《労わる》の正しい読み方
「労わる」の正しい読み方
「労わる」は「いたわる」と読む。「労」という漢字は音読みの「ろう」が知られているので、訓読みの「労わる」は難読語に分類されることもある。「労わる」の意味解説
「労わる」には大きく分けて、3つの意味がある。まずは「ある人の努力や成果をねぎらい、優しく接する」ことである。次に、「ある人の出した結果について、報酬を用意する」という意味も「労わる」には含まれる。そして、現代ではあまり使われにくくなっているものの、「病気になる」という意味で「労わる」を使うこともあった。古文では「病気になる」という意味が珍しくなかった。現代でもごくまれに、「病気になる」の文脈で「労わる」は使われる。なぜ「いたわる」と読むのか・理由
そもそも「労」という漢字は、中国だと「ろう」と読まれてきた。意味は「努力をする」「手間暇をかける」「煩わされる」などである。そして、日本に漢字が入ってきたとき、「労」は「いたわる」にあてはめられた。こうして、「労」の訓読みで「労(いた)わる」と発音するようになった。「労わる」の類語・用例・例文
「労わる」の類語には「ねぎらう」「慰める」「優しくする」「大事にする」などがある。いずれも、対象の人を親切に扱う意味の動詞だ。ただ、「優しくする」や「大事にする」は文脈の制限が緩く、さまざまな状況で使える言葉である。それに対し、「労わる」はあくまでも「努力した人を丁寧に扱う」というニュアンスを含む。「慰める」「ねぎらう」は「労わる」にとても近しい言葉だといえる。しかし、「慰める」には「相手をいやす」という意味、「ねぎらう」には「感謝する」という意味が強い。「親切にする」という意味が強調されている「労わる」とは細かい点が異なる。以下、「労わる」の例文を挙げる。
「遠いところから来てくれて、本当にありがたい。お兄さんはよく労わってあげてほしい」
「お年寄りは労わらなければ。後悔したときにはもう遅いからだ」
「誰に対しても労わる気持ちを忘れてはならない。経営者として、傲慢にならないよう注意して下さい」
「労わる」の英語用例・例文
「労わる」は英語では「care(手入れする、気にかける)」という単語に置き換えられる。以下、英語での「労わる」の例文を挙げる。The girl took care of her dog. They seemed to be real sisters.(少女は飼い犬を労わっていた。まるで彼女たちは本当の姉妹のようだった)
Take care of the soldiers of the enemy country too. Because that's what nurses do.(敵国の兵士も労わりなさい。なぜなら、それは看護師の仕事だからです)
The coach didn't care about the players at all. It was only natural that the morale of the team would not rise.(コーチは選手たちをまったく労わらなかった。チームの士気が上がらないのは当然だった)
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