《刑部》の正しい読み方
「刑部」の正しい読み方
FGO(Fate/Grand Order)に登場するキャラクター「刑部姫」の「刑部」は、「おさかべ」と読む。「刑部姫(おさかべひめ)」である。「長壁姫」という異表記もある。姫路城にゆかりのある妖怪・長壁姫がモチーフ(元ネタ)になっている。妖怪について調べたい場合は「長壁姫」表記で検索するとよい。「刑部」の読み方は、日本の地名または氏族名を指す場合は「おさかべ」であり、古代および明治の日本に置かれた行政機関を指す場合は「ぎょうぶ」、そして古代中国の司法組織を指す場合には「けいぶ」である。
「刑部」の意味解説
「刑部」を「けいぶ」と読む場合は、中国古代の行政機関の一つで、国政の中枢を担う「尚書省」を構成する六部の一つ。司法刑獄を担当した。「おさかべ」と読む場合は、古代大和朝廷の名代(なしろ)の一つをさす。名代とは一定の役割を持って政権に奉仕する集団をいい、そこに所属して警備などを含む役務にあたったのが刑部(おさかべ)氏であった。そして「刑部」を「ぎょうぶ」と読む場合は、律令制の八省の一つであり、明治時代に司法省と名称が変わるまで、一貫して司法全般を扱った役所・役職をさす。主に訴訟の裁判、刑罰の執行、刑務所の管理などを行った。なぜ「刑部」と読むのか・理由
「刑部」を「けいぶ」「おさかべ」「ぎょうぶ」と読むのは、固有名詞として古来伝統的に定められた読み方であるため。なお、「おさかべ」という読み方は、本来「忍坂部」が正字であったところ、「刑部」を当て字としてこれを読んだものとされている。「刑部」の類語・用例・例文
「刑部」は役職、人名、地名の固有名詞であるため類語はない。「刑部」を「ぎょうぶ」と読む用例としては、「そして亘理郡亘理の館主で、故政宗の第九子に当る安房宗実の二男、刑部宗定がよろしかろう、という案を出して来た(「樅ノ木は残った」山本周五郎)」、「黒瀬から小松ヶ瀬を渉り、菅沼刑部貞吉の武節の城に入り、梅酢で渇を医やしたと云う。勝頼の将士死するもの一万、織田徳川の死傷又六千を下らなかったと伝わる(「長篠合戦」菊池寛)」、「場中の者が、その者を呼ぶには特に「番町様」といったり「刑部様」と敬称したりしている(「大岡越前」吉川英治)」などがある。
「おさかべ」と読む用例としては「刑部老人と千賀子殿とは、まさか野馬には乗れまいな。またお前達二人などは、急いで駈けつける必要はない。後からゆっくり来られるがよい(「生死卍巴」 国枝史郎)」、「高野師直の娘刑部姫の霊が祀られてあって、そこへ登ること相成らずと禁ぜられていた故、其後誰一人登った者もなく、もし登れば刑部明神の怒りにふれて命を失う(「文学以前」 豊島与志雄)」などが見られる。
「刑部」の英語用例・例文
「刑部」を英語で表現すれば「Gyobukyo (Minister of Justice)」となる。用例・例文としては「Gyobusho (Ministry of Justice) and each official had jurisdiction and police power(裁判権・警察権も刑部省・各官司が握っていた)」、「Akikane served as Minister of Justice for many years(顕兼は、長年刑部卿を務めた)」などがある。また、「刑部」を氏名や地名で「おさかべ」と読む場合の英語表現は、固有名詞なので「OSAKABE」と表記し、「OSAKABE no Mototsugi (刑部本継)」などと用いる。- 《刑部》の正しい読み方のページへのリンク