キリスト教の巡礼とは? わかりやすく解説

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キリスト教の巡礼

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 13:10 UTC 版)

巡礼」の記事における「キリスト教の巡礼」の解説

キリスト教は、当初から殉教者出したが、その墓所詣で敬意を表する信者がいた。これをmartyrium マルティリウムと言うそうした場所は礼拝の場である教会堂並び教会(=キリスト教コミュニティ)にとって重要な場所となった4世紀キリスト教公認されると、キリスト教発祥の地であるパレスチナ、ことにイエス・キリスト生地であるベツレヘム受難の地であるエルサレム遺構参拝するために信者旅をするようになった。また各地殉教者記念堂も巡礼対象となったキリスト教における巡礼聖地への礼拝だけでなく、巡礼旅の過程重要視されている。すなわち聖地への旅過程において、人々は「神との繋がり」を再認識し信仰強化するのであるルイス・ブニュエル映画銀河』は(en:The Milky Way (1969 film)/fr:La Voie lactée (film, 1969))、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼を、「時間空間越え神の存在への問いかけ物語」として描いている。 地中海沿岸からヨーロッパ各地に諸聖人遺骨聖遺物または不朽体)または十字架ノアの箱舟の跡などの遺物祭ったとされる教会聖堂などが多数あり、そのような地への巡礼が行われた。巡礼多く旅人集めた(『カンタベリー物語』など)。もっとも有名なものには、エレナ発見したとされる十字架遺物アルメニア王アブガルス3世en贈られエデッサen:Edessa)からコンスタンティノポリスもたらされ自印聖像(マンドリオン、手で描かれたのではない聖像)、コンスタンティノポリス聖母マリアの衣、洗礼者ヨハネの首などがある。これらの宝物中世後期失われたまた、巡礼者惹きつけるために他の教会から聖遺物盗んできたり、偽造するということもあったとされる。また西方では、中世中期からミラノキリスト聖骸布聖杯聖杯伝説騎士道物語生み出す元になった)などの伝承生まれた古代後期から、殉教者遺骨によって奇跡がおき、参拝した巡礼者中に病気治癒した歩けなかった足が動くようになったなどの事例報告されるようになったこうした奇跡起こったということから巡礼者が集まるようになったというものも多い。たとえばピレネー山中ルルドや、カトリック三大巡礼地1つサンティアゴ・デ・コンポステーラなどである。麦角病(四肢壊疽したり、精神錯乱を招く)は「巡礼赴くことで癒える」とされた こうした巡礼の旅で病に倒れた人、宿を求める人を宿泊させた巡礼教会、その小さなものを「hospice ホスピス」と呼んだが、そこでのもてなしから「hospitality ホスピタリティ歓待)」の語がうまれ、病人看護などの仕事をする部門教会中に作られるようになって今日の英語でいう「hospital ホスピタル」が派生した。ゆえに「hospital ホスピタル」は、「病院」だけではなく、「老人ホーム」「孤児院の意味も持つ。またhospiceは、現代では終末期患者残りの時を過ごす近代的なホスピス」の語源となっている。 カトリック西方教会)の三大巡礼地 カトリック三大巡礼地は、ローマサンピエトロ大聖堂(=聖ペトロが眠る場所)、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(=9世紀羊飼いが聖ヤコブの墓を見つけとされる場所)、そしてエルサレムともされる。 オルトドクス(正教会東方教会)の巡礼地 正教会巡礼地としては、アヤ・ソフィア大聖堂(=かつてのビザンティン帝国首都コンスタンティノープル、つまり現在のイスタンブールにある大聖堂)、アトス山(=東方正教一大中心地)、聖カタリナ修道院(=モーセ十戒授けられとされるシナイ山にある修道院)、エルサレムなどが挙げられる。またロシア内、ロシア正教会に限ると、至聖三者聖セルギイ大修道院(=ラドネジの聖セルギイ不朽体のある場所)なども挙げられるプロテスタント巡礼対す態度 宗教改革後プロテスタントは、巡礼に対して(も)冷淡な態度とっている。

※この「キリスト教の巡礼」の解説は、「巡礼」の解説の一部です。
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