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く‐の‐いち【くノ一】

読み方:くのいち

「女」という字を「く」「ノ」「一」に分解したもの》女忍者また、女。


九ノ一

読み方:くのいち

  1. 婦女子。〔第二類 人物風俗
  2. 女。
  3. 女を云ふ。女を分析すれば、「くの一」となる故。
  4. 女子を云ふ。女を分析すれば「く」「ノ」「一」となる故。
  5. 女。女の文字を「くノ一」と分解したもの。〔俗〕
  6. 女の子。女という字を分析すると「く」「ノ」「一」という。

分類 ルンペン大阪、俗/一般

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くノ一

(くのいち から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 05:25 UTC 版)

くノ一(くのいち)は、女を指す隠語[1][2]。1960年代以降の創作物においては女忍者を指す言葉として広まっている。

山田風太郎の時代小説『忍法帖シリーズ』をはじめとして[3]、くノ一は小説テレビドラマ映画漫画など多数の創作物に登場するが、三重大学山田雄司吉丸雄哉らによる近年の研究によれば、男性と同じように偵察や破壊活動を行った女性忍者の存在については史料に記録がない[1][2]

吉丸の調査によれば、創作物においてくノ一が女忍者の意味に用いられるようになったのは山田風太郎の『忍法帖シリーズ』の影響が大きい[3]

江戸期における「くノ一」の語

語源

く ノ 一

くノ一が女を指すのは、「女」という漢字を書き順で1画ずつに分解すると「く」「ノ」「一」となるためであると思われる[1]

江戸期における意味

江戸期には「くノ一」は「女」を指す隠語として使われており、女忍者の意味はまったくなかった[4]

用例

江戸期には「くノ一」の用例が少ない。これは当時「女」という字は「くノ一」に分解できる楷書体ではなく、くずし字の草書体で書かれることが多かったからかもしれない[1]

古い用例

くノ一の古い用例として以下の

香炉峰くノ一籠る簾(みす)のひま — 俳諧点者遠舟(1653~)の自薦句集『遠舟千句附』(延宝8年刊)

がある[1]。これは『枕草子』299段を踏まえたもので、「くノ一」は清少納言を指す[1]

くノ一の術

忍法書の『万川集海』巻八には「くノ一の術」が載っている[1][5]。これは男では潜入しにくい場合、代わりに女を潜入させるというものである[6][7]

また「くノ一の術」の次に載っている「隠蓑の術」は「くノ一」が木櫃を取り寄せるという口実を奥方に述べる事により、二重底の木櫃を使って人を潜入させる術である[6]

どちらも「女を使った術」という趣旨である[6]。これを女の忍びとみなすか[8]、女の忍びは存在しないとみなすか[6]は論者によって分かれる。

その他の俗説

作家の戸部新十郎は、実際の語源は陰陽道における房術を指す「九一ノ道」が本義であり、「九」の字がたまたま、平仮名の「く」の字と同じ発音のうえ、「一」と合すれば、ともに「女」となることから「くノ一」というふうになったとする「九一ノ道説」を主張している[9]

近代の創作物における用例と意味

初期の用例

初期の用例としては下記のものがあるが、いずれも「女忍者」という意味ではない。

初期の忍法帖シリーズ

冒頭で述べたように、創作物においてくノ一が女忍者の意味に用いられるようになったのは山田風太郎の『忍法帖シリーズ』の影響が大きい[3]

しかし『忍法帖シリーズ』の第1期作品(1964年の『野ざらし忍法帖』まで)では女忍者を「くノ一」とは呼んでいない[11]。題名に「くノ一」の語がある『くノ一忍法帖』(1960年 ~ 1961年)においても女の忍者は「くノ一」ではなく「女忍者」と呼んでおり、「くノ一」の語は女の隠語として用いている[11]

「くノ一=女忍者」の普及

1964年の『忍法八犬伝』には

八人の女忍者、いわゆる服部くノ一衆もまじっていた。 — 山田風太郎『忍法八犬伝』

という記述があり、くノ一が女忍者の意味で使われている[12]。同年10月には『くノ一忍法帖』の映画版が公開されており[12]、題名から「くノ一」=「女忍者」と解釈した人もいた可能性がある[12]

自来也忍法帖』(1965年)、『忍びの者』、『倒の忍法帖』、『くノ一死ににゆく』(1967年)といった山田風太郎作品では「くノ一」は「女忍者」の意味の普通名詞として用いられているので、このあたりで「くノ一」=「女忍者」が普及したものと思われる[12]

くノ一が登場する作品

小説
映画
テレビドラマ
アニメ
漫画
コンピュータゲーム
アダルトゲーム
テレビCM

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g 吉丸 2017, p. 168.
  2. ^ a b 山田 2016, 序章「忍者とは何か」.
  3. ^ a b c 吉丸 2017, p. 184.
  4. ^ 吉丸 2017, p. 169.
  5. ^ くノ一(くのいち)/ 時代劇用語指南 2009
  6. ^ a b c d 吉丸 2017, p. 170.
  7. ^ 藤田 1942, p. 83.
  8. ^ 山田 2016, 第三章2節「くノ一の術」.
  9. ^ 戸部 2001, p. 20.
  10. ^ a b 吉丸 2017, p. 180.
  11. ^ a b 吉丸 2017, p. 185.
  12. ^ a b c d 吉丸 2017, p. 186.

文献

参考文献

その他の文献

  • 宗方翔『戦国 歩き巫女』信濃毎日新聞社開発局出版部 2002年 ISBN 978-4783810766
  • 藤林保義『萬川集海 原書復刻版』 誠秀堂(原著延宝4年(1676年))
  • 勝田何求斎養『忍術伝書 正忍記』(現代語訳・解説)藤一水子 正武、中島篤巳(原著 延宝9年(1681年))

関連項目


くのいち

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/11 01:21 UTC 版)

ドキドキダンジョン」の記事における「くのいち」の解説

ジュエル王国の東隣、かつての日本のような武家社会を持つ国家シェイナ皇国」に属す女性ニンジャ集団陽組」の頭領ダイミョウたる殿の命令従い魔王軍加入するゲーム上はハーピー同様に移動速く、かつ手裏剣による遠距離攻撃を行うユニットである。

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「くのいち」を含む「ドキドキダンジョン」の記事については、「ドキドキダンジョン」の概要を参照ください。

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