アーキネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 16:03 UTC 版)
「コーポラティブハウス」の記事における「アーキネット」の解説
社名 archinet は、architecture(建築)とinternet(インターネット)とを合成した造語。「建築家と一緒にいい空間と街並みを作りたいという思い」から、1995年に設立された。 2001年に最初の竣工案件、以来2016年末までに、主に東京圏に展開して累計106棟 830戸の実績をもつ。 設計監理はすべて独立の建築設計事務所が手がけ、アーキネットはプロデュースに専念する。担当する建築設計事務所は、北山恒+architectureWORKSHOP、TAOアーキテクツ、d/dt、千葉学建築計画事務所、IKDS、山嵜雅雄建築研究室、ネオタイド建築計画、山本圭介+堀啓二/山本・堀アーキテクツ、高階澄人建築事務所、スタジオ・アルテック、小嶋一浩・赤松佳珠子/シーラカンス・アンド・アソシエイツ、早川邦彦建築研究室、コンテンポラリーズ、竹山実建築綜合事務所、西森事務所、佐藤光彦建築設計事務所、駒田建築設計事務所、セルスペース、川辺直哉建築設計事務所、手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所、田井幹夫建築設計事務所、塚田眞樹子建築設計、buildinglandscape、若松均建築設計事務所ほか。 「建築家とともに」「優れた経済性」「ほど良い建築規模」を、同社の重視する3つのコンセプトとしている。 代表取締役の織山和久は、「建築家の提案する空間をホームページでそのまま伝え、実現しようとした」「空間的に豊かで居心地の良さを感じられる点が最大の魅力」と語っている。物件を手がけた建築家の後藤泰夫は「たとえば私がやった桜新町の物件では、スケルトン自体に階段から光が入ってくる、風が抜けていくというコンセプチュアルな構成があるわけですが、各戸の個性的な住まい方がからむ」と説明している。経済性に関しては「プロジェクトを立ち上げるに先立って入居者が決まって入れば、売れ残りの在庫リスクやそれを解消するための営業費や広告費がかかりません。さらに・・・かかった費用はまったくのガラス張りで、ほとんど原価のまま住宅を取得できる」と話す。同社の建物規模は4-10戸以下と小規模だが「これは人の身体感覚や町並みのスケールに合わせたほどほどの大きさをめざしたからで、地面からあまりはなれず街の気配を感じながら、おとなの近所づきあいができる」との考え方を示している。 事業手法としては、同社ホームページでは「外枠(各住戸の配置等を含む全体設計)と中身(内装等)を分けて考える方式で、余分な時間や労力を極力省くようにしています。外枠は、建築家が基本構想をベースにして一括提案することにより、お互いの住まい手の意見調整も最小限に留められ、全体での打合せは出来上がりまでに5 - 10回程度です」としている。同社のプロデュース業務は、土地探しから建築家への依頼、予算も含めた基本計画案の作成、近隣住民との交渉まで行い、その事業内容は多岐にわたる。 設計手法については、建築家の北山恒は「これには2段階の流れがあります。最初は、僕たちプロでないと分からない空間の切り取り方があって、法的な問題や光や風の取り入れ方など、いかに合理的にスケルトンを設計できるかという段階。そして次は、購入された方に参加していただく段階です。みなさんすごくアイディアを持っていらっしゃるので、それをなるべく生かすために、私からは意図的に、アイディアを押し付けないようにしています」と説明している。 入居後のコニュニティについては、「私たちの家族は、子供がおりますので、ご迷惑になることも多いと思うのですが、お互い顔を知っているだけに、優しく見守ってくださっている。本当にありがたいです」「なんとなく知っている方たちが住んでいるという安心感がありますね」とコメントがある。 「SLIDE西荻」が2010年度arcasia建築賞推薦作品、日本建築家協会優秀建築選100選に選出。「小日向の集合住宅」にて2011年度、「コマツナギテラス」にて2012年度グッドデザイン賞受賞。「NOIE」がイタリアのBarbara Cappochin International Prize Honourable Mention 2015を受賞。「コーポラティブガーデン」が2016年度日本建築家協会優秀建築選100選に選出。「balco」が日本建築学会作品選集2017に掲載。「代々木ハウス」が、平成29年 日本建築士会連合会賞奨励賞を受賞。「荻窪ロウハウス」「緑ヶ丘のコーポラティブハウス」が日本建築学会作品選集2018に掲載。「緑ヶ丘のコーポラティブハウス」が2018年度日本建築学会作品選奨を受賞。 同社のコーポラティブ方式自体について、2014年に『アーキネット方式』としてグッドデザイン賞を受賞。2017年には、『都市型居住の新たな類型としての低層コーポラティブハウス群』として、都市住宅学会業績賞を受賞。
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