「クルマ好き」として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 06:11 UTC 版)
元々はメディアから会社を守るため露出は控えていたが、前述のプリウスをめぐるリコール問題の教訓からそれ以降は積極的にメディアに姿を見せるようになり、その際、「クルマ好き」であることを隠さず発言するようにもなった。この関係から車の楽しさや日々考えていることを伝えるため、2018年から1年間、遠近由美子とともにZIP-FMのラジオ番組『DJ MORIZO HANDLE THE MIC』でDJを務めた(この番組での経験がトヨタイムズ発足のきっかけとなっている。当該項目参照)。 トヨタ自動車の社長としての責務を果たしつつも、メーカーの垣根を超えて車を愛することが重要と考えており、良いものは他社の車やドライバーでも賞賛を惜しまない。2009年にフォルクスワーゲン・シロッコを「悔しい! そして羨ましい!」「『シロッコ』以上に素晴らしい味を持ったクルマづくりにチャレンジしていきます!」と絶賛した。トヨタのホームサーキットである富士スピードウェイで、豊田の目の前でレクサスを打ち負かした日産のドライバー・佐々木大樹に「感動のレースでした。感謝」と労いの言葉を掛けている。またラリーの訓練やドリフトでは公然とスバル・インプレッサを使っており、GAZOO RacingのCMでもあえてインプレッサを駆り、メーカーの垣根を越えた車好きをアピールした。2017年不祥事の起きた日産自動車の西川社長に代わり主催者代表となった東京モーターショーでは、スズキ、ホンダ、マツダ、BMWなどの他社ブースで社長たちと握手を交わした他、ホンダやスズキのバイクに跨がってポーズを取ったり、アトラクションで自ら積極的に楽しむ姿を見せた。 トヨタがエンジンを供与しているスポーツカーメーカーのロータス・カーズから、2010年にエリーゼRをプレゼントされた際、豊田はこれを社内に開放し、役員の誰でも乗れるようにしている。 ポルシェ監査役会会長のウォルフガング・ポルシェとの対談で、ニューヨークに住んでいた頃ポルシェ・911(901型)を愛車にしていたことを明かしている。ポルシェがWECから撤退を発表した直後と同年の最終戦には、ポルシェに向けたメッセージを送った。その後のソフトバンクと提携した際の孫正義との公開トークショーでも、欲しい車を聞かれて「ポルシェ」と答えるなど、同社の車に深い思い入れがあることを窺わせている。 GRカンパニー初代社長の友山茂樹が若い頃生産管理部に所属していた時の上司が係長の豊田であった。当時仕事のきつさからアンチトヨタになり転職を考えていた友山は、こっそりユーノス・ロードスターを購入していた。豊田にそれが発覚しトヨタ車ではないことを咎められるかと思ったが、豊田からは「おもしろいクルマに乗ってるな、俺にも乗らせろ」と言われ、帳を開けたロードスターで二人で作業着のまま豊田市内をドライブした。豊田と関わるうち、友山の転職したいという気持ちは失せていった。また友山は役員になった際、チューニングしていた愛車のスープラを手放そうとしたが、豊田は「トヨタの役員はこういうクルマで通わないと」と引き留めた。 他メーカーの車種も気に入った自動車は公言するスタンスであり、東京モーターショーではお気に入りの日産・GT-Rを見るためにブースを訪れたこともあるほか、トヨタが主催するファン感謝イベントにD1参戦中のGT-Rを招いて川畑真人と同乗走行を行った事もある。また、2022年の東京オートサロンでは、初日に行われたオンラインでのプレスカンファレンスで「日産の皆さん!Zには負けませんから!」と発言。その後会場内に姿を現し、各ブースを訪問した。 YouTubeチャンネルのトヨタイムズにて好きな車を聞かれた際に「もうねー、うるさくて、ガソリン臭くて、そんなクルマが大好きですね。」と語っており、このシーンはトヨタのCMでも使用された。
※この「「クルマ好き」として」の解説は、「豊田章男」の解説の一部です。
「「クルマ好き」として」を含む「豊田章男」の記事については、「豊田章男」の概要を参照ください。
- 「クルマ好き」としてのページへのリンク