大喜利
読み方:おおぎり
もともとの「大喜利」の意味は、寄席の余興として生み出された、その日の寄席の最後に行われる演芸形式である。トリが不在の際に、トリに代わる最終演目として、現代でいうところの観客へのアンコールに相当するサービスとして大喜利が行われた。その日に出演した寄席の出演者複数が再登場し、観客からお題をもらったうえで、そのお題に沿った芸を披露し出演者同士で競い合った。
本来の「大喜利」は、歌や踊りなどの音芸、指定された3つのワードをちりばめた物語を作る三題噺、果ては出演者による相撲など、多種多様なジャンルが含まれていた。観客のリクエストに応じて何でもやったわけである。
「笑点」を通じて一般的となった「大喜利」のスタイルは、「とんちを競う芸」であり、もともとは多種多様な大喜利の演目のひとつであった。
このように「大喜利」は本来的には寄席のプログラム自体を指し示す言葉であったが、時代を経るにしたがい、出し物そのものを表す語として変化していった。
【ネタ】
回答者は「池と沼の違いは何か?」など似ている2つのものの違いを出題者に質問する。出題者が『教えて教えて!』と合いの手を入れるので何が違うかをとんちを聞かせて答える。
【回答例】
回答者『総理と首相の違いは何か?』
出題者『教えて教えて!』
回答者『漢字が読めないのが総理。空気が読めないのが首相』
【解説】
総理と首相の違いを正確に説明すると「総理=日本の内閣総理大臣を示すのに対し、首相=各国行政における長官を指し示す」という違いがあり、日本においては「総理=首相であるため違いはない」が解答となるが、当然ながら大喜利ではこのような正答は求めていない。いかに、とんちをきかせ、観客を笑わせ、かつ納得のいく回答をするのが回答者の腕の見せ所である。また広く芸事においてしばしば求められるように、大喜利でもネタが政治など権力に対する風刺になっていたり時節にあっているものが喜ばれる傾向にある。
今回のネタにおける回答者は短い回答の中に2つの笑わせどころを忍ばせている。1つ目の笑わせどころは政治権力に対する風刺だ。一国の長である総理大臣が小学生でもわかるような漢字を読めないこと、また生活苦など自国民が困窮しているにも関わらず、贅沢な品を食べるさまを公開する姿など、空気や時節を察する能力が低いこと、この2つはマスコミが各種媒体を用いて報道し、しばしば話題になるため、この2つを風刺し、観客を喜ばせている。
2つ目の笑わせどころはこの「簡単な漢字が読めない」ということと「時節や空気を察することができない」という2つの風刺を「字が読めない」と「空気が読めない」という「意味合いが異なるが、同じ単語を使う1つの動詞」にまとめ上げていることだ。似て非なるものを説明せよ、というお題に対し、同じ単語だが違う意味を持つ動詞によって両者を説明しようとする、という非常にレベルの高い返しになっていることがわかる。
大喜利とは、大喜利の意味
今日における「大喜利」は、おおむね「司会者が出す《お題》に対して、複数の回答者が、当意即妙に洒落の利いた回答をして面白さを競う」といった遊び・余興・演目、を指す意味で用いられる語。このイメージはテレビ番組「笑点」の影響を色濃く受けて成立しものである。もともとの「大喜利」の意味は、寄席の余興として生み出された、その日の寄席の最後に行われる演芸形式である。トリが不在の際に、トリに代わる最終演目として、現代でいうところの観客へのアンコールに相当するサービスとして大喜利が行われた。その日に出演した寄席の出演者複数が再登場し、観客からお題をもらったうえで、そのお題に沿った芸を披露し出演者同士で競い合った。
本来の「大喜利」は、歌や踊りなどの音芸、指定された3つのワードをちりばめた物語を作る三題噺、果ては出演者による相撲など、多種多様なジャンルが含まれていた。観客のリクエストに応じて何でもやったわけである。
「笑点」を通じて一般的となった「大喜利」のスタイルは、「とんちを競う芸」であり、もともとは多種多様な大喜利の演目のひとつであった。
大喜利の語源・歴史
大喜利の語源は、歌舞伎の「大切り」に由来すると言われている。江戸時代の歌舞伎脚本は2部構成が一般的だった。具体的には、1部が一番目狂言(時代物)、2部が二番目狂言(世話物)から構成され、1部の最終演目のことを「大詰め」と呼び、2部の最終演目を「大切り」といった。この「大切り」にあやかって、寄席においても最後の演目を意味するようになったと考えられている。歌舞伎と漢字が異なるのは「客も喜び、演者も利を得る」ということから「喜利」という当て字を使うようになったという説が有力である。このように「大喜利」は本来的には寄席のプログラム自体を指し示す言葉であったが、時代を経るにしたがい、出し物そのものを表す語として変化していった。
大喜利の例
現代で一般的にイメージされる「とんち」としての「大喜利」を例に挙げる。【ネタ】
回答者は「池と沼の違いは何か?」など似ている2つのものの違いを出題者に質問する。出題者が『教えて教えて!』と合いの手を入れるので何が違うかをとんちを聞かせて答える。
【回答例】
回答者『総理と首相の違いは何か?』
出題者『教えて教えて!』
回答者『漢字が読めないのが総理。空気が読めないのが首相』
【解説】
総理と首相の違いを正確に説明すると「総理=日本の内閣総理大臣を示すのに対し、首相=各国行政における長官を指し示す」という違いがあり、日本においては「総理=首相であるため違いはない」が解答となるが、当然ながら大喜利ではこのような正答は求めていない。いかに、とんちをきかせ、観客を笑わせ、かつ納得のいく回答をするのが回答者の腕の見せ所である。また広く芸事においてしばしば求められるように、大喜利でもネタが政治など権力に対する風刺になっていたり時節にあっているものが喜ばれる傾向にある。
今回のネタにおける回答者は短い回答の中に2つの笑わせどころを忍ばせている。1つ目の笑わせどころは政治権力に対する風刺だ。一国の長である総理大臣が小学生でもわかるような漢字を読めないこと、また生活苦など自国民が困窮しているにも関わらず、贅沢な品を食べるさまを公開する姿など、空気や時節を察する能力が低いこと、この2つはマスコミが各種媒体を用いて報道し、しばしば話題になるため、この2つを風刺し、観客を喜ばせている。
2つ目の笑わせどころはこの「簡単な漢字が読めない」ということと「時節や空気を察することができない」という2つの風刺を「字が読めない」と「空気が読めない」という「意味合いが異なるが、同じ単語を使う1つの動詞」にまとめ上げていることだ。似て非なるものを説明せよ、というお題に対し、同じ単語だが違う意味を持つ動詞によって両者を説明しようとする、という非常にレベルの高い返しになっていることがわかる。
おお‐ぎり〔おほ‐〕【大切(り)】
大切
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大鋸
姓 | 読み方 |
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大鋸 | おおぎり |
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