《助かる》の敬語
「助かる」の敬語表現
「助かる」には色々な敬語表現があり、相手や状況によって使い分ける必要があります。「助かる」に丁寧語の「ます」をつけた「助かります」も丁寧語表現の敬語であるため、文法的に問題はありません。しかし、「助かる」には「自分にかかる負担が少なくて済む」というニュアンスが含まれているため、目上の人に使う表現として不適切とされています。プライベートで同等の立場の人に使うのは構いませんが、ビジネスシーンでは避けた方が良い表現です。ビジネスシーンで使える「助かる」の敬語表現には、「ありがとうざいます」、「幸いです」などがあります。また、上司から「助かる」と言われた場合は、「とんでもございません」、「お役に立て嬉しく存じます」などと返すことができます。
「助かる」の敬語の最上級の表現
「助かる」の最上級の敬語表現は、「助かる」という表現を使う意味合いによって異なります。感謝・お礼を込めた「助かる」の最上級の敬語表現は、「誠にありがとうございます」や「心より感謝申し上げます」、「厚くお礼申し上げます」になります。「誠に」や「心より」、「厚く」などの強調表現をつけることで、丁寧さを高めています。また、依頼の意味を込めた「助かる」の最上級の敬語表現は、「幸いです」よりも丁寧な表現である「幸甚です」を、一層丁寧にした「幸甚に存じます」や「幸甚の至りです」となります。「助かる」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメール・手紙では、口語表現よりも丁寧な言い回しにするのがマナーです。「助かります」などのカジュアルな敬語は失礼にあたるため、適切な表現を使う必要があります。感謝・お礼を伝えるメール例文:お世話になっております。この度は納品手続きに迅速に対応していただき、誠にありがとうございます。
感謝・お礼を伝えるメール例文:いつもお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。感謝の一端としまして、弊社の設立10週年の記念品をお送りしましたので、ご笑納いただければ幸いでございます。
依頼のメール例文:平素よりお世話になっております。見積書を添付しておりますのでご査収ください。お忙しいところ申し訳ございませんが、本日中にご確認いただけると幸甚に存じます。
依頼のメール例文:いつもお世話になっております。先日お話ししたプロジェクトの件で打ち合わせをさせていただきたくお願い申し上げます。ご都合の良い日時をお伝えいただけると幸いでございます。
「助かる」を上司に伝える際の敬語表現
「助かる」を丁寧表現にした「助かります」は、「力を貸してほしい」や「力を貸してくれたことに感謝する」という意味の敬語です。しかし、力添えしてくれた上司に対して「助かります」と言うのは失礼だと認識されているため、親しい間柄の上司であっても使わないのが無難です。親しい間柄の上司であれば、「~していただけますか」や「ありがとうございます」という表現を使うのが適切です。「お手数ですが、本日中に見積書に目を通していただけますか」や、「新規プロジェクトの件、お力添えいただきありがとうございます」のように伝えることができます。また、立場がかなり上の上司に「助かる」と伝える場合は、より丁寧な表現である「幸いです」や「お礼申し上げます」を使うのが適切です。「企画書にご賛同いただけると幸いです」や、「このプロジェクトの成功のために協力いただけましたこと、厚くお礼申し上げます」のように伝えられます。
「助かる」の敬語での誤用表現・注意事項
「助かる」の敬語表現として、「お願いできますでしょうか」という表現が一般的に使用されています。ビジネスシーンにおいても使われることが多い表現ですが、こちらは誤用表現です。1つの敬語表現の中に「ます」と「でしょうか」という2つの丁寧語が含まれており、二重敬語になっているからです。言葉遣いに敏感な人に使った場合、ネガティブな印象を与えることもあるため、リスクを避けるためにも使わないのが無難です。また、「助かる」の言い換え表現の敬語として「幸甚に存じます」がありますが、話し言葉ではほとんど使われていません。上司に使う表現としては、仰々しすぎて相手に気まずさを感じさせることもあります。大切な取引先との商談で使用することもできますが、頻発しすぎると言葉の重みが低減してしまいます。「幸甚に存じます」は、メールや手紙など文書で使用するのが適切です。
「助かる」の敬語での言い換え表現
・助かります・助かりました
・ありがとうございます
・誠にありがとうございます
・ありがとうございました
・お礼申し上げます
・心よりお礼申し上げます
・厚くお礼申し上げます
・感謝申し上げます
・心より感謝申し上げます
・厚く感謝申し上げます
・幸いです
・幸いでございます
・幸いに存じます
・~いただけますと幸いです
・お願いできますでしょうか
・お願いいたします
・お願いできますか
・~していただけますか
・~してくださいますか
・~していただけないでしょうか
・幸甚です
・幸甚に存じます
・幸甚でございます
・幸甚の至りに存じます
・~いただけますと幸甚です
《助かる》の敬語
助かるの敬語表現
ラ行五段活用の動詞「助かる」を敬語で表現する場合、連用形の「助かり」に変化した上で、丁寧を表す助動詞「ます」を追加します。「助かる」には、「労力や負担を省ける」、または「手助けになる」という意味がありますが、「助かります」にすると、感謝の気持を伝える表現へと変化する点が特徴です。具体的には、用事を頼んだ人に対して、感謝の意味を込めて伝える場合に広く用いられます。一方で、別の人に用事を頼む時や、依頼した用事が終わったと報告された場合にも用いられます。用事を依頼するシーンでは、もらえるの謙譲語である「いただける」を追加する形で用いられるケースが、一般的です。なお、「助かります」の前に、「大変」や「非常に」という言葉を付け加えると、相手に対し、感謝の意味をより丁寧な表現で伝えられます。また、「用事が終わった」と依頼された人から言われた場合は、「助かりました」という表現を使って、感謝の意味を表します。助かるの敬語での誤用表現・注意事項
本来、「助かる」は労いを意味する言葉であり、通常は友人や年下の人に使われるケースが一般的です。「助かります」自体は正しい敬語表現ですが、年上の人に使うと失礼な人間だとみなされます。仮に、重要書類を完成させた部下が、上司に確認を依頼するケースで、「この書類を確認していただけると助かります」と言ったとします。一見、正しい敬語表現に見えますが、上司にとっては「私のために確認してもらえると、助かる」と解釈されるため、失礼なニュアンスに該当するのです。従って、上司のような目上の人に物事を依頼する場面では、「助かる」を使った動詞自体が、不適切な表現となります。助かるの敬語での言い換え表現
・このような未熟な私のために、商談をまとめる際に必要かつ的確な助言をくださり、本当にありがとうございました。・オープニングセールを開催するという、大切な場において、課長のご尽力に心より、感謝申し上げます。・本来私が送るべきサンプルを、代わりにお送りいただきました件につきまして、ありがたくお礼申し上げます。・私の結婚披露宴の場にて、長年親しくしていただいた課長より、激励のお言葉を賜り、厚く御礼を申し上げます。・お客様より、ご依頼の品がまだ届いていないとの連絡を承りましたので、至急お送りいただけると幸いです。・恐れ入りますが、差し支えない範囲で結構ですので、当社のサービスを解約するご理由を、お教えいただけませんでしょうか。・お手数をおかけしますが、商談の内容と日時を記載したメールを、お送りいただけないでしょうか。・差し支えなければ、御社の部長、山本様とのご面談の機会を、いただけないでしょうか。- 《助かる》の敬語のページへのリンク