森羅万象
「森羅万象」とは、あらゆる物事のことを意味する表現である。
「森羅万象」とは・「森羅万象」の意味
「森羅万象」とは、あらゆる物事、宇宙に存在するすべての物事や現象、この世の一切などといった意味合いを持つ四字熟語である。この言葉は、「森羅」と「万象」という二つの言葉で構成されている。「森羅」は、生い茂った樹木が無限に並ぶ様子を表している。また、「万象」は、万物やあらゆる現象を指す言葉だ。万物とは、宇宙間に存在するすべてのもののことである。なお、ここで言う「宇宙」とは、いわゆる宇宙空間だけでなく、あらゆる存在物を包み入れる無限の空間や時間の広がりを指している。「森羅万象」は、もともとは仏教における用語であり、概念でもある。そこから転じて、日常でも使われるようになった。類語としては、「一切合切(いっさいがっさい)」や「有象無象(うぞうむぞう)」などが挙げられる。「一切合切」は、何もかも残らずすべてという意味の言葉である。また、「有象無象」は無形有形問わず、この世にあるあらゆるものというニュアンスを持つ四字熟語として知られている。一方、対義語としては、「色即是空(しきそくぜくう)」や「一切皆空(いっさいかいくう)」などが当てはまる。存在するあらゆる物事や現象は、すべて空(くう)だという意味合いの四字熟語である。
仏教用語の中には、森羅万象だけでなく、宇宙や哲学に関連する四字熟語が少なくない。例えば、「因果応報」という言葉が挙げられる。これは、よい行いをすればよい報いがあるが、悪い行いをすれば必ず悪い報いがあるという意味の仏教用語である。どんなことにも必ず原因があるという考え方で、基本的には、悪い方に使われることが多い。
「森羅万象」の読み方
「森羅万象」の読み方は、「しんらばんしょう」である。また、「しんらばんぞう」や「しんらまんぞう」と読まれることもある。「森羅万象」の語源・由来
語源は、仏教の「法句経」である。これは、仏典のひとつで、仏教の教えを短い詩節の形で伝えた、韻文のみで構成されている経典だ。この中で、「森羅及萬象」という言葉が出てきており、由来だとされている。また、イエズス会の宣教師によって作られた「日葡辞書」の中にもこの言葉が掲載されており、これによって日本にも広まっていたと言われている。しかしそれ以前に、豊臣秀吉がインドの副王へ送った書簡の中にも「森羅万象一心を出ず」という言葉が出てきており、「日葡辞書」よりも前からあったとみられている。「森羅万象」の熟語・言い回し
森羅万象チョコとは
2005年にバンダイより発売されたカード付玩具のことである。第一弾は、全部で30種類あり、パッケージの中にはウエハースにチョコを挟んだ長方形のお菓子と、キャラクターイラストが描かれたプラスチックカード1枚が入っている。カードに描かれているキャラクターのデザインや、その独特な世界観は話題を呼び、子供だけでなく大人の間でも人気を集めた。なお、キャラクターのデザインは原川光博が手掛けている。2019年の夏をもって、このシリーズの完結が発表された。
森羅万象のことわりとは
「物」が視点となったショートストーリーを、短編集としてまとめた小説のタイトルである。作者は、若奈。
「森羅万象」の使い方・例文
「森羅万象」を用いた例文は、下記の通りである。・君が悩んでいたことは、森羅万象の考え方からすると、とても小さいことだ。
・森羅万象に思いをはせると、自分の小ささがよく分かる。
・森羅万象のどれに関しても、決して特別扱いすることはない。
・森羅万象との出会いは、人を成長させてくれる。
・彼女はとても好奇心が強く、森羅万象に興味が湧くようだ。
・森羅万象というとてもスケールの大きな考え方は、彼を強くさせた。
・彼はいつも森羅万象を考えて行動するから、まわりの人が幸せになれる。
・曼陀羅は、森羅万象を表現した絵画として知られている。
・どこまでも広がる青い空を見上げていたら、森羅万象を感じられた気がする。
・嫌なことがあった時は、森羅万象を思い浮かべるとよい。
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