山本博文とは? わかりやすく解説

山本博文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 08:18 UTC 版)

山本 博文
人物情報
生誕 (1957-02-13) 1957年2月13日
日本岡山県津山市
死没 2020年3月29日(2020-03-29)(63歳没)
学問
研究分野 日本史(日本近世史)
学位 文学博士
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山本 博文(やまもと ひろふみ、1957年2月13日[1] - 2020年3月29日[2])は、日本歴史学者。日本近世史専攻。東京大学大学院情報学環教授・東京大学史料編纂所教授。

経歴

1957年、岡山県津山市生まれ[1]東京大学文学部国史学専修課程で学び、1980年に卒業。東京大学大学院人文科学研究科に進み、1982年に修士課程修了した。

1982年、東京大学史料編纂所助手に採用された。1992年、学位論文『幕藩制の成立と近世の国制』を東京大学に提出して博士論文号を取得[3]1994年に東京大学史料編纂所助教授、2001年に同所教授に昇格。2010年からは東京大学大学院情報学環教授を兼任した。

2020年3月29日、腎盂癌のため死去[2]。63歳没。

受賞

研究内容・業績

東京大学史料編纂所に勤務し、江戸時代の大名や武士をめぐる著作を多数刊行した。萩藩毛利家、江戸留守居役福間彦右衛門の活動を描いた『江戸お留守居役の日記』で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、同作はNHKでドラマ化もされた。歴史学者の仕事を一般に紹介した『日本史の一級史料』などの著作もある。

