《刺青》の正しい読み方
「刺青」の正しい読み方
「刺青」は「しせい」と読むのが普通だが、熟字訓に沿った読み方では「いれずみ」となり、どちらも正しい読み方である。「しせい」は漢字をそのまま音読みで読んだものだが、「いれずみ」は昭和時代に作られた当て読みとされている。「刺青」の意味解説
刺青とは針などの器具を使って皮膚に傷を作り、墨や顔料などの色素で着色させて文字や絵柄を記すことである。「入れ墨」とも書くが、狭義の意味では入れ墨は刑罰として行われたもの、刺青はファッションや儀式など本人の意思で行ったものに分かれる。刑罰として行われた刺青を「入れ墨」と表記するのは真っ黒な墨を使っていたためである。現在では入れ墨を入れる刑罰が廃止されたこともあり、ファッションで行った刺青を「入れ墨」と表記しても誤りではない。なぜ「刺青」と読むのか・理由
古くは入れ墨全般を「刺青」と書いていたが、これは顔料を入れた際に皮膚の内部が青黒く見えたためである。また、個人の体質によっては傷を作った部分が変色して青痣のようになることもあり、この状態から「刺青」の表記が使われるようになった。「刺青」の表記は刑罰に関わる役人やファッションとして行っていたやくざなど限られた層の中で使われていたが、明治時代に作家の谷崎潤一郎が自作の題名に用いたことで広く知られるようになった。「いれずみ」と読むようになったのは昭和の時代に行われた映画会社の宣伝がきっかけとされている。「刺青」の類語・用例・例文
「刺青」の類語には「彫り物」「紋々」「いれぼくろ」などがある。いずれも罪人に対して行われる刑罰としての入れ墨ではなく、本人の意思で行う刺青と同じ意味を持つ。「彫り物」や「紋々」はやくざの他、火消しや漁師などの男性が行う刺青に対して用いることが多く、「いれぼくろ」は女性、特に遊女が行う刺青のことである。例文としては「彼の背中にある刺青は芸術的な美しさがある」「私の祖父は漁師で、古くからの慣習として腕に彫り物が入っている」「映画で遊女の役を演じるのでいれぼくろを模したシールを貼った」などがある。「刺青」の英語用例・例文
「刺青」は英語では「tattoo」と表記される。日本では「刺青」「入れ墨」など表記を別にすることで異なる意味を持たせているが、英語での「tattoo」は刑罰やファッションなど理由による違いは問わないので、すべての刺青は「tattoo」と表記するのが特徴である。例文としては「腕の刺青」を意味する「Arm tattoo」や、刺青シールを意味する「Tattoo sticker」などがある。また、刺青に用いる顔料の英語表現である「ink」に「tattoo」の意味を持たせることもある。- 《刺青》の正しい読み方のページへのリンク