クリスマス休戦の真偽とは? わかりやすく解説

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クリスマス休戦の真偽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:16 UTC 版)

松永久秀」の記事における「クリスマス休戦の真偽」の解説

松永久秀が、三好三人衆らと争っていた永禄8年1565年)または永禄9年1566年)ごろ、日本最初に降誕祭クリスマス)を理由休戦命じた(あるいは応じた)というエピソード巷間広く伝えられているが、そのような事実を示す文書存在しない。この話の元となったのは、『フロイス日本史』の記述である。それによれば降誕祭になった時、折から堺の市(まち)には互いに敵対する二つ軍勢がおり、その中には大勢キリシタン武士見受けられた。ところでキリシタンたちは、自分達がどれほど仲が良く互いに愛し合っているかを異教徒たちによりよく示そうとして、司祭館は非常に小さかったので、そこの町内の人々に、住民会合所に宛てていた大広間賃借りしたいと申し出た。その部屋は、降誕祭ふさわしく飾られ聖夜には一同がそこに参集した。ここで彼らは告白しミサに与かり、説教聞き準備ができていた人々聖体拝領し正午には一同礼装し戻ってきた。そのなかには70名の武士がおり、互いに敵対する軍勢から来ていたにもかかわらずあたかも同一国守家臣あるかのように互いに大いなる愛情礼節をもって応援した。彼らは自分自身の家から多く料理持参させて互いに招き合ったが、すべては整然としており、清潔であって驚嘆値したその際給仕したのは、それらの武士の息子達で、デウスのことについて良き会話交えたり歌を歌ってその日午後通じて過ごした祭壇配置やそのすべての装飾をみようとしてやって来たこの市の異教徒群衆おびただしく、彼らはその中に侵入するため扉を壊さんばかり思われた。 とあって、これは単に、松永方に属する兵と三好三人衆方に属する兵のキリシタン70名が共に仲良くミサ行ってパーティー開いたという内容しかない。『堺市史』では、このフロイス記事永禄9年出来事として比定している。しかし久秀本人は、永禄9年1566年5月時点三好三人衆攻囲遭い、堺の街から敗走している。以後しばらくの間は完全に消息不明となり、この年クリスマス前後旧暦11月14日ごろ)も依然として潜伏逃亡中の状態が継続していたのである。彼が歴史表舞台に再び姿を表すのは、翌年永禄10年1567年2月16日における三好義継との再会を待たねばならないそもそも、久秀は日蓮宗本圀寺塔頭戒善院の大檀であった当時畿内日蓮宗法華宗)の教義からするとキリスト教のみならず他宗一般に対す彼の態度否定的なものであったことは容易に推定される。そして、こうした推定裏付ける傍証として、永禄8年1565年7月5日正親町天皇より三好義継宛てて下されたキリスト教宣教師洛外追放命ず女房奉書が、久秀自身による朝廷への要請と、彼と信仰同じくしていた公家竹内季治進言に応じて発せられたものであったという事実も近年の研究で明らかとなっている。 久秀本人永禄8年9年時点で「クリスマス休戦」なるものに関与したとの通説は、今のところ何ひとつ明確な証拠確認されていない話であると言うことできよう。なお、久秀の甥である内藤如安や、当時配下武将であった結城忠正高山友照などは永禄8年ごろには既にキリシタン改宗しており、彼らの率い軍勢中には多少キリシタン存在していた。よって、久秀がキリスト教排撃論者であったという事実は、フロイス日本史において記録されている“松永方の少数の兵による降誕祭ミサ参加”という逸話それ自体信憑性までをも妨げるものではない。

※この「クリスマス休戦の真偽」の解説は、「松永久秀」の解説の一部です。
「クリスマス休戦の真偽」を含む「松永久秀」の記事については、「松永久秀」の概要を参照ください。

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