《とんでもないです》の敬語
「とんでもないです」の敬語表現
「とんでもないです」はそのままでも敬語として使うことができる言葉ですが、敬語表現としては「とんでもないことです」という言い方が挙げられます。「とんでもない」が一つの言葉のため、その後に敬語表現である「です」を付けるだけでも敬語としては十分に成り立ちますが、本来は「とんでもない」に「こと」「です」を足した「とんでもないことです」が、正しい敬語表現となります。「とんでもないです」の敬語の最上級の表現
「とんでもないです」を敬語として最上級で表すと、「とんでもないことでございます」となります。敬語表現である「とんでもないです」から「です」を引いて丁寧語となる「ございます」を付けることによって、最も丁寧な言葉として相手に伝えることができる敬語表現です。より一層、丁寧な敬語を使用する場合に用いる表現方法となります。「とんでもないです」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「とんでもないです」の「とんでもない」には3つの意味があります。1つ目は「思ってもみなかった、以外なこと」で、自分の想像以上の出来事や成果、誉め言葉などに対して使われます。2つ目は「思いもよらないこと」で、事実や事象に対して呆れる、怒るなどの感情を伝える時に使用されます。そして3つ目は、「否定」です。これは、相手が事実とは異なる事を信じている、あるいは謙遜の意味で使われることもあります。そのため、ビジネスメールや手紙の例文としては、取引先から感謝の言葉を伝えられた時には「とんでもないことです。これからもよろしくお願い致します」や、「とんでもないことでございます。こちらこそ感謝しております」などが挙げられます。また、何らかのミスなどが生じた時には、「とんでもないことです。あってはならないことだと思います」、相手から謝罪をされた時には「とんでもないことです。どうか、お気になさらないでください」なども例文となります。
「とんでもないです」を上司に伝える際の敬語表現
「とんでもないです」を上司とのやり取りの際に使う場合は、褒められた時や感謝の言葉をかけられた時などに使用します。例えば、上司から仕事ぶりを褒められた時には「とんでもないことです。お役に立てて光栄です」や「とんでもないことです。アドバイスをしてくださったおかげです。ありがとうございました」など、一歩下がった気持ちで相手を敬う言い方をするのが正しい敬語表現となります。また、上司から感謝された場合などは「とんでもないことです。指導していただいたおかげです」など、こちらからも感謝の思いを伝えるように使用するのが一般的です。ですので、例文の後に「ありがとうございました」などの言葉を添えるケースも多く、より気持ちを込めた言い方をしたい時などに使われます。
「とんでもないです」の敬語での誤用表現・注意事項
「とんでもないです」を敬語で表そうとして、「とんでもございません」という言葉を使うケースがありますが、この「とんでもございません」は日本語としては間違っているので注意が必要です。「とんでも」という言葉は存在せず、「とんでもない」という言葉の後に何を付け足すかによって意味合いが変わるため、「とんでもない」の「ない」を消すと不自然な日本語となってしまいます。ですが、「とんでもございません」は一般的にも使用されている言葉で、相手からの誉め言葉に対して謙遜の思いを込めて伝える手段として使用するには問題ないとされています。また、「とんでもないです」はフランクな印象を与えがちですので、親しい先輩や目上の方などに使用するようにします。そのため、上司や取引先の方などに対しては「とんでもないことです」や「とんでもないことでございます」を使うなど、相手やシーンに合わせて使い分ける必要があります。
「とんでもないです」の敬語での言い換え表現
「とんでもないです」の言い換え表現には「滅相もない」という言葉が挙げられます。「滅相もない」は意味としては「とんでもないです」とほぼ同じ意味合いを持つ言葉ですが、古風な言い方ですのでより一層謙虚な印象を与えたい時に使用します。ただし、「滅相もない」は「思いもよらないこと」を意味してはいないため、謙遜する時や否定する場合にのみ使うようにします。例文としては「順調に業務が進んでいるみたいですね。羨ましい限りです」と言われたら「滅相もないです。まだまだこれからです」、「また同じところでミスをするんじゃないだろうね」に対して「滅相もないです。気持ちを切り替えてしっかりと取り組む所存です」などが挙げられます。
また、他には「恐縮です」や「恐れ入ります」、「そんなことないです」なども言い換え表現となりますが、「恐縮です」や「恐れ入ります」は、厚意を受けたが申し訳ないと思う心理が込められた言葉です。こちらも謙遜する意味が強く、主に誉められた時などに使用します。なお、「そんなことないです」は良くも悪くも否定する言い方となります。謙遜しているように聞こえますが、ばっさりと否定しているようにも捉えられる言葉となりますので相手によっては失礼にあたります。ですので、使用する時は相手を選ぶようにします。
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