とんでもございません
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 09:28 UTC 版)
「日本語の乱れ」の記事における「とんでもございません」の解説
「とんでもない」は全体で一つの形容詞であるから、丁寧形は「とんでものうございます」もしくは「とんでもないことでございます」などと言わなければならず、「とんでもございません」は誤りとされることがある。 しかし、2007年の文化審議会による『敬語の指針』にて容認された。「とんでもない」は、形容詞の「とでもない」(とでもなし)に、撥音便に類推する「ん」が付加されて生じた語であるという説がある。また、「とんでもない」の「ない」は、前置された語素(とんでも)に対し、「そのような状態にある」という意味を付加して、語全体を形容詞化する接尾辞であり、打ち消しの意味を持たないという説がある。 2004年の『明鏡国語辞典』では、語法欄で「とんでもありません」「とんでもございません」の形でも使うと述べた。同辞典編集委員で筑波大学教授の矢澤真人は「とんでもない」の「ない」の語源を辿れば、形容詞の「ない」であるとし、文法的にはこれを「ありません」や「ございません」に置き換える理由はそれなりにあり、「とんでもありません」「とんでもございません」が文法的に誤りだということはないとしている。 仮に「とんでもない」が一語であれば、丁寧形は「とんでものうございます」のはずだが、それでは変なので、「とんでもない」は多少は分解を許す形であり、「とん」が元々名詞性の語だと仮定すれば「とんでもございません」はありうる形だと、敬語の専門家で東京大学教授(当時)の菊地康人は述べている。 文化庁国語課は、社会で広く使われてきた表現として、「とんでもございません」はこれからさらに定着していくと考えている。
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