その他のハーロック
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『冒険記』でのキャプテン・キングストン誕生後、後の諸作品においてあるときはドイツ軍の軍人、またあるときは少年ブック1968年11月号掲載の『光速エスパー』では悪役ドクトル・ハーロックと様々な姿で登場しデザインや容姿もそれぞれに異なっていた。商業誌での初登場作品『冬眠惑星』(1968年)では宇宙船オルバースの乗員ファントム・ハーロックという名で登場し、日本人という設定で顔に傷や眼帯はない。翌1969年の『パイロット262』ではワルター・フォン・ハーロックという名のドイツ空軍大尉で登場し、Me262乗りという設定でこの作品でも顔に傷や眼帯はなかった。現在の「左頬に刀傷、右目には眼帯」というイメージが定着したのは『ダイバー0』(1975-1976年、少年サンデー増刊号掲載)と、1974年放送のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』準備稿でのデザインからである。なお、トチローと親友同士という設定は、1972年の西部劇漫画『ガンフロンティア』からである。 ヤマト準備稿において、行方不明となった古代守が「ハーロック」を名乗り、ヤマトをサポートするという予定だったが、放送短縮によりこの企画は幻となっている。松本による漫画版では全身黒ずくめで頭からマントをかぶって顔を隠し、半ばサイボーグ化した人物がハーロックとして登場する。その正体は作中では明言されていないが、沖田十三と互いに知己であるとおぼしき描写や、古代進は「兄である守ではないか?」と推測している場面がある。松本以外にひおあきらによる漫画版や石津嵐による小説版にもハーロックは登場している。 ひお版ではアニメ用におこされた眼帯と傷がある本来のハーロックに近いデザインが使用されており、松本零士の『宇宙戦艦ヤマト』関連の裁判後は、「本作品中に登場するキャプテンハーロックは、松本零士著作物『宇宙海賊キャプテンハーロック』からの特別友情出演です」との断り書きが巻末についている。 ハーロックが初めて宇宙海賊として描かれた『大海賊ハーロック』(漫画ゴラクdokuhon 1970年5/13増刊号掲載) では地球に敗れて屈辱の限りを尽くされ、復讐に燃えるモスランド星系元軍人の海賊として登場し、地球軍の若者佐渡を自分の後継者として拾い、自船デスシャドウ号と愛妻や部下達を託して自らは討伐艦隊とともに散っている。なお、この時は頬に傷がなく、眼帯は左目。 月刊プリンセスに読切作品として掲載された『エメラルダス』では比較的現在に近いデザインだが、同様に左目眼帯である。この作品ではエメラルダス所有の「絶対秘密、宝の地図」の片割れを持ち、海賊飛行船デス・ハーロック号を駆る空中海賊として登場した。『ワダチ』ではアンドロイドのハーロックも出ている。『機械化都市』のハーロックはサイボーグで、顔に傷はあるが両目が健在である。『近眼人類詩集』では、白髪でトチローのように度入りの丸眼鏡を掛けるようになった近眼のハーロックが登場。なお、この作品のハーロックの自分称は「僕」になっている。 本来のハーロックはドイツ系とみられ、原作者の松本によればハーロック一族の故郷は「ハイリゲンシュタット」であるという。第二次世界大戦・太平洋戦争を舞台にした『ザ・コクピット』(戦場まんがシリーズ)中の一編『わが青春のアルカディア』に、そっくりなハーロック姓のドイツ空軍パイロット・ファントム・F・ハーロックIIが登場し、愛機「メッサーシュミットBf109」に「アルカディア」のパーソナル・ネームを冠していた。その際、台場という日本の技術士官と出会っている。劇場アニメ『わが青春の-』には、2人の「ハーロック」が血縁であると思わせるイメージが挿入されている。 漫画『V2パンツァー』には「セルロック・マイバッハ」という容貌・性格がハーロックによく似た人物が、相棒の「台場 元」とともに登場する。ただし「セルロック」の頬には傷がなく、隻眼でもない。
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