たんぽぽの花言葉
たんぽぽの花言葉の由来
(1)西洋の占いが元になっている「愛の信託」「信託」たんぽぽの代表的な花言葉は、「愛の信託」である。そして、それは西洋の占い文化が由来となっている。西洋では古くから、たんぽぽの綿毛を息で吹き飛ばすという恋占いがあった。その恋占いは、たんぽぽの綿毛をひと息で全て吹き飛ばすことができれば、相手から愛されるという結果が得られる。しかし、綿毛がほんの少しでも残ってしまえば、相手の心が離れてしまう恐れがあるという結果となる。もし、綿毛が大量に残ってしまった場合は、相手から愛されるどころか、相手にとって恋愛の候補にもなれない無関心の対象という結果で終わる。
ひと息でたんぽぽの綿毛を全て吹き飛ばせるかどうかは、個人の息の強さや肺活量にも影響されるが、選んだたんぽぽ次第では、綿毛の根が強ければ、残ってしまう場合がある。そのため、たんぽぽを使用した恋占いで良い結果が出るかどうかは、どのたんぽぽを選ぶのかという運の要素が大きい。
また、息で吹き飛ばすのではなく、綿毛を1本ずつ抜いていく形の恋占いもある。日本で一般的に知られている花占いを、たんぽぽの綿毛で行う形の占いである。大量の綿毛を1本ずつ抜いていくが、1本抜くごとに「好き」と「嫌い」を交互に言っていく。そして、最後の1本を抜いた時の言葉が「好き」であれば相手から愛され、「嫌い」であれば愛されることはないという結果となる。たんぽぽの綿毛は数えきれないほどあるため、どのような結果になるのかはわからず、息で綿毛を吹き飛ばす場合と同じように運次第である。そのような恋占いが元で、たんぽぽの花占い「愛の信託」が生まれた。意中の相手と恋仲になれるかどうかは、神のみぞ知るというわけである。
さらに、恋占いに使用されていたという経緯から、たんぽぽの花言葉には占い全般を指す「信託」も追加された。たんぽぽは基本的に、恋愛に関する占いにしか使用しない。しかし、結果を神に委ねる点は他の占いと同じであったため、恋占いに関する「愛の信託」だけでなく、他の占いも含めた「信託」という花言葉も併せ持つようになった形である。
(2)「幸福」の由来には2つの説がある
たんぽぽには「幸福」という花言葉があるが、その由来には2つの説がある。ひとつは「愛の信託」と同様に恋占いに関するもので、恋占いの結果が良かったことが、幸福をもたらすからという説である。そして、もうひとつは、咲き誇る美しいたんぽぽを目にした時に、幸福を感じられるからという説だ。
(3)「真心の愛」は太陽に向かうたんぽぽの姿が由来
たんぽぽは、茎が曲がることなく、太陽に向かって真っすぐ伸びるという性質を持つ。その様子から、「真心の愛」という花言葉が定着した。他のものに目もくれず、魅力的だと感じた相手にひたすら愛情を注ぐという表現である。
(4)綿毛が遠くに飛んでいってしまう様子が由来となった「別離」
たんぽぽは、春が終わりに近づくと、黄色い花が綿毛となる。そして、遠い地で花を咲かせるために、綿毛が風に乗って遠くに運ばれる。その綿毛が遠くに飛んでいってしまう様子から、「別離」という花言葉が生まれた。「別離」には、たんぽぽが生えていた場所で暮らす人と飛んでいく綿毛との別れ、飛んでいく綿毛同士の別れという、2つの意味が含まれている。
(5)花が綿毛に変わる日が明確でないため「思わせぶり」という花言葉が生まれた
たんぽぽは、春の終わりに黄色い花が綿毛へと変わるが、その具体的な日は決まってはいない。あくまでも春の終わりごろという漠然とした範囲であり、気付いた時には花が綿毛になっていたということは珍しくない。さらに、花が綿毛に変わってからも、その綿毛がいつ飛ぶのかは明らかではない。強い風が吹けば早い段階で綿毛がなくなるが、無風状態が続くと長い間残り続ける。その上、春が終わってからも、ひっそりと綿毛のたんぽぽが残っているという場合もある。そのような、いつ花が綿毛になるのか、いつ綿毛が飛んでいくのかがはっきりしない様子から、「思わせぶり」という花言葉が生まれた。
