その他の疾病・負傷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:59 UTC 版)
筋肉痛、筋炎 - 馬の筋肉痛・筋炎のことをコズミという。重度になると跛行の症状を示したり、筋肉が痙攣するような感覚に襲われ、動けなくなってしまう(スクミ)。 疝痛 - 俗に腹痛とよばれるものである。原因は様々であり、主として胃や腸など消化器系の内臓異常・疾病で発生する。代表的な疾患としては過食疝、便秘疝、風気疝、寄生疝、痙攣疝、血栓疝、変位疝などがある。馬は一度食べたものを嘔吐できない身体的構造を伴うので、胃腸に食物・消化物がつまりやすい。その結果、胃破裂などを引き起こす(ナリタブライアンがこの例)。また腸ねん転の場合、非常に危険であるので開腹手術など早急な措置が求められる。また、馬がくっさく・グイッポ(馬房にある馬栓棒などを噛んでしまうクセ。空気を飲み込んでしまうので止めるよう調教される)などをしてしまって空気を飲むことでも発生する。馬はデリケートであるため、緊張のあまりひきおこすこともあるようである(ダイワメジャー)。 心房細動 鼻出血 - 鼻血。主に1.運動誘発性出血2.鼻粘膜からの出血3.喉嚢からの出血に分けられる。1であれば両側の鼻孔より出血する。強度の運動による血圧の上昇が原因。2は通常片方からの出血。顔面打撲や鼻腔への異物の混入、鼻炎などによる鼻粘膜の脆弱化による出血。3は喉嚢で増殖した真菌により動脈が傷つけられて出血する。大量出血になりやすく、致死性の高い疾患である。 熱発 - 馬の平熱は38度ほどだが、発熱をした状態をいう。疲労や輸送などによって引き起こされる。まれに逆体温と呼ばれ朝昼の体温が逆になり(昼の体温が下がる)調整困難となる馬が存在する。競走生活時代のフサイチコンコルドがこの症例であった。 喘鳴症 - 運動中の異常呼吸音を発する症状。気管入り口の軟骨を開く筋肉の神経麻痺や呼吸器の感染症などにより気道が狭くなることによる。主に左側軟骨にて発症。のどなりとも言う。 フレグモーネ - 小さな傷口や毛根部から細菌が侵入し発症する化膿症をいう。皮下組織が化膿して腫れあがり発熱して痛みを伴うので薬物投与の上、安静にしなければならない。寝藁の交換を怠る、もしくは調教運動後の馬体を洗った後よく乾燥させないことで感染の危険性が増すと言われている。 輸送熱 - 長時間の輸送や疲労時の輸送により発症する病気。症状は感冒と同様で疲労・体温の上昇が起き、重症例では肺炎に移行することもある。 馬パラチフス 馬鼻肺炎 馬伝染性貧血 - ウイルス感染によって発症する貧血症。ウイルスの特性上ワクチンが作れないため治療法が存在せず、陽性馬は感染拡大防止という防疫上の観点から摘発淘汰(殺処分)する規定になっていることから、馬にとっては致命的な疾病の一つ。現在の日本は清浄国で、この病気は存在しないが、過去には競馬場厩舎地区での集団感染により競走馬の大量殺処分などの事態が発生したことがある。 馬インフルエンザ
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