アカファの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:48 UTC 版)
ガンサ=ヴァン 声 - 浅科准平 / 堤真一 本作の主人公。トガ山地のガンサ氏族の出。ピュイカ(飛鹿)を操り、故郷を守るために戦う「独角(どっかく)」という集団の頭。〈キンマの犬(黒狼熱を持つ犬)〉に噛まれながらも生き延びたことで様々な感覚が鋭くなり、〈キンマの犬〉を操れるようになるなどの変容を起こす。 戦いに敗れアカファ岩塩鉱で奴隷として働かされていたが、〈キンマの犬〉の群れが岩塩鉱を襲撃した際に噛まれつつも生き延びたヴァン以外の全員が死亡したことを契機に岩塩鉱からの逃亡を決意する。 同じく〈キンマの犬〉の群れの襲撃を受けていた岩塩鉱の外の建物で、噛まれながらも母親と思われる女に庇われて生き延びていた1-2歳の女の子を拾い、ユナと名付けた。 ユナと共にカザンを目指そうとする道中、岩塩鉱に向かう犬の群れをやり過ごした際に怪我をして動けなくなっていたトマと出会い、ピュイカの飼育に難儀しているというトマの誘いで彼の居住地であるオキ地方の盆地へと向かい、トマの氏族らと生活を共にするようになる。そこでピュイカの飼育法を指導するなどしながら冬を越し、健やかに育つユナと共に一時の平穏な生活を送る。翌年の冬に再度〈キンマの犬〉の群れと対峙するが、“自分がふたつに分かれた”感覚に衝き動かされるままこれを撃退し、それをきっかけに〈谺主(こだまぬし)〉に呼ばれてユナと共にヨミダの森へ赴く。辿り着いた岩屋をナッカという男に案内され、疲れを癒すために訪れた湯場で跡追いの女サエと会う。〈谺主〉スオッルと話し、犬の群れを撃退した際の”自分がふたつに分かれた“感覚が「裏返し(オッファ)」というものだと知る。その後、何者かの手により岩屋に侵入してきた〈キンマの犬〉の群れと対峙し、矢傷を負いながらもこれを追い払うが、その隙にナッカによりユナを連れ去られる。サエの助力もありナッカの足跡を追うが矢毒で倒れ、サエの介抱を受けつつサエがアカファ王の命で自分を追ってきた跡追いであると知るが、結局サエはヴァンを捕らえないまま姿を消す。疑心を抱きつつ、ヴァンを導くように残されたナッカの足跡と、それを追うように残されたサエの足跡を辿った先で〈火馬の民〉とその族長オーファンと出会う。そして彼に言われるがまま連れられた先にて義兄と再会し、オーファンの父である〈犬の王〉ケノイと会い、氏族が辿ってきた苦難を夢として見せられたことで一時はケノイの思いに同調する。半月ほどオーファンらと過ごし、ケノイに導かれるままケノイと共に〈キンマの犬〉と同化してムコニア軍を撃退するが、その後に東乎瑠軍をも攻撃しようとするケノイに離反。同じタイミングでケノイに矢を放った末に捕らえられ、殺されそうになったサエを助けて逃げ出す。サエの助力を得てナッカを追って見つけ、ユナの元に案内させたところでホッサルと出会う。ホッサルから黒狼熱のことを聞き、カザンの医院に赴きホッサルと再び会い協力することを約束し、サエ、ユナとオキに帰る旅をした。その後、約束通りカザンの医院でホッサルと再会した際にシカンの企みに気付き、姿を消したシカンを追ったが見つけられなかった。「玉眼来訪」という祭典で賑わうカザンの街をオーファンと〈キンマの犬〉を装った猟犬が襲撃したが、サエらと共にそれらを抑えるが傷を負う。その後、消えたシカンの狙いに気付き、自分が〈キンマの犬〉を率いて人の手の届かない領域に行けば黒狼熱を抑える事が出来ると考え、全てを捨てる覚悟をして〈キンマの犬〉をそれを率いた黒狼を連れて人の手の届かない森の奥へと消えていった。 ユナ 声 - 松崎優香 / 木村日翠 岩塩鉱でヴァンが拾った元気のいい幼子。