たんぽぽの花言葉を英語で表現すると
たんぽぽの花言葉を英語で表現すると、「love's oracle(愛の信託)」「oracle(信託)」「happiness(幸福)」「sincere love(真心の愛)」「separation(別離)」「teasing(思わせぶり)」となる。英語圏ではこれに加えて独自の花言葉がある場合がある。
たんぽぽの色別の花言葉の解説
黄色のたんぽぽの花言葉は、たんぽぽ全般の花言葉と同じ「愛の信託」「信託」「幸福」「真心の愛」「別離」「思わせぶり」である。そして、白いたんぽぽには、「私を探して」「私を見つけて」という花言葉がある。日本でたんぽぽといえば黄色が定番であり、白いたんぽぽを見かけることは非常に少ない。そのため、見つけにくいことから、「私を探して」「私を見つけて」という、見つけてほしいという意味合いの表現が花言葉となった。また、たんぽぽの花が綿毛になると、白い見た目になる。その、綿毛で白くなっている時限定の花言葉に、「誠実」がある。白という色が、心が穢れていない様子を表す花言葉だ。やましいことがなく、きれいで誠実な心を、綿毛で白くなったたんぽぽに例えた形である。
たんぽぽには、コウリンタンポポというオレンジ色の品種が存在する。そのオレンジ色のたんぽぽの花言葉は、「目力」「目ざとい」である。コウリンタンポポは英語名が「orange hawkweed」であり、鷹を意味する単語「hawk」が入っている。そして、コウリンタンポポの花は、鷹の目のような見た目をしている。そのことから、目つきの鋭い鷹になぞらえて、「目力」「目ざとい」という言葉が花言葉となった。
さらに、ピンク色のモモイロタンポポという品種も存在し、花言葉は「温かみのある心」だ。その花言葉は、色がそのまま由来となっている。ピンクが赤系統の暖色であり、血色の良さをイメージさせるということで、人が持つ「温かみのある心」が花言葉となった形である。
たんぽぽの本数別の花言葉の解説
たんぽぽは、本数によって花言葉の意味が変わることはない。全ての花言葉は、原則として1輪のたんぽぽに関する内容である。たんぽぽの怖い花言葉
たんぽぽの全般的な花言葉のひとつである「別離」は、捉え方次第では怖い意味となる。一般的に「別離」という言葉は、ただ別れて距離を置くという意味でも使用される。しかし、たんぽぽの花言葉としての「別離」は、命が尽きるまで再会することがないという意味合いを含んでいる。したがって、再会することが考えられないほど、酷い争いをした末の決別や、自身の死期を悟った別れなど、怖い意味での別れを表すことが多い。また、アメリカには、「別離」に関する怖い物語がある。たんぽぽが化けた少女と、南風を取り上げた創作の物語である。南風はたんぽぽと同じ黄色い髪をした少女に一目惚れをするが、怠け癖があったため、少女に声をかけることなく、ただ眺めるだけの毎日を過ごしていた。そうする内に時間が経過し、少女は老婆となり、髪の色は黄色から綿毛を思わせる白に変わってしまっていた。そのことに衝撃を受けた南風は、大きなため息をつくが、そのため息によって、老婆の髪である綿毛が飛ばされてしまう。そうして、かつて少女だった老婆の姿は消えてしまったという物語だ。
結局少女と南風が特に接点を持たないまま、永遠の別れとなった。その物語から、たんぽぽの花言葉である「別離」は、怖い意味合いが含まれているというイメージを持たれやすい。物語には、南風が怠けていたことによって、少女と仲良くなるきっかけを得られず手遅れになってしまったり、南風が少女の本質に気付かず、最終的に消滅するきっかけを与えてしまったりするなど、色々な怖さが含まれている。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
- たんぽぽの花言葉のページへのリンク