黒狼熱について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:48 UTC 版)
元々の黒狼熱 病素はアカファ王国やその近辺に生息するダニが持っており、飛鹿、火馬、トナカイなどは生息地に生える地衣類を食べていたことから、体内に黒狼熱への免疫を持っていた。また、アカファ王国民や各山地民は飛鹿、火馬、トナカイなどの乳製品を普段から口にしていたことから、黒狼熱への免疫をもっていた。オタワル王国にはそのダニが生息しておらず、東乎瑠帝国は宗教上の理由で乳製品を口にしないため、免疫を持っていなかった。 東乎瑠帝国の侵略と毒麦事件 東乎瑠人の入植により、各地で東乎瑠人が口にする黒麦が栽培され始めた。東乎瑠人が持ち込んだ黒麦と、古くからその土地で〈火馬の民〉が栽培しているアカファ麦が自然交配された結果、新しいアカファ麦は毒穂がつきやすい毒麦となった。毒麦とは知らずに毒麦を食べた火馬が死んだうえ、これが毒麦事件に発展するが、その中には毒麦を食べても死なない火馬や羊がいた。 〈火馬の民〉の風習と〈キンマの犬〉 山犬と黒狼をつがわせ、半仔である〈キンマの犬〉が生まれた。〈火馬の民〉は火馬や羊が病んで死んだとき、塚に埋めてその肉を掘り出して母犬に食べさせる(獣の体内に生じた抗体や病素を接種させ、強い子犬を産ませるため)。火馬は黒狼熱への免疫を持っており、その肉を食べた母犬から産まれた子犬もまた免疫を持っている。毒麦を食べても死ななかった火馬や羊が他の病で死んだときも同様に母犬に食べさせ、このときに生まれた子犬は黒狼熱と免疫、毒麦の毒と免疫の両方を得た。また、この子犬は賢く育ちが早く、新しい〈キンマの犬〉となった。 アカファ人の食生活の変化 東乎瑠帝国の入植によってトナカイの乳を入手しにくくなった結果、アカファ人の黒狼熱への免疫が薄くなってきている。 新しい黒狼熱 新しい〈キンマの犬〉によって元々の黒狼熱と毒麦の毒が合わさり、新しい黒狼熱が生まれた。元々免疫をもっていたヴァンたちに変化が訪れたのは、新しい黒狼熱による影響である。アカファ人は黒狼熱に罹らないはずであったが、免疫が弱まり黒狼熱も強力化したことから、アカファ人にも感染するようになった。
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