聖地への旅とは? わかりやすく解説

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聖地への旅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/18 17:24 UTC 版)

聖地への旅
マイケル・ブレッカースタジオ・アルバム
リリース
録音 2006年8月 ニューヨーク ライト・トラック[2]
ジャンル ジャズ
時間
レーベル ヘッズ・アップ・インターナショナル
エマーシー・レコード/WAレコード
プロデュース マイケル・ブレッカー、ギル・ゴールドスタインスティーヴ・ロドビーパット・メセニー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 38位(イタリア[3]
  • 41位(日本[4]
  • 132位(フランス[5]
  • マイケル・ブレッカー アルバム 年表
    ワイド・アングルズ
    (2003年)
    聖地への旅
    (2007年)
    テンプレートを表示

    聖地への旅』(せいちへのたび、原題:Pilgrimage)は、アメリカ合衆国ジャズサクソフォーン奏者、マイケル・ブレッカーが2006年8月に録音したスタジオ・アルバム。ブレッカーは2007年1月13日に57歳で死去しており、4か月後に遺作として発売された[6]

    背景

    ブレッカーは骨髄異形成症候群によって健康状態が悪化し、2005年に活動を停止した[6]。しかし、2006年には小康状態となり、JVCジャズ・フェスティバルでハービー・ハンコックのステージにゲスト参加した後、同年8月にハンコック、パット・メセニーブラッド・メルドージョン・パティトゥッチジャック・ディジョネットと共に本作を録音した[6]

    全曲ともブレッカーのオリジナル曲で、過去のツアーでも演奏されていた「ルース・スレッズ」以外は、いずれも闘病中に作られた新曲である[7]。「ホエン・キャン・アイ・キス・ユー・アゲイン?」のタイトルは、家族すら接触が禁止されていた時期に、ブレッカーの息子が「いつになったらまたキスできるの?」と問いかけたエピソードに由来している[2][7]

    ブレッカーが存命だった時点で、サイドマンとして参加した面々により本作のレコーディングの事実が公言されており、パット・メセニーは2006年9月に「まさにマイクの新時代の夜明けを告げる、啓示のような作品だ」、ハービー・ハンコックは同年12月に「マイケルの新作が、ほぼ完成した」「マイケルは確かに、今弱っている。でもアルバムではそんな状態は微塵も感じさせない、まさしく入魂の一作だ」とコメントしている[7]

    反響

    母国アメリカでは、総合アルバム・チャートのBillboard 200入りは果たせなかったが、『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートでは3位、インディペンデント・アルバム・チャートでは27位に達した[8]。イタリアのアルバム・チャートでは38位に達し、『ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック』(2001年)以来6年ぶりに、同国におけるアルバム・チャート入りを果たした[3]。日本のオリコンチャートでは8週トップ300入りし、2007年5月28日に最高41位を記録した[4]

    評価

    第50回グラミー賞では、本作が最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞し、収録曲「アナグラム」は最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞を受賞した[9]

    C・マイケル・ベイリーはAll About Jazzにおいて満点の5点を付け「作曲に関しては、彼のキャリアの中でも最高」「ブレッカーとメセニーは全編を通じて、ビル・エヴァンススコット・ラファロのコンビに匹敵するほど感情的に一体化しており、さらに両名は、ハンコックとメルドーの印象主義的なピアノに鼓舞されている」と評している[10]。リック・アンダーソンはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ブレッカーは、音楽による自分の墓碑銘となり得る、情感豊かで驚くほど力強いストレート・アヘッド・モダン・ジャズのアルバムを生み出し、彼のことを単なるジャズ・ポップ系のフュージョン・ミュージシャンと切り捨てようとしてきた連中の鼻を明かしてみせた」と評している[2]。ジェフリー・ハイムズは『ジャズタイムズ (JazzTimes)』誌において「ブレッカーの音色は、全盛期の逞しさを失っている。一方、フレージングはこれまでになく先鋭的で、作曲家として見れば、このCDには彼の最高傑作と言える曲も幾つか含まれている」と評している[6]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「甘さを排した楽曲はすべて自作」「コンテンポラリー・ジャズ界の今を切り取る、真摯な内容」と評されている[11]

    トラック・リスト

    全曲ともマイケル・ブレッカー作曲。

    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「ザ・ミーン・タイム - The Mean Time」  
    2.「ファイヴ・マンツ・フロム・ミッドナイト - Five Months from Midnight」  
    3.「アナグラム - Anagram」  
    4.「タンブルウィード - Tumbleweed」  
    5.「ホエン・キャン・アイ・キス・ユー・アゲイン? - When Can I Kiss You Again?」  
    6.「カーディナル・ルール - Cardinal Rule」  
    7.「ハーフ・ムーン・レーン - Half Moon Lane」  
    8.「ルース・スレッズ - Loose Threads」  
    9.「聖地への旅 - Pilgrimage」  

    パーソネル

    脚注

    1. ^ a b c マイケル・ブレッカーの遺作がリリースに”. CDJournal. 音楽出版社 (2007年4月11日). 2020年5月16日閲覧。
    2. ^ a b c Anderson, Rick. “Pilgrimage - Michael Brecker”. AllMusic. 2020年5月16日閲覧。
    3. ^ a b italiancharts.com - Michael Brecker - Pilgrimage
    4. ^ a b 聖地への旅 - マイケル・ブレッカー”. オリコン. 2020年5月16日閲覧。
    5. ^ lescharts.com - Michael Brecker - Pilgrimage
    6. ^ a b c d Himes, Geoffrey (2007年6月1日). “Michael Brecker: Pilgrimage”. JazzTimes. 2020年5月16日閲覧。
    7. ^ a b c 日本盤CD (UCCM-1116)ライナーノーツ(中川ヨウ、2007年3月)
    8. ^ Michael Brecker - Awards”. AllMusic. 2016年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月16日閲覧。
    9. ^ Michael Brecker - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2020年5月16日閲覧。
    10. ^ Bailey, C. Michael (2007年5月24日). “Michael Brecker: Pilgrimage”. All About Jazz. 2020年5月16日閲覧。
    11. ^ マイケル・ブレッカー/聖地への旅”. CDJournal. 音楽出版社. 2020年5月16日閲覧。

    「聖地への旅」の例文・使い方・用例・文例

    • 聖地への旅行
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