著作

著書
  • 寛永時代』吉川弘文館〈歴史学叢書〉1989
  • 『幕藩制の成立と近世の国制』校倉書房 1990
  • 『江戸お留守居役の日記 寛永期の萩藩邸』読売新聞社 1991
  • 江戸城の宮廷政治 熊本藩細川忠興忠利父子の往復書状』読売新聞社 1993
  • 殉死の構造』弘文堂 1994
  • 対馬藩江戸家老 近世日朝外交をささえた人びと』講談社選書メチエ 1995
    • 講談社学術文庫 2002
  • 『サムライの掟』読売新聞社 1995
  • 『鎖国と海禁の時代』校倉書房 1995
  • 『江戸時代を「探検」する』文藝春秋 1996
  • 島津義弘の賭け 秀吉と薩摩武士の格闘』読売新聞社 1997
  • 『江戸を楽しむ 三田村鳶魚の世界』中央公論社 1997
    • 中公文庫 2000
  • 参勤交代講談社現代新書 1998
  • 『徳川将軍と天皇』中央公論新社 1999
    • 中公文庫 2004
  • 『長崎聞役日記 幕末の情報戦争』ちくま新書 1999
  • 『読み方で江戸の歴史はこう変わる』東京書籍 2000
  • 『鳶魚で江戸を読む 江戸学と近世史研究』中央公論新社 2000
    • 中公文庫 2005
  • 『江戸のお白州』文春新書 2000
    • 文庫化
  • 『大江戸サラリーマン学 武士の生き方に学ぶ!』PHP研究所 2001
  • 『武士は禿げると隠居する』(江戸の雑学 サムライ篇) 双葉社 2001
  • 『バカ殿様こそ名君主』 双葉文庫 2005
  • 『加賀繁盛記 史料で読む藩主たちの攻防』日本放送出版協会 2001
    • 改題『日本一の大大名と将軍さま』グラフ社 2009
  • 『学校では習わない江戸時代』 新潮文庫 2007
  • 『『葉隠』の武士道 誤解された「死狂ひ」の思想』PHP新書 2001
  • 『サラリーマン武士道 江戸のカネ・女・出世』講談社現代新書 2001
  • 『鬼平と出世 旗本たちの昇進競争』講談社現代新書 2002
    • 文庫改題『旗本たちの昇進競争」角川ソフィア文庫 2007
  • 『遊びをする将軍踊る大名』教育出版(江戸東京ライブラリー)2002
  • 『切腹 日本人の責任の取り方』光文社新書 2003
    • 知恵の森文庫 2014
  • 『武士と世間 なぜ死に急ぐのか』中公新書 2003
  • ペリー来航歴史を動かした男たち』小学館 2003
  • 忠臣蔵のことが面白いほどわかる本−確かな史料に基づいた、最も事実に近い本当の忠臣蔵!』中経出版 2003
  • 『日本人として武士道を身につける 厳しくも美しい精神を取り戻せ』中経出版 2004
    • 文庫化 2006
  • 『江戸時代の国家・法・社会』校倉書房 2004
  • 『徳川将軍家の結婚』文春新書 2005
  • 『男の嫉妬 武士道の論理と心理』ちくま新書 2005
  • 『日本史の一級史料』光文社新書 2006
  • 『お殿様たちの出世 江戸幕府老中への道』新潮選書 2007
  • 『将軍と大奥 江戸城の「事件と暮らし」』小学館 2007
  • 『江戸人のこころ』角川選書 2007
  • 『面白いほどわかる大奥のすべて』中経出版 2007
  • 『大奥学事始め 女のネットワークと力』日本放送出版協会 2008
    • 文庫改題『大奥学』新潮文庫 2010
  • 『教科書には出てこない江戸時代 将軍・武士たちの実像』東京書籍 2008
  • 『江戸の組織人』新潮文庫 2008
  • 『天下人の一級史料 秀吉文書の真実』柏書房 2009
  • 『江戸の雑記帖』双葉社 2009
  • 『江戸に学ぶ日本のかたち』日本放送出版協会(NHKブックス) 2009
  • 『殉教 日本人は何を信仰したか』光文社新書 2009
  • 『なるほど!大江戸事典 時代劇・時代小説が100倍面白くなる』集英社 2010
  • 『徳川幕府の礎を築いた夫婦 お江秀忠グラフ社 2010
  • 『東京今昔江戸散歩』中経の文庫 2011
  • 『徳川将軍15代 264年の血脈と抗争』小学館101新書
    • 江戸検新書 2011
  • 『日曜日の歴史学』東京堂出版 2011
    • 新潮文庫 2015
  • 『武士の評判記『よしの冊子』にみる江戸役人の通信簿』新人物往来社 新人物ブックス 2011
    • 文庫改題『武士の人事評価』新人物文庫 2015
  • 『知識ゼロからの大奥入門』幻冬舎 2011
  • 『これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』小学館101新書 2012
  • 『武士道のことがよくわかる本』中経出版 2012
  • 「忠臣蔵」の決算書』新潮新書 2012
  • 『信長の血統』文春新書 2012
  • 『続・日曜日の歴史学』東京堂出版 2013
  • 『敗者の日本史 15 赤穂事件と四十六士』吉川弘文館 2013
  • 『歴史をつかむ技法』新潮新書 2013
  • 『武士道の名著 日本人の精神史』中公新書 2013
  • 『江戸を読む技法』宝島社新書 2014
  • 『知識ゼロからの忠臣蔵入門』幻冬舎 2014
  • 『武士はなぜ腹を切るのか 日本人は江戸から日本人になった』幻冬舎 2015
  • 『江戸「捕物帳」の世界』祥伝社新書 2015
  • 『東大流 よみなおし日本史講義』PHPエディターズ・グループ 2015
    • 『[東大流]流れをつかむ すごい!日本史講義』PHP文庫 2020
  • 『大江戸御家相続 家を続けることはなぜ難しいか』朝日新書 2016
  • 『格差と序列の日本史』新潮新書 2016
  • 『流れをつかむ日本の歴史』KADOKAWA 2016
  • 『江戸散歩』KADOKAWA 2016
  • 『学び直し日本史人物伝 戦国編』角川文庫 2016
  • 『家光は、なぜ「鎖国」をしたのか』河出文庫 2017
  • 『歴史の勉強法 確かな教養を手に入れる』PHP新書 2017
  • 『天皇125代と日本の歴史』光文社新書 2017
  • 『東大教授の「忠臣蔵」講義』角川新書 2017
  • 『武士の人事』角川新書 2018
  • 『教科書には書かれていない江戸時代』東京書籍 2018
  • 『知識ゼロからの天皇の日本史』幻冬舎 2019
  • 『東大流 教養としての戦国・江戸講義』PHPエディターズ・グループ 2019
  • 『東大教授が教える! 超訳 戦乱図鑑』かんき出版 2019
  • 『東大流「元号」でつかむ日本史』河出新書 2019
  • 『東大教授がおしえる 忠臣蔵図鑑』二見書房 2019
  • 『徳川秀忠』吉川弘文館人物叢書〉2020
  • 『「関が原」の決算書』新潮新書 2020
編纂・共著
翻訳
  • 新渡戸稲造「現代語訳 武士道」』ちくま新書 2010
  • 福澤諭吉幕末・維新論集 現代語訳』ちくま新書 2012
映像化された作品
  • 「歴史スペシャル 江戸支社長奮戦記~荻藩・福間彦右衛門の日記~」NHK 1993年08月19日(木)午後10:00~午後10:44
出演:イッセー尾形角野卓造
テレビ出演

脚注

  1. ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.351
  2. ^ a b 東大史料編纂所教授の山本博文さん死去 テレビでも活躍”. 朝日新聞デジタル (2020年3月29日). 2025年2月13日閲覧。
  3. ^ 山本, 博文「幕藩制の成立と近世の国制」1992年。 
  4. ^ 山本博文、『江戸の銭勘定』、洋泉社、2007年、192ページ、ISBN 978-4-8003-1101-6
  5. ^ 天皇のディナー~歴史を動かした美食~”. もっとNHKドキュメンタリー. NHK. 2019年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月13日閲覧。

外部リンク


山本博文(1957年 - 2020年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 16:27 UTC 版)

時代考証」の記事における「山本博文(1957年 - 2020年)」の解説

歴史学者専門日本近世史テレビ番組歴史解説時代劇作品時代考証多数務めた

※この「山本博文(1957年 - 2020年)」の解説は、「時代考証」の解説の一部です。
「山本博文(1957年 - 2020年)」を含む「時代考証」の記事については、「時代考証」の概要を参照ください。

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