ジンチョウゲとは? わかりやすく解説

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じんちょう‐げ〔ヂンチヤウ‐〕【沈丁花】

読み方:じんちょうげ

ジンチョウゲ科常緑低木。よく分枝し、つやのある倒披針形密につける。早春紅紫色または白色香りの強い花を多数開く。中国原産で、雌雄異株であるが、日本のものはほとんど雄株実を結ばない。名は、花の香りを沈香(じんこう)と丁字(ちょうじ)にたとえたもの。瑞香。《 春》「—春の月夜となりにけり虚子

沈丁花の画像

沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge), チンショウゲ(chinshouge)

ジンチョウゲ科常緑低木


ジンチョウゲ

ジンチョウゲ
科名 ジンチョウゲ科
別名: -
生薬名: -
漢字表記 沈丁花
原産 中国原産
用途 和名は沈香丁香合わせもつ花と形容されたことに由来します。早春花木として有名で、中国では歯・のど・腫れ物などの痛み用い民間薬です。
学名: Daphne odora Thunb.
   

沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge), チンチョウゲ(chinchouge)

ジンチョウゲ科常緑低木園芸植物

学名 Daphne odora


沈丁華

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

ジンチョウゲ科常緑低木園芸植物

学名 Daphne odora


瑞香

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

ジンチョウゲ科常緑低木園芸植物

学名 Daphne odora


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

ジンチョウゲ科落葉低木四月ごろ、外側紫紅色、内側白色の花をつけ、芳香がある

季節

分類 植物


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

作者 壷井栄

初出 昭和29年

ジャンル 小説


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

作者 原民喜

初出 昭和14年

ジャンル 小説


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

作者 人見東明

初出 明治44年

ジャンル


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

作者 三浦哲郎

初出 昭和49年

ジャンル 小説


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

作者 宮本百合子

初出 昭和2年

ジャンル 小説


沈丁花

読み方:ジンチョウゲ(jinchouge)

作者 吉屋信子

初出 大正13年

ジャンル 小説


ジンチョウゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/28 03:55 UTC 版)

ジンチョウゲ
ジンチョウゲの花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: フトモモ目 Myrtales
: ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae
: ジンチョウゲ属 Daphne
: ジンチョウゲ D. odora
学名
Daphne odora Thunb. (1784)[1]
和名
ジンチョウゲ(沈丁花)
英名
Winter Daphne

ジンチョウゲ(沈丁花[2]学名: Daphne odora)は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属常緑低木。別名でチンチョウゲともいわれる[3]。中国名は瑞香[1]、七里香、千里香[4]、別名:輪丁花。原産地は中国南部で、中国から日本に渡来して、室町時代にはすでに栽培されていたとされる[5][3]クチナシキンモクセイとともに、日本の三大芳香木の一つに数えられる[3]

名称

「沈丁花」という漢字名は、香木沈香(ジンコウ)のような良い匂いがあり、丁子クローブ)の香りを合わせたような香木という意味で名付けられた[5][3]。また、沈丁は沈香から転訛したものという説もある[6]。学名の Daphne odora の属名 Daphne(ダフネ)はギリシア神話女神ダフネにちなむ[6]種小名odora(オドラ)は「芳香がある」を意味する[6]

特徴

常緑広葉樹低木[5]樹皮は褐色で滑らか[2]互生[3]、濃緑色をしたツヤのある革質で、長さ6センチメートル (cm) 、幅2 cmの倒披針形で[5][7]ゲッケイジュの葉に似ているが、ゲッケイジュよりも軟弱。

雌雄異株であるが、日本にある木は雄株が多く、雌株はほとんど見られない[5]。そのため種を採取することはできず、増やすためには挿し木を使う。挿し木には、植物の先端部分を使う「天芽挿し」を用いる[8]

花期は2月 - 4月[5][2]。枝先から濃紅色花蕾が、集まって出てくる[2]。花は花弁がない花を20 - 30個、枝の先に手毬状に固まってつく[5]。花弁のように見えるものは4枚の萼片[6]、外側が淡紅色、内側が白色で、中にはすべて白色のものもある[3]雄蕊黄色、花から強い芳香を放つ。花を囲むようにが放射状につく。

果期は6月[3]。赤く丸い果実をつけるが、実を噛むと辛く[7]有毒である。日本には雌株が少ないため、あまり結実しないが、ごく稀に実を結ぶこともある[5][2]

冬芽は前年枝の先につき、そのほとんどが花芽で、多数の総苞に包まれている[2]側芽は枝に互生し、かなり小さく、葉が落ちると見えるようになる[2]。葉痕は半円形で、維管束痕が1個ある[2]

利用・文化

関東地方以南では、庭木や公園樹として親しまれており、墓に植えられることも多い[3][6]。ただし、移植は好まず[6]、耐寒性には乏しい性質がある[5]。日本にあるものはほとんどが雄株のため、挿し木で増やす[3][7]。花の煎じ汁は、歯痛口内炎などの民間薬として使われる。

神話

ギリシャ神話にジンチョウゲの逸話が登場する。キューピッドの黄金の矢に射抜かれた太陽神アポロンは、最初に出会った女性に恋焦がれる運命になる。アポロンの前に通りがかったのは、森の妖精ダフネ。アポロンは激しい恋に落ち、ダフネを追いかけまわす。ダフネは逃げ惑い、ゼウスに助けを求めた。ダフネのことを憐れに思ったゼウスは、彼女をジンチョウゲの花へと変えた。ダフネがジンチョウゲの花に姿を変えても、アポロンのダフネに対する愛は失われなかった[9]

花言葉

ジンチョウゲの花言葉は、「栄光」「不死」「不滅」とされる[3]

俳句

春先に花を咲かせることから、春の季語としてよく詠われる。

  • 沈丁や死相あらはれ死相きえ  川端茅舎(『華厳』所収)
  • 沈丁の香の強ければ雨やらん  松本たかし(『松本たかし句集』所収)
  • 闇濃くて腐臭に近し沈丁花  野澤節子(『雪しろ』所収)

歌集

  • 沈丁花 月のひかりは… - からしまあきこ(文芸社、発売日:2007年8月1日)

小説

  • 「沈丁花」 - 宮本百合子(初出:「文芸春秋」1927(昭和2)年2月号)

効用

漢方薬

漢方薬としては瑞香花といい、花の部分を歯痛、咽喉痛乳がん初期、神経痛などの薬にする[4]。ただし、植物のすべての部分が毒性を持っており、特に果実が危険である[10]

毒性

全体にメゼレインなどの有毒成分を含み、特に果実や樹皮の毒が強い。誤食した場合には口唇や舌の腫れ・のどの渇き・嚥下困難・悪心嘔吐血の混じった下痢を伴う内出血・衰弱昏睡などの症状が出て、死に至る可能性もある。また、汁液に触れた場合には皮膚に炎症などが生じる恐れがある[11]

品種

ジンチョウゲはたくさんの栽培品種が作られており、葉に縞や斑が入ったフクリンジンチョウゲや、葉がねじれたり、波を打っているものなどの品種が多数ある[7]。主な品種は以下のものが掲げられる。

  • シロバナジンチョウゲ(白花沈丁花、学名: Daphne odora Thunb. f. alba (Hemsl.) H.Hara (1954)[12]) - 花の色がい。
  • ウスイロジンチョウゲ(薄色沈丁花、学名: Daphne odora Thunb. f. rosacea (Makino) H.Hara (1954)[13]
  • フクリンジンチョウゲ(覆輪沈丁花、学名: Daphne odora Thunb. 'Marginata' (1930)[14]) - 葉の縁にが見える。

脚注

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daphne odora Thunb. ジンチョウゲ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年2月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 95.
  3. ^ a b c d e f g h i j 田中潔 2011, p. 143.
  4. ^ a b 薬草に親しむ-春の香りは沈丁花”. エーザイ株式会社 (2012年1月). 2025年2月10日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i 平野隆久監修 1997, p. 43.
  6. ^ a b c d e f 辻井達一 2006, p. 143.
  7. ^ a b c d 辻井達一 2006, p. 145.
  8. ^ ジンチョウゲを増やしたい! 最適な時期と方法、注意点を知っておきましょう”. GardenStory (2018年6月29日). 2025年2月10日閲覧。
  9. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、44頁。 
  10. ^ 沈丁花:春の到来を告げる芳香”. 日本花卉文化株式会社. 2025年2月10日閲覧。
  11. ^ ジンチョウゲ(沈丁花)とその毒性”. PictureThis. Glority LLC. 2025年2月10日閲覧。
  12. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daphne odora Thunb. f. alba (Hemsl.) H.Hara シロバナジンチョウゲ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年2月10日閲覧。
  13. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daphne odora Thunb. f. rosacea (Makino) H.Hara ウスイロジンチョウゲ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年2月10日閲覧。
  14. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daphne odora Thunb. 'Marginata' フクリンジンチョウゲ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年2月10日閲覧。

参考文献

関連項目

ジンチョウゲ科には、他に下記などがある。

外部リンク


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