《則り》の正しい読み方
「則り」の正しい読み方
「則り」の正確な読み方は、「のっとり」である。「則る(のっとる)」の名詞形、あるいは連用形として使用されることが多い言葉だ。読み方は基本的に「のっとり」のみであり、音読みを使用した「そくり」などと読むことはない。また、古い読み方には「のりとる」があるが、現代で一般的に使用されることは少ない。「則り」の意味解説
「則り」とは、手本にすること、あるいは従うことを指す言葉である。そして、手本にしたり従ったりする対象は、法律などのルールや、古くから続く伝統など幅広い。ただ、あくまでも、すでに堅実な形として仕上がっていたり、長い期間続いてきたりするものが対象である。他者の一時的な思い付きを真似するという意味合いは、則りには含まれない。なぜ「のっとり」「のりとり」と読むのか・理由
「則り」の元となったのは、「則(のり)を取る」という表現だ。「則(のり)」は、「規範」や「手本」、「基準」を意味する古語である。そして、「則を取る」という表現にした場合、規範や手本にするという意味になる。その「則を取る」が略される形で、「則る(のりとる)」となり、さらに読みが「のっとる」へと変化した。そのような経緯がある「則る(のっとる)」は、現代語ではラ行五段活用の動詞に分類されるため、名詞形あるいは連用形にすると、「則り(のっとり)」となる。「則り」の類語・用例・例文
「則り」の類語としては、「基づき(もとづき)」が挙げられる。何らかのものごとを根拠や基礎とするという意味の言葉「基づく」の名詞形あるいは連用形であり、完全に同義ではないものの、一部の意味が則りと共通している。また、前人のやり方を受け継ぐ形で継続させるという意味の「踏襲(とうしゅう)」も、類語のひとつである。その他には、「模倣(もほう)」という類語もある。他者の真似をする意味の言葉であり、則りと近い。ただ、模倣には、手本や規範といった意味合いがあまりないため、則りを模倣に置き換えることは望ましくない。「則り」を名詞形で使用する場合、「儀式の一連の流れは、伝統の則りである」といった表現となる。則ること自体を指す形だ。連用形として使用するのであれば、例文は「今年の祭りは、これまでの伝統に則り、執り行うこととする」「法律に則り、彼の刑期が決められた」のようになる。
「則り」の英語用例・例文
「則り」を英語で表現する場合、名詞形であれば「following」となる。連用形として使用するのであれば、伝統に則る場合は「follow」、法律やルールに則る場合は「in accordance with」が適している。例文にすると、「Following is important to preserve tradition.(伝統を守るためには、則りが重要である)」「It is important to follow tradition and hold festivals.(伝統に則り、祭りを行うことが重要だ)」「In accordance with law, I will arrest you.(法律に則り、あなたを逮捕する)」といった形だ。《則り》の正しい読み方
「則り」の正しい読み方
「則り」は「のっとり」と読む。「則る(のっとる)」の連用形である。「則り」の意味解説
「則る(のっとる)」は、法やルールを根拠として従う、模範としてならう、という意味の動詞である。「則る」の「則」は標準として守るべき規則や法令、おきてという意味。個人的に決めた事柄ではなく社会的なルールを指し、物事の前提・根拠となる事柄や取り決めをいう。宗教上の教えなどもこれに含まれる。これらのルールにぴったりと寄り添って、その通りに物事を行うさまが「則る」である。
なぜ「則り」を「のっとり」と読むのか・理由
「則り」の元の形である「則る」は、もとは「のりとる」と読まれていた。これが口語で言いにくいために次第に「のっとる」と発音され、正しい読みとして定着した。日本語の読みである「のり」はもともと「宣り」と書き、これは「宣る(のる)」という動詞がもととなっている。「宣る」とは神や天皇が発言するという意味で、古代ではそれはそのまま絶対的な規律であった。ここから、同じく規則という意味を持つ「則」に「のり」という読みが当てられ、「のり(規則)」を「とる(規範とする)」という言葉になり「則る」を「のりとる」と読むようになった。
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