ヴァンと同様に〈キンマの犬〉に噛まれ生き延びたことで変容しており、アッシミが光って見え、ヴァンがどこにいても見つけられる。 岩塩鉱をヴァンと共に抜け出しオキ地方の盆地でしばらくトマの氏族らと生活を共にして健やかに育ち、その後向かったヨミダの森でナッカに攫われる。ナッカの手によりユナの叔母の元に届けられ面倒を見てもらっていたが全く懐かずに手を焼かせていたところでホッサル一行と出会う。その後、ホッサルや黒狼熱を宿したダニに噛まれたことで発症したミラルらと共に岩牢に入れられていたところで、ナッカに案内されたヴァンと再会する。その後はヴァンやサエと行動を共にし、オキのトマの氏族らとも再会する。最後はサエ、トマ、智陀と共にピュイカに乗って、〈キンマの犬〉らを連れて森の奥に消えたヴァンを追った。 トマ 怪我をして動けなかったところをヴァンに助けられた青年。ヴァンとユナを居住地であるオキ地方へと誘い、氏族の暮らしに迎え入れる。ヴァンにピュイカの世話や乗り方を教わり、「玉眼来訪」に出場する。最後はユナの案内で消えたヴァンを追い、森の奥へと向かう。 オーファン ヴァンが導かれた先で出会った〈火馬の民〉の族長。東乎瑠の民のみを殺す黒狼熱を宿した〈キンマの犬〉を「神の使い」と信仰している。故郷である「ユカタの野」へ帰る事を目的としており、そのためにヴァンを必要とし、ヴァンを義兄に会わせた。しかしヴァンが裏切り、ケノイが亡くなり、もはや手がなくなってもなお戦うことをやめずにシカンと手を組む。「玉眼来訪」を襲撃してヴァンを殺そうとした際に、サエにの矢に射られ命を落とすが、ヴァンに手傷を負わせる。 ケノイ 〈火馬の民〉の元族長、犬の王。東乎瑠と戦う〈キンマの犬〉を率いていたがその最中命を落とす。 スオッル 声 - 佐藤充 / ― 〈谺主〉。ワタリガラスに魂を乗せて飛ぶヨミダの森に住む老人。ヴァンに裏返りや黒狼熱についての助言をする。 トゥーリム 声 - ― / 安原義人 アカファ王の懐刀。犬を使い東乎瑠、ムコニアからの解放を画策する。ホッサルに黒狼熱の特効薬を作るように頼み込む。 サエ 声 - ― / 杏 跡追い狩人マルジの娘。アカファ王とホッサルからヴァンの跡追いを命じられる。跡追いの最中、同行していたマコウカンとはぐれて怪我を負い、助けてくれたオキの民に〈谺主〉のもとへ連れて行かれ、それ以来、湯治のためにたびたびヨミダの森へ足を運ぶ。オキで過ごすヴァンのことも見つけており、気付かれぬよう距離をとって監視を続ける。ヴァンが〈谺主〉に呼ばれた際はヨミダの森に先回りをして、湯場でヴァンと接触する。その後は襲撃者の矢毒に倒れたヴァンを助け、ユナの元へと続く手がかりを残す。オーファンら〈火馬の民〉とムコニア、東乎瑠の戦いの際、ケノイに矢を放ってオーファンに殺されそうになったところを間一髪ヴァンに助けられる。その後はヴァンにことの次第を打ち明け、ユナを攫ったナッカを追う手助けをする。いつしかヴァンとは互いに想い合うようになり、最後は森の奥に消えたヴァンを追った。 シカン 声 - ― / 日野聡 トマソルの助手。〈火馬の民〉の出身。肉親を惨殺された過去を持つ。トマソルの助手をしながらリムエッルの指示で〈キンマの犬〉を率いることのできる黒狼を育てる。ケノイの死後オーファンと手を組み玉眼来訪を襲撃するも失敗、その後は黒狼と〈キンマの犬〉を使って〈玉眼〉を襲撃すると見せかけて自分を裏切ったマルジら〈モルフォ〉を襲撃する。最後はマルジの息子たちに殺されたが、その際に黒狼に〈キンマの犬〉を野に放つ指示を遺す。
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