金文
名字 | 読み方 |
金文 | かねぶん |
金文
姓 | 読み方 |
---|---|
金文 | かねぶん |
金文
金文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 16:24 UTC 版)
殷・周時代には各種の青銅器が作られ、この時代を青銅器文化という。この文化は中国の古代文化を特色づける最も重要な遺品であり、千有余年にわたるこの文化の歴史は、中国古代の歴史であるともいえる。そして、その青銅器の表現と製作技術は、他のどの文化民族の青銅器よりも優れ、とりわけ鐘と鼎がその最も代表的な青銅器とされた。よって、これに刻したり、鋳したりした文字を鐘鼎文(しょうていぶん)といい、金文ともいう。甲骨文の書風が直線的で線質は鋭利で単調であったのに対し、金文のそれは曲線的で線質には逞しさがある。 殷代中期には、1字から20字程度の文字を鋳込むようになり、周代に入ると製作の由来や目的を文章にして鋳込むようになった。現存する青銅器の文字は、すべて器の内側、またはその他の表面に鋳込まれており、この方法は周代にまで継承された。青銅器のうち銘文を有するものの大部分は、神および祖先を祭る儀式のための祭器である。この銘文には、鋳型にほって鋳出した鋳銘と、鋳造された青銅器の上に刀でほり込んだ刻銘との2種類がある。殷・周の金文のほとんどは鋳銘であり、戦国時代になって武器などに刻銘が現れる。 殷代の図象と文字との接点 字数の少ない殷代の金文は、絵画的で文字とはいえないようなもの、つまり図象と呼ばれるものが中心である。この時代はすでに文字が出来上がっているので、図象は文字とは異なる体系をもつ。図象は王朝的秩序に対応する身分(氏族の標識)などの象徴であり、すべての氏族の図象の体系は、そのまま王朝の支配形態を表している。そして、図象標識が固有名詞としてその氏族名と対応するとき、それは氏族名を示す文字となる。図象は文字ではないが、図象標識として用いられるものに書法的意識が加えられると、そのまま文字となるのである。文字は図象のような前段階を幾重にも経験しながら、文字の体系にたどり着く。 旧来の説では図象は殷代の遺物と考えられていたが、近世の研究により図象の中にも周代初期のものがあり、両者の間にそれほど明確な区別はないことがわかっている。これらの図象は、前述のように文字の起源や成立に関わると考えられ、古文字研究者の重要なテーマとなっている。その総数は四千数百にのぼり、重複を除外した殷周青銅器全銘文数の半ばを占める。図象以外の殷代の金文は、第5期の甲骨文字に近似している。 甲骨文や金文は、現在の漢字の祖形である。しかし、文字としてはすでにかなり発達した段階にあり、更に始原的な文字が発掘される可能性を秘めている。 また、中国の書法は直筆(中鋒)による強い筆線を正統としているが、甲骨文や金文には線に鋭さや力強さを感じることができる。近年、甲骨文や金文が書道や篆刻の作品に取り入れられることも多くなっている。
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金文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:42 UTC 版)
もっとも古い書体の一つであり可読性は低く、落款等を除いてあまり使われない。
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