄道駅に停車中の観光チャーター列車(2017年) セメント工場のカルムーズスロバキア工場専用線(2017年)
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