《匡》の正しい読み方
「匡」の正しい読み方
「匡」は基本的には「こう」「きょう」「ただ(-す)」と読む字である。人名としては「こう」「たすく」「ただし」「ただす」「まさ」「まさし」などの読みが当てられることがある。「匡」の意味解説
「匡」の字には「曲がったりゆがんだりしているものを真っすぐに正す」という意味がある。たとえば「匡正」のような熟語に用いられる。転じて、「正しい」「助ける」「補助する」といった意味も持つ。また、「箱」を意味する「筐」の原字であることから「匡」にも箱の意味がある。なぜ「匡」と読むのか・理由
「匡」は、常用漢字以外に戸籍上で使うことのできる漢字として定められた人名用漢字の一つ。1951年に人名用漢字に採用された。「きょう」「ただ(す)」「すく(う)」という本来の音訓読みから意味を派生させて、人名漢字にあてた。日本のほか、中国語圏での人名にも用いられ、日本では男性の名前として用いられることが多い。「匡」の類語・用例・例文
「匡」の類語としては、「正す」「直す」などのほか、悪い習慣や癖などを正しく直す意味の「矯める」、ものごとの理非を明らかにするという意味の「糺す」、不正を問いただし真理を明らかにする意味の「糾明」などがある。用例・例文
「誰でも時計を号砲に合せることを忘れた時には岡田の部屋へ問いに行く。上条の帳場の時計も折々岡田の懐中時計に拠って匡されるのである(「雁」森鴎外)」
「宗乗の誤謬を匡すべく、火に灼かれる迄も正理を標榜した鼻がありました(「鼻の表現」 夢野久作)」
「互いに相扶導輔翼してその困難を済い、その誤謬を匡し、各々その本性を発揮しつつあることも、文明の統一、人道の活躍、教育の独立に偉大なる効果の有ることである(「日本の文明 」大隈重信)」
「併し自分がこの論文を書く主要なる目的は、C君の誤りを匡すことのみではなかった(「三太郎の日記」阿部次郎)」
「にもかかわらず、われわれは誤りを匡ことによって、革命を推進したのである(「チェ・ゲバラ伝」三好徹)」
「上司の誤りを匡すことは勇気のいることだ」
「その国は不公平を匡すために法を見直す必要がある」
「匡」の英語用例・例文
「匡」は人名用漢字なので、国土交通省により示された固有名詞を翻訳する際のルールに従って、英語では以下のようにローマ字表記となる。「Tadashi(ただし)」「Kyo(きょう)」「Tadasu(ただす)」「Masa(まさ)」「Masashi(まさし)」。例文「 The Chinese character Tadashi(匡) used in this name is often misread because there are multiple ways to read it. (この名前で使われている匡(ただし)という漢字は読み方が複数あるので読み間違えられることがある」また、「匡」を「はこ」の意味で用い「匡体(きょうたい)」と翻訳している場合には「casing」と英語表記し、用例として「To deal with the conventional film mounts in a downsized casing by housing the ease as a flashlight and the operability as a slide projector into the same machine body(懐中電灯として軽便さとスライド映写機としての使い勝手を同一機体内に納め、小型化した匡体での従来のフィルムマウントへの対応)」(出典:特許庁)などが挙げられる